純米燗オヤジの戯言 佐用の酒屋 地酒のDON

「完全発酵の純米酒を燗で呑む文化を普及させたい」そんな純米燗伝道師を自負する酒屋のオヤジ奮闘記。

「きもと」の爽快さを体現・・・十旭日きもと純米改良雄町

2016年04月20日 | 純米酒
一般的な酒の造りである「速醸仕込み」は

酒母(もと)に人工的に乳酸を添加し

その酸で酵母を他の雑菌から守りながら育成する

この方法は腐造の危険性が少ないので

大部分の日本酒がこの方法で醸される


それとは違い

蔵付きの自然界の乳酸菌を酒母に取り込み

その乳酸菌の生成する乳酸の酸で

酵母を守りながら清酒を醸す昔ながらの技術・・・

これを「きもと仕込み」という


「きもと仕込み」では

その清酒造りの大部分を自然界の細菌たちの働きに委ねているので

杜氏さんが思い描き設計した酒質に対して

プラスアルファされた計算外の不思議な味わいが加味されることが多いそうだ

そんな「きもと造り」における自然界の細菌たちの芸術的で不可思議な働きに

魅入られた旭日酒造(島根)の寺田栄里子杜氏が醸した「きもと純米酒」を紹介します


十旭日 きもと純米 改良雄町H26BY(島根・旭日酒造)




「その意表をつく爽快感、透明感にうちのめされたぁ~~ぁ!」

 待ってました! H26BYの十旭日「きもと」だ。ようやく出会えた。(^^)v きもと造りの爽快感、透明感が満載された綺麗な酒質に・・・意表を突かれて呆然とした・・・それほどにキレが抜群なのだ。中心に細い針金を通したような、しっかりした柑橘系の酸があり、そこから昆布だしのような上品な旨味が生み出され放出されるようなイメージ。強さと上品さが共存し、また爽快感、キレも抜群!
燗につけると、一層充実し、安心感がある。常温で隠れていた熟成感も感じながら、滋味深く癒される、そんな酒質だ。
もちろん渋さ残りもあるので、まだまだ良くなる。今後の熟成も愉しみだ。


島根や広島ではポピュラーな酒米の「改良雄町」は

個人的に凄く気になる米なのだ


交配は・・・

        改良雄町
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        - -
       |   |
    近畿33号  比婆雄町
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 近畿15号  近畿9号
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 銀坊主   朝日
   |   |
  愛国   日の出


日置桜(鳥取)が「穿(うがつ)H25BY」で実験的に醸した「銀坊主」の系譜をひく酒米であるのが興味深い

親である「近畿33号」を用いた純米酒も醸造する玉櫻酒造(島根)の櫻尾杜氏が醸す

玉櫻 きもと純米 改良雄町H25BY



との呑み比べもお薦めです
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