ネイビーブルーに恋をして

バーキン片手に靖國神社

卒業式

2018-06-04 | つれづれなるままに

「いずも」電飾の欄にも少し書きましたが、先週末息子が高校を卒業しました。
公立校しか知らなかったわたしには私学の卒業式は初めてのこと(そして最後)です。
ちょっとイベントとしても面白かったので、この場を借りてご報告します。

全てにおいて物事を確認するのが後手後手に回る傾向のわたし、
息子に「卒業式っていつだっけ」と聞いたとき、実は同日に行われた
阪神基地隊の開隊記念行事に行くという返事をした後でした。

「大抵のことなら自衛隊行事を優先するわたしも、流石に息子の卒業式とあっては
人(の親)としてそちらを優先せざるを得ません」

そう返事をして泣く泣くお断りを入れたのでした。

卒業式は二日にわたって行われます。
一日目の最初に行われるのが、近くの教会での卒業ミサ。

大変由緒のあるカトリック教会です。
学校には教会もあり、チャプレンもいますが、いろんな宗教の生徒が
集まってくるということもあって、宗教的な行事を強制されることはなく、
学期の最初と最後に出席をすればあとは自由参加です。

しかし卒業の時だけは正式なミサを荘厳に執り行うことが決まっています。

教会の前方に見えるこの日本画はキリシタン弾圧で殉教した親子でしょうか。

聖堂の後方にはパイプオルガンと聖歌隊のバルコニーがあり、
生徒と音楽の先生が演奏を行なっていました。

卒業生入場後、司祭が振り香炉による炉儀を行います。
ちなみにこの炉儀はカトリック教会のみで行われます。

ミサは聖歌と経文の合間に信徒たちが「アーメン」とか「聖霊とともに」
といって合いの手(っていうんじゃないと思うけど)を挟んで進行します。

ミサ全体で約1時間を要します。

そして司祭がお高いところからお説教を行いました。

その後、卒業生に対し司祭から神の祝福が授けられます。

ガウンと角帽は事前に用意し、写真撮影と床からの裾の高さを調整し、
本番に臨むことになっています。

帽子のタッセルは、卒業式の最後のセレモニーの瞬間まで、
左側にしておかなくてはなりません。

ミサが終わり、両側に卒業生が立ち、参列者は知り合いに挨拶しながら通り過ぎます。

ジスイズマイサン。

最後は階段に並んで全員で記念写真。
このあと、アワードの授賞式のために学校に全員で移動します。

学校のオーディトリウムのスクリーンでは、卒業旅行の画像が映し出されていました。
群馬の山中でレンジャー訓練、じゃなくて、ラフティングとか滝に飛び込むなど、
ワイルドな活動を行ったそうです。

そのうち卒業生が入場。
これは先日行われたばかりのプロムでの一コマ。

息子(右から三番目)にはこのためにスーツと靴を新調してやりました。
彼はブルーのドレスの娘に花束をあげた(恒例に則って)ようです。

この日のイベントは、成績優秀者の表彰です。

まず、先生が二人、掛け合い漫才のようにユーモラスに生徒全員の紹介を
エピソードを交えながら行います。

そして、各科目について、「メリット」そして「ディスティンクション・スタディーズ」
という優秀賞が最初に授与されます。

最初の生徒はもらえる賞が一つとか二つですが、表彰が後に近づくにつれ、
数がだんだん増えていくのです。
もちろん全くもらえない生徒もいます。

これは実にわかりやすく成績の順番がわかってしまうシステムでもあり、
あとでTOと

「もらえない子には意味残酷なセレモニーかもしれないね」

「もしかしたら成績発表の前に先生たちが生徒全員について触れるスピーチをしたのも
私たちは成績だけで生徒を見ているんじゃないという気遣いなのかな」

などと話し合ったものです。

途中でプレゼンテイターが代わり、そこからは「メリット」だけでなく、
「アウトスタンディング・コントリビューション」という
「特にその教科に優れているで賞」が授与されるようになってきます。

ここからが兵学校で言うところの恩賜の短剣組です。

ムスコが♪───O(≧∇≦)O────♪キター

4教科でのアウトスタンディング・コントリビューション、6教科でのディスティンクション、
そして6教科でのメリットを戴きました。

親としては、専門にする予定のフィジックス(ハイレベル)で
アウトスタンディング略をもらえたのがとても嬉しかったです。

 

そしてか学校からの賞とは別に、日本文化の普及を推進する協会から、
特に歴史の先生の推薦を受けて「日本の城」についての論文に対し
特別賞を戴きました。

「教師の私自身が初めて知る視点を与えられるほど素晴らしい研究だった」

賞品は木製の(多分日本産)ケースに入った木製ボールペンです。

さて、戦いすんで。(戦いじゃないか)
わたしとTOは学校近くのカフェにお昼を食べにいきました。

そこで食後のデザートに出てきた生プリン。

ニワトリさんの中には黄身が内蔵されていて、それをこのように
ポトンとプリンの上に「産み落として」戴きます。

一つをシェアしようと言ったのに、甘い物好きのTO、
抹茶掛けバージョンをお代わりしました。

このニワトリさんは即お買い上げとなりました。

明けて次の日、実はわたしは前日の「いずも」撮影で疲れたままでしたが、
学校で卒業式の本番が行われました。

「威風堂々」の調べに乗せて全員が入場します。

卒業演奏というのか、プログラム最初にMKがアレンジし、
セレクトしたメンバーで「シェルター」が演奏されました。

ちなみに譜面を書いてやったのはわたしです。

Porter Robinson & Madeon - Shelter (公式ビデオ) (A-1 Pictures & Crunchyrollによるショートフィルム)

シェルターとは「庇護」を意味し、巣立つ者がそれまでの庇護者に
感謝を込めて送ったメッセージ、というのが歌詞の内容です。

「シェルター 日本語訳」

続いて四人の卒業生による「思い出ぽろぽろ」。
笑いを交えて学生時代の思い出を振り返りました。

そして、一人一人が親や友人に対するメッセージとともに名前を呼ばれ、
卒業証書を受け取ります。

ここから「タッセル・セレモニー」が行われます。

左側に垂らしていたタッセルを、スクールマスターの掛け声とともに、
一斉に右側に移動させるのです。

タッセルを掛け替えることは一つのステージを終え、
新しいステージに向かう準備をおこなう、という意味があります。

準備を整えた卒業生たちは近くの者と抱き合って祝福しあいます。

最後に全員での「イッツ・タイム」(グリー)の合唱。
この時に何を歌うかは半年くらい前から協議して投票で決まりました。

MKはこの時、パーカッションを担当しています。

退場は二人ずつ・・・。

ですが、二人で打ち合わせてちょっとしたパフォーマンスをします。

ファイトー一発!

ケータイで自撮り。

ダンスは基本。

コマネチ・・・?

レセプションまでの間、幼稚園時代の教室を見て思い出に耽りました。

ここからは体育館でのアフターセレモニー。
卒業生は自分の知り合いや先輩後輩に招待状を出し、
招待された人は花やメッセージを持って訪ねてきます。

後輩。

主席と次席。

友達のお母さん。

仰げば尊し和菓子の恩。

ガールフレンド?(じゃないと本人談)

訪ねてきてくれた人とは必ずハグ。

親友。

息子(手前から三人目)とその友人たち。

友達とそのおばあちゃん。
おうちに泊まりに行った時にはカレーをご馳走になりました。

a

二人を撮っていると、あっという間に周りから人が集まってきて、
結局集団写真になります。

最後のイベントが帽子投げ。
これをもって、息子はめでたく学校を卒業いたしました。

 

長いようであっという間の18年間、秋からは親元を離れていきますが、
彼を生んでから今日まで、何か夢でも見ていた気分です。

母親としては寂しいような気もしますが、これからの彼の人生を
遠くから見守ってやりたいと思っています。