韓国映画「ジョゼと虎と魚たち」あらすじと感想。
田辺聖子の同名短編小説を犬童一心監督が妻夫木聡と池脇千鶴を迎えて実写映画化した『ジョゼと虎と魚たち』。その年の数々の映画賞を受賞し、20年近く経った今も全く色褪ることなく、青春恋愛映画の金字塔として愛され続けている。そして日本映画史に足跡を残した珠玉作が、昨今勢いのある韓国映画界の手によってリメイクされ、新たな究極の純愛ラブストーリーとして生まれ変わる。
主人公のジョゼを演じたのは「知ってるワイフ」や「私たちのブルース」などのハン・ジミン。
そして、青年ヨンソク役には、映画「安市城 」、Netflixの人気ドラマ「スタートアップ:夢の扉」に主演するなど、いま最もホットな若手俳優であるナム・ジュヒョク。
このお二人は韓国ドラマ「まぶしくて」カップルですが、この作品は超~お勧めドラマです!
監督を務めたキム・ジョングァンは、日本実写版のエッセンスを巧みに取り入れながら、四季が織りなす映像美を背景に、官能的でみずみずしい美しさにあふれた二人の物語を撮り上げた。
STORY
卒業を控えた大学生のヨンソクは、ある日、道端に倒れている車椅子の女性に遭遇する。
彼女を家まで送り届けたヨンソクは、お礼に夕飯を振る舞われる。
足が不自由な彼女は祖母と二人で暮らしていた。ジョゼと名乗る彼女は本で知識を得ることが好きで、独特な感性をもつ。そんな自分だけの世界観をもつ魅力的なジョゼに、ヨンソクは段々と興味をもっていく。
時々ジョゼの家を訪れるようになったヨンソクは、ジョゼには親がいなく、養護施設から逃げ出し、おばあさんに拾われてから自分の世界に閉じこもっている事を知る。
その事実を知り、ジョゼへの想いを強くしたヨンソクは、大学の女友達のツテを頼って、市の補助金でジョゼの家の改装にこぎつける。だが、ヨンソクと女友達の親密そうな雰囲気を察したジョゼは彼を拒絶するのだった・・・
映画監督犬童一心さんのコメントから、
ジョゼは、永遠だ。韓国で生まれたジョゼにも溢れる魅力があって、心うたれる。
彼女の強がりや、不器用さや、諦めや、欲望や、優しさや、何もかもが忘れられない。
日本の「ジョゼと虎と魚たち」の「恋」はぶつかるように描いたけど、韓国の「恋」は慈雨のように沁みてきた。 ジュヒョクさんとジミンさんの演技に目を見張りました。素晴らしいです。
2020年の韓国作品。韓国映画ジョゼ公式より
韓国ドラマ「まぶしくて」共演のお二人に期待しながら視聴しましたが、物語はあっさり、ゆっくり、淡々と時間が流れていきます。
日本版の方が訴えかけるものが分かりやすく描かれているように思いました。
再度、日本版と比べてみるのもいいかも・・・
韓国版で唯一印象が強かったシーンが、「ジョゼ」というのはサガンの本に出てくる人物の名前で、本が大好きな彼女はその名前が気に入りジョゼと名乗っていたのです。
そして、アイツは変わっているんだ、嘘ばかりついて、おかしな空想を現実だと思いこんでいると同じ養護施設で育った男性のジョムボンが教えてくれます。
その時、ジョゼの養護施設時代の過去も話してくれるのですが、この部分だけはビックリするようなインパクトのある事件を彼女が起こしていたことに驚きました。
障害者の「ジョゼ」と大学生ヨンソク(ナム・ジュヒョク)の一歩前に進めない切ない恋・・・
ところが先に勇気を出したのはジョゼでした・・・
私は彼女にとって好きな人を見つけられたことが一番の幸せだと感じました。
ところが、ラスト・・・
こんなつらい恋なら、出会わなければよかったと後悔するジョゼかも知れないけど、この世に産まれてきて、この恋が一生忘れられない美しい思い出として残ることも素敵な事だと思います。
これから先、「ジョゼ」の大きな心の財産として、いつまでも心の中に残っていくことでしょう。
そして、これからの人生、自分に少し自信を持つだけでいいのです・・・