柔と剛の酒質混在
「天穏 純米酒(白ラベル)R3BY」
まず口中で、優しく濃い旨味が広がる。天穏にしては太めの酸が後半に立ってくるのだが、ハネを演出するには丁度良い塩梅の酸の太さだ。ハネてから旨味が余韻で延びていくのが天穏らしい。酒米が山田錦だからなのか、今回の濃い旨味と酸のコラボはこれまでの小島杜氏醸造の酒質にない味の組成で面白い。若さが少し気になる部分はある。
燗につけても、へこたれないし、爽快に呑めるエエ酒やぁ!これからの熟成でどんどん練れてバランスももっと良くなっていくんだろうなぁ。愉しみだ。
原材料: 米・米麹
酒米:鳥取県大山産山田錦
精米歩合: 70%
アルコール度: 15度
日本酒度: +4.0
酸度:
アミノ酸度:
酵母: 無添加(山廃)
1回火入れ 蔵内瓶貯蔵
難しい事は言わない。呑んでみるべき純米燗です。
「きもと」「山廃」の世界
(そのスッキリ繊細な酒質を味わう)
その奥行きある味わいの背景にある微生物たちの奇跡的共演を想像すれば、きっと心揺さぶられずにはいられない!
速醸仕込み
人為的に乳酸添加する安全な醸造方法。
現在の一般的な酒造りの方法。酒母(もと)に人工的に乳酸を添加し、その酸で酵母を他の雑菌から守りながら育成する。この方法なら、ほとんど腐造の危険性は無く安全なので、大部分はこの仕込みで醸される。
きもと仕込み
「天然の乳酸菌」を取り込む醸造方法。
酒母(もと)の中に自然界の乳酸菌や硝酸還元菌が順繰りに発生しない場合には、腐造の危険性が付きまとう。しかも、山卸し(櫂で酒母を摺る作業)など昼夜を問わない大変な労力と時間と技術を要する。
山廃仕込み(きもと系)
「きもと」の山卸し(櫂で酒母を摺る)を廃止した仕込み。
きもと同様に天然乳酸菌を取り込むが、きもと仕込みの重労働のひとつの山卸しを廃止し、主に暖気樽(「だきだる」と呼ばれる湯の入った樽)を酒母に入れ、その温度調節で、麹の酵素力を引き出し、米を溶かす仕込み
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