フォーレ(1845~1924)は、今年没後ちょうど100年の記念イヤーです。
それもあって、今年は、日頃あまり弾かないフォーレの作品を弾いています。
第70回プロムナード・コンサートで弾くのは、シシリエンヌ(シチリアーノ)。
シシリエンヌというのはフランス語、シチリアーノはイタリア語です。
フォーレがフランス人なのでシシリエンヌと記載してます。
この曲は、ピアノオリジナルではなく、元はフォーレが友人のヴァイオリニストのために1893年に書いた、ヴォイオリンとピアノのための小品です。
フォーレ自身がチェロ用、フルート用、ピアノ用などの編曲をしていますし、フォーレ以外の人による編曲もたくさんあるので、さまざまな演奏がされています。
シシリエンヌというのは、シチリア地方のゆったりとした舞曲に由来し、17世紀ルネサンス時代後期から18世紀バロック時代に流行しました。
付点リズムに特徴があり、このフォーレのシシリエンヌにも多用されています。
抒情的なメロディとシシリエンヌのリズム、フォーレ独特の和声進行がうまく融合されて、どこか懐かしい感じのする心地よい音楽となっています。