熟成した旨味が凝縮
「北島きもと備中雄町純米H30BY」
「熟成の旨味が伸びる!」
「きもと」らしい乳酸系の香りが上品だ。穏やかで、まろやか、立体的な旨味が口中で膨らみ続ける。酸は大人しいお酒だなと思っていると突然に酸がキレて爽快さも演出する。洋ナシ、メロンなど果実の様に複雑な旨味のニュアンスがあり、独創的で魅力的な酒質だ。熟成により凝縮する旨味成分のダイバシティ(多用性)を見つめなおすには、うってつけのお酒だ。
もちろん燗で愉しんでね。熱く(70度程度)して、苛めたあとの燗冷め45度は、より伸びのある味わいだ。
原材料: 米・米麹
酒米: 雄町(岡山県まめ農園産)
精米歩合: 70%
アルコール度: 15度
日本酒度: +11
酸度: 1.8
酵母: 協会6号
「雄町米の系譜について」
「雄町米」は、本来、鳥取の大山の麓の原生種であり、「強力米」とともに一番古い種のお米であり、「山田錦」「五百万石」「玉栄」などの酒米の祖先でもあります。ただ、「改良雄町」は、比婆地方(広島)で栽培された純系雄町の「比婆雄町」と「近畿33号」を掛け合わせて品種改良したもので、古来の雄町の系譜としては、少し遠い関係になります。雄町として各地で栽培され、その優良種を純系淘汰したものが地方名のついた「備前雄町」「比婆雄町」「赤磐雄町」などで、それぞれ、古来の「雄町米」とは系統が異なってきているものもあるのですが、他の品種の血が入っていないという意味で、これらは「純系雄町」といえるのです。
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