唐茄子はカボチャ

映画と音楽と・・・

男はつらいよ 寅次郎夢枕

2008年02月17日 | 男はつらいよ・山田洋次
男はつらいよ 寅次郎夢枕

松竹

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これはきついです。寅さんからのプロポーズと勘違いして・・・受けたのに、お千代さんがわかいそうです。受けるのだってまじめに受けたのに・・・寅さんにはその真剣さにどうしていいかわからずと惑っちゃったんですね。お千代さんがその戸惑っている寅さんをかわいそうに思ったのでしょう。「やっぱり冗談よ」といいますが、なんか、寂しいせりふです。そのあとも一緒に帰れなかったお千代さんの後姿が本当に悲しい。

いきなり寅さんに呼び出されてわざわざお店閉めて着物も着てやってきたのに・・・
とらやの人たちに「私がふられたの」と言うお千代さんを見てさくらさんはなんか感じたようですが、お千代さんが気になったのもそうですが、結果的にふる事しかできなかったおにいちゃんを思ったのに違いありません。

このあたりの寅さんは完全撃墜のそれまでと違って、いい線いきますね。この辺、いい作品が多いと思います。(08.1.19)

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マカオの寅(だったかな?)のマクラ、寅さんのお嫁さんを探すところで大騒動、旅先で渡世人の寂しさが身にしみて・・・また家に帰ってみたら大学教授の米倉さん(役名は岡倉さんだったかな?)が寅の部屋にすでに住んでて・・・それでまたひと騒動でまた家を飛び出そうとした時にお千代さんとの再開!

美容院でさくらさんが髪をとかしてもらっているときに寅さんが入ってきて「ここは漬物屋か?らっきょが2つ並んでる」なんて2人に言うシーンがとてもほほえましいです。あの時の鏡越しにお千代さんを見てさくらさんがはっとした顔をしたけれど、あれは何だったのだろうか・・・意味ありげな表情でした。

寅さんはあがいている人を見ると、手を差し伸べたくなっちゃうんですね。

もう一言、もう一言・・・もう一歩がんばれば、お千代さんと結ばれたのに・・・

勘違いのプロポーズの時のお千代さんがあそこで粘っても良かったのに・・・でも、粘れなかったところがお千代さんの優しさだったのか、それとも、「寅さんはそれほど私を好きじゃなかったのか・・・勘違いしてたわ・・・」と言うことなのか・・・なんにしても、お千代さんの想いは自ら引いてしまったのでだめになっちゃいました。

寅さんも、動揺するのはいいけれど、そこで踏ん張って、がんばって、自分の気持ちを整理できればよかったけれど・・・あそこで思わぬ展開でがけっぷちに自分からなっちゃって、向こうが引いてくれたおかげで助かったって感じになっちゃいましたけど・・・結局、自分の想いとは正反対の態度をとってしまうおろかな寅さんでした。

そしてそんな自分に落ち込んだのでしょう。2階でのさくらとのやり取りがまた悲しいのですが・・・さくらに打ち明けようとそこまでで出かかった言葉を、結局うやむやにしてしまった寅さん。あそこで一言、さくらに打ち明けていたら、さくらの適切なアドバイスによってまた話が展開したかもしれないのに・・・それをしなかった寅さんに哀愁・・・

最後のお千代さんのお正月のシーン、「私ふられちゃったから」というお千代さんにまじめにとらやの人たちが捉えてくれたならば、また違う展開もあったでしょう。あれはお千代さん、ちょっとかわいそう。でも、あそでみんな笑っている時に「どうして?寅さんならお嫁さんになってもいいのに・・・」とまじめに抵抗したお千代さん。自分の恥を表に出して立派な女性ですなあ・・・いい女の人だよ。

寅さんからのプロポーズを期待して、お店を閉めて和服まで着て4時間もはぐらかされて、来た!と思ったら勘違い。あそこでお千代さんは寅さんを怒っちゃえば良かったのに。「あんた!他人のことより自分の心配をしろ!」とか、「私は本気なのに、私の心をもてあそぶ気?」とか何とか・・・まあ、そういう人じゃないから、いい人なんだけど。

うわー今日は長々と書いてしまいました。
お千代さんに惚れたね。



男はつらいよの名場面

2008年02月17日 | 男はつらいよ・山田洋次
総括するわけじゃないけど第2弾

思い出す場面は・・・

歌子さんと寅さんが隣り合わせで反対のほうを向いて星を眺めるシーン・・・歌子さんの希望と寅さんの悲しさ・・・2人は隣り合わせでも一緒になることはできませんでした・・・という感じが良かったです。

泉ちゃんの乗る新幹線に、満男が飛び乗った時の泉ちゃんの表情。あわてたようなうれしいような・・・言葉にならない表情が良かったですね。
泉ちゃんといえば、最後の浜辺で満男の真意を聞こうと迫るところも良かったです。一人で旅に出て豆腐を買って帰るところで寅さんにあるシーンも良かったですね。

浜辺で満男と泉ちゃんがわいわいやっている姿を見て風吹さんと寅さんが歌うところも良かったなあ・・・

いしだあゆみさんのやつで、寅さんが寝たふりをしているところでいしださんがすぐに出て行かないところなんかもどきどきしましたね。

あとはやっぱり田中裕子さんが迎えに来た寅さんの腕にぎゅっとしがみつくところ。もう、抱きしめたくなっちゃう!って感じで・・・そのあとの白菜の漬物のやり取りが自然でよかった。殿山泰司さんのお坊さんも良かったなあ・・・

昨日みた寅さんの財布にさくらがお金を入れるシーンも良かったです。
その前の日にみた駅のホームで竹下さんが寅さんの袖を引っ張るところも良かったし・・・

国鉄労働者も出ましたが、力強く走る汽車の風景とか、古い宿とか、旅芸人とか、空の風景とか、いろいろ目に焼きつくものがありました。20年以上(?)にわたって日本の移り変わる風景をとってきたんですね。

男はつらいよ完全制覇とはいきませんが・・・

2008年02月17日 | 男はつらいよ・山田洋次
男はつらいよ     (第1作) 冬子
続・男はつらいよ   (第2作) 夏子
フーテンの寅     (第3作) お志津
新・男はつらいよ   (第4作)
望郷篇        (第5作) 節子
純情篇        (第6作) 夕子
奮闘篇        (第7作) 花子
寅次郎恋歌      (第8作) 貴子
柴又慕情       (第9作) 歌子
寅次郎夢枕      (第10作)千代
寅次郎忘れな草    (第11作) リリー
私の寅さん      (第12作) りつ子
寅次郎恋やつれ    (第13作) 歌子
寅次郎子守唄     (第14作) 京子
寅次郎相合い傘    (第15作) リリー
葛飾立志篇      (第16作) 礼子
寅次郎夕焼け小焼け  (第17作) ぼたん
寅次郎純情詩集    (第18作) 綾
寅次郎と殿様     (第19作) 鞠子
寅次郎頑張れ     (第20作) 藤子
寅次郎わが道をゆく  (第21作) 奈々子
噂の寅次郎      (第22作) 早苗
翔んでる寅次郎    (第23作) ひとみ
寅次郎春の夢     (第24作) 圭子
寅次郎ハイビスカスの花(第25作) リリー
寅次郎かもめ歌    (第26作) すみれ
浪花の恋の寅次郎   (第27作) ふみ
寅次郎紙風船     (第28作) 光枝
寅次郎あじさいの恋  (第29作) かがり
花も嵐も寅次郎    (第30作) 蛍子
旅と女と寅次郎    (第31作) はるみ
口笛を吹く寅次郎   (第32作) 朋子
夜霧にむせぶ寅次郎  (第33作) 風子
寅次郎真実一路    (第34作) ふじ子
寅次郎恋愛塾     (第35作) 若菜
柴又より愛をこめて  (第36作) 真知子
幸福の青い鳥     (第37作) 美保
知床慕情       (第38作) りん子
寅次郎物語      (第39作) 隆子
寅次郎サラダ記念日  (第40作) 真知子
寅次郎心の旅路    (第41作) 久美子
ぼくの伯父さん    (第42作) 
寅次郎の休日     (第43作) 
寅次郎の告白     (第44作) 雪子
寅次郎の青春     (第45作) 蝶子
寅次郎の縁談     (第46作) 葉子
拝啓 車寅次郎様   (第47作) 典子
寅次郎紅の花     (第48作) リリー

男はつらいよ 寅次郎忘れな草

2008年02月17日 | 男はつらいよ・山田洋次
男はつらいよ 寅次郎忘れな草

松竹

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第11作 1973年作品

リリーさんです。
酔っ払って夜中にとらやに来たときのリリーさんと寅さんのやり取りが悲しい。おたがい、ひとつのところに根を張ることにあこがれていても、それができないと思ってる2人だから・・・

家に気を使う寅さん、そんなことをお構いなしに騒ぐリリーさん。リリーさんが騒げば騒ぐほど寅さんはそれを止めて寅さんに止められればそれだけ面白くないのです。

寅さんのリリーさんへの心配りは恋した女性へというよりは、同じ境遇の人間だからという気持ちがつようみたいで。寅さんにとって一番気軽に付き合える女性なのかもしれません。

ラーメン屋で寅さんのお財布にお金を入れるさくらさんに泣けてきます。

満男くんは吉岡君だけじゃないんだ・・・へえ・・・(07/12/29)


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やっぱりリリーさんだよ。知り合いにリリーさんに似てる人います。見た目に派手で、まつげもとんがってます。人懐っこくて・・・気軽にぽんぽん話ができるような感じの人です。

明るい分、つらいものを背負い込んでる感じも似てるなあ・・・

まあ、それはともかく、りりーさん、つらかったんだろうねぇ。寂しかったんだろうねぇ・・・でも、それをうめるための結婚だったんだろうねぇ・・・ただの代理でしかなかったのかなあ・・・結局・・・毒蝮がかわいそうではありますが・・・

リリーさんの本名は松岡清子さんと言うのかな?

最後のさくらさんのお財布のシーンはやっぱりいいシーンです。