イ・ジュニョクssiが出演された「赤道の男」は復讐や許し…人間の欲望が描かれたドラマで、
「復活」「魔王」に続きオム・テウンssiが再び復讐劇に挑んだ作品として
韓国放送当時から話題を集めた作品です。
そのオム・テウンssiの敵役として、親友を裏切った男ジャンイルを熱演した
イ・ジュニョクssiのインタビュー記事です。



―「赤道の男」の内容とイ・ジャンイルは、どんな人物ですか?
イ・ジュニョク:「赤道の男」は欲望について描かれたドラマです “復讐”や“許し”
といった、人間の欲望が描かれています。ジャンイルは成功や出世に対して貪欲な
キャラクターです。実は当初は、彼は許されない罪を犯したのでジャンイルを演じることが
苦痛でした。もし自分だったら、親友を陥れたことに自己嫌悪するだろうし。
とにかく彼を徹底的に憎みました。今でも、彼がやったことは悪いと思います。
それは事実だけど、彼の人生の結末は、悪事をはたらいた結果、幸せになるのではなく
悲惨な末路をたどるので、教訓は残してくれたと思います。
彼の欲望には僕自身共感できる部分もあります。
―ジャンイルの役作りのためにどんな準備をしましたか?
イ・ジュニョク:彼は行動自体が強烈なので、二重性が出るようにしました。
外見でも二重性を帯びるよう、設定上男らしさよりも、女性っぽさを出したりとか、
ヴァンパイアのような中性的な人物を目指しました。現実に存在しないかのような危うい
雰囲気を意識して衣装や外見などにも気を遣いました。
―特に苦労した点は?
イ・ジュニョク:普通はドラマをやると5~10話くらいで、登場人物の人間関係や雰囲気が
決まり、楽になるのですが、ジャンイルの場合は、2~3話の間に、周りの状況が一変し、
自分の立場も変わってしまうので、2話ごとにキャラクターが変わる印象でした。
状況が変わるたびに、新たに役作りをするので、そこがある意味面白くもあり大変な
部分でもありました。
―激しい嗚咽や、目線での演技などが素晴らしかったですが。
イ・ジュニョク:もちろん泣くシーンは消耗します。
一番きつかったのは……父親が首を吊る場面で、“子供のように泣く”という指示があって、
感情を込めて演じたものの、監督は淡々とした演技を望んだためNGになりました。
感情を消耗する場面でNGがたくさん出たし、自分でも満足できなくて、監督に頼んで何度も
撮り直してもらったので、その部分が肉体的にも、精神的にも きつかったです。
―オム・テウンさんとの共演でしたが、いかがでしたか?
イ・ジュニョク:テウンさんは本人の仕事にプロフェッショナルで、そういう部分で
頼もしい人だと思いました。彼との共演は柔らかい感じでした。
現場では集中して物静かな方です。役柄上も テウンさん演じるソヌと仲良しではないし、
僕もひたすら演技に集中しました。
―屋上のシーンは、壮絶でしたね。
イ・ジュニョク:もっと強く殴って、殺すべきだった。そう言って泣きましたよね。
視聴者はジャンイルを真の悪人と思ったでしょう。しかし、もう一方では、彼の本心は
何だろうと思わせる部分でもあります。表面上悪ぶっているだけではないかと。
台本を初めてもらった時は、正直戸惑いました。一般的なパターンとは違うので、
ジャンイルの真意を自分なりに解釈しました。彼は過去に戻っても また過ちを犯すだろう
ということ。彼の本性がそうなんです。ソヌの態度が悪魔のように冷酷です。
ソヌが悪魔のような振る舞いをすることに対して、動揺したんです。確かにジャンイルは昔、
彼を殺そうとしたけれど、自分を受け入れてくれた最後の理解者であったソヌが、いきなり
悪魔と化して現れたことに、大きな衝撃を受けたんです。
だから あのセリフには、“悪魔になって戻ってくると分かっていたら殺していた”
そういう気持ちを込めました。
―ジャンイルにとってのソヌとは?
イ・ジュニョク:ジャンイルにとってのソヌは……ジャンイルは皆と同じような幸せを
望んだと思います。でも彼は幸せという概念を誤解してしまった人物です。
ソヌは幸せになる方法を知っている人だと思います。正しい道を進める人。
だから、ジャンイルにとっては、ソヌという幸せのお手本がいるのに、彼に背を向けたために
幸せから遠ざかってしまった。友達という枠を超えて。ある種の象徴だと思います。
―ジウォン役のイ・ボヨンさんについて。
ジャンイルは彼女のどんなところに惹かれたのでしょう?
イ・ジュニョク:ボヨンさんはサバサバした人でした。テレビを通して見ていた時は、
もっとおしとやかな印象でしたが、兄貴っぽいところがあって接しやすかったです。
ジウォンのキャラクターは、ジャンイルは当初彼女が社長令嬢だから好きになりました。
ひずんだ欲望から好きになった相手ですが、ジウォンは社長令嬢でありながらひずんだ欲望を
抱くことなく、実に人間らしい人物です。
ジャンイルに足りない部分を持っている人物だと思います。人は自分に欠けているものを
相手に求めます。彼は正反対の彼女に魅力を感じたのだと思います。
―最後に「赤道の男」このドラマの魅力とは?
イ・ジュニョク:撮影中感じていたことですが、4人の主人公は1人の人間の分身だと思います。
欲望に満ちていますし、ソヌはそれを包み込める人物。ジウォンは寛容。スミは愛に対する執着。
誰もが持っている一面を極大化した人物だと思います。哲学的にも考えさせられることが多い作品
だと思います。ドラマを作った1人として、楽しんでもらえれば何よりです。
( Kstyle編集部)
