綺麗に熟成した古酒
「十旭日きもと五百万石純米H 28BY」
熟成香はさほど強くなく、黒糖に通じるような含み香がある。第一印象で、しっかり練れて優しく立体的な旨味に「ギョッ!」とする。その後、静に酸が立ちキリッと引き締まる。「なんだ?この透明感は??」
これまでの十旭日の「きもと五百万石」は酸と旨味の輪郭がクッキリとした剛健なイメージだったが、綺麗でバランスが良く熟成古酒として気品高く昇華している。凄い!
燗ににつけると、滋味深く、落ちつく。
原材料: 米・米麹
酒米: 五百万石(島根県産)
精米歩合: 70%
アルコール度: 15度
日本酒度: +8
酵母: 無添加
長期熟成酒(古酒)の特徴
1.色合いは、非常に「濃い山吹色」をしている。
2.「黒糖」「ナッツ」「醤油」「味噌」などに通じる独特の香りの「熟成香」がある。 これは個人的嗜好により好き嫌いがはっきり分かれる香りだ。 私にとっては食欲をそそる香りなのだが・・・生理的に受け付けない人がいるのも否めない。(笑)
3.時を駆けて、熟成により「練れた旨味」が集積、凝縮しているのが古酒である。一般的な完全発酵の2回火入れの純米酒ならば、時間が経つほど、気温が高いほど熟成度合いが増していくことになる。
(熟成度合=積算温度×時間)
4.「燗酒」でこそ凝縮した旨味が開き、本来持つポテンシャルを発揮する。
5.「食中酒」として料理とともに呑んでこそ真価を発揮し、お互いを高めあう。 和食はもとより、濃い味わいの中華料理、ジビエ・肉料理、チーズ料理などとも相性が良い。
純米古酒(長期熟成酒)は、このように大変個性的であり、慣れてない方は嫌悪感さえ感じる可能性もある。紹興酒や梅酒に似た酒質を有するので、これらを呑みなれている方なら、比較的すんなりと受け入れることができるはずだ。
注意:下記の古酒の名称にある「H10BY」とは、平成10酒造年度(平成10年7月~平成11年6月)に搾られた清酒を意味します。
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