純米燗オヤジの戯言 佐用の酒屋 地酒のDON

「完全発酵の純米酒を燗で呑む文化を普及させたい」そんな純米燗伝道師を自負する酒屋のオヤジ奮闘記。

なんだぁ!この浮遊物・・・日本酒の澱の奥深さに感動!

2018年04月28日 | お米
いよいよ4月も終盤で、

春らしいというよりも、

初夏の暑さにバテ気味ですね。(笑) 

ただ、朝晩は依然寒く、

昼夜の気温差が激しいので、体調には、お気をつけください。


さて今回は、掘り出し物をみつけたので

ご報告です。



4月中旬に、経費が掛かりすぎる楽天市場店を撤退したのですが、

その在庫を整理していて見つけました。



「奥播磨 純米酒スタンダード H21BY」

「奥播磨 山廃純米スタンダードH22BY」の2本です。

どちらの熟成純米古酒も、呑みごたえたっぷりだと思いますが・・・


問題点がひとつ・・・。



澱(おり)の堆積が凄く、尋常じゃない





動かすと、黒色の澱(おり)がいっぱい浮遊します。

こんなときは、1時間も静かにおいておけば、

ほとんどすべての澱が瓶の底に沈みこみます


静かに徳利などに注げば、

ほとんど澱は沈んだままで

徳利には、はいらないと思います。

また、澱を瓶に沈めた状態で静かにデキャンタージュして、

別の瓶に入れ替える方法もあります。


この「澱(おり)」ですが

元々、この日本酒に含まれている「たんぱく質」の塊(かたまり)ですので、

呑んでも害はないですし、これが結構おいしいです。(笑)

澱を絡めて呑むと、よりコクがでて旨味が増すように感じます。

この澱が出来ることにより、

古酒の酒質の透明度があがり、洗練されていくとお考え下さい。



高級なヴィンテージの赤ワインの底に溜まっている澱は、

余分なタンニンやポリフェノール、たんぱく質の塊(かたまり)であり、

この澱が、できることによって、

上澄みのワインも、より透明感をまして、

洗練されていきます。

また口に含むと、ざらざらして、苦味、渋味、酸味が強く興ざめするので、

デキャンタージュの際に取り除くか、

底にたまったままの状態を維持しながら上手に注いで、

ワイングラスに入らないようにします。



このように、日本酒の澱(おり)と、

赤ワインの澱(おり)の成分はかなり相違します。

これも面白いですね。


また白ワインには、この澱はありませんが、

白ワイン成分である酒石酸が、

カリウムなどのミネラル分と結合してできた結晶が見られることがあります

これが「酒石」です。


これらのヴィンテージの熟成日本酒やワインにはつきものの

「澱(おり)」や「酒石」。


これらを指して

「異物」の混入

などとして

鬼の首を獲ったように騒ぐのは止めましょう


これらは良質の熟成古酒の「証」ですからね。(笑)



ところで先の奥播磨の2本ですが

すでに嫁ぎ先が決まっております


欲しいと思われたかた、ごめんなさい  m(__)m
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