中硬水が産む完全発酵の強い酒質
「大正の鶴」
本日は秋晴れ!
気持ちの良い日ですね。
そんな澄みきった秋空のように透明感ある強い酒質の純米酒がこれだ!
「大正の鶴(落酒造場・岡山)」
ラインナップ
「大正の鶴 百年の一滴きもと雄町純米R 2BY」
「きもと」特有の乳酸系の爽やかな香りが鼻孔をくすぐりワクワクする。口に含むと、穏やかで上品な旨味を感じ、温まるほどに膨らむが、期待値の手前で伸びが止まるのが口惜しい。すぐに柑橘系の酸が追いかけてきて、渋味とともにキリッと引き締まった強い酒質と透明感を演出する。
「大正の鶴R IS I NG赤磐雄町純米H30BY」
黒糖の様な熟成香はわずかにある。キリッと引き締まった強さを感じるのが大正の鶴の酒質の特徴だが、これはアタックで赤磐雄町米の柔らかく優しい旨味が前面に出て、穏やかな印象を受ける。だが後半に酸もしっかり立ってスッキリと引き締まる。
「大正の鶴 熟成純米(朝日・雄町)H 29BY」
黒糖の様な熟成香はわずか。米の旨味は凝縮し、落ち着きがあり、滋味深い。奥行きあるふくざつな味わいで、酸が立ち、全体を引き締める。岡山県の落酒造場の水は、中硬水であるがゆえに、一般的には、もろみの湧きが旺盛で味が多くなる傾向があるともいわれるが、あにはからんや、綺麗な酒質で、スッキリとした透明感がある。造りの強さを証明している。
「大正の鶴 大古酒 備前朝日純米(赤ラベル)H2BY」
備前朝日米で醸した純米原酒をタンクで20年間常温熟成させ、瓶詰して、さらに蔵内常温にて10年間熟成させた古酒。
黒糖や栃餅のような熟成香がある。ふくよかな旨味が前面に出て、30年の歳月の重さを感じる複雑で豊かな味わいだ!その独特の世界感に「ふぅーっ」と思わず声がでてしまう。まだこれからの熟成で変化を繰り返し、別の次元に導いてくれそうだ。
【完全発酵純米酒とは??】
発酵途中(酵母の活動途中)で、醸造用アルコールや調味液(糖類など)添加をして、酵母の活動を止めるベトベト甘い日本酒が大手の日本酒だ。酵母が自ら作り出したアルコールにより死滅する寸前まで、米のデンプンを糖化させたブドウ糖などを酵母に食わせてアルコールを極限まで高めるような醸造法により純米酒を搾ると、余韻にベタベタした甘味が残らず、スッキリとした日本酒になる。完全発酵純米酒には日本酒度が「+20」前後までキレた純米酒も多い。搾りたては、余韻の渋味が強いが、これを1年、2年、10年と熟成させると旨味が凝縮しながらもキレのある日本酒になる。こんな熟成に耐え、温度変化にも味の骨格が崩れない(「冷や」でも「燗」でも、「燗冷め」でも美味しい)強い酒質の純米酒を「完全発酵純米酒」と言いう。これこそが日本酒の原点だ。
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