第二次世界大戦中の反日プロパガンダ映画、
「海兵隊に敬礼」の二日目です。
30年間戦地に出ず、ただ新兵の訓練任務専門にやってきて、
無事にその現役生活を終えた曹長、ウィリアム・ベイリー。
2度と軍事には関わらないことを妻と約束し、家庭に戻り、
これからは悠々自適のリタイア生活、となるはずでしたが、
どうにもこの男、そんな生活に馴染めそうにありません。
暇な時間、こっそり近所の子供を集めてボクシング教室を開催。
なぜか奥さんに取り上げられた海兵隊のブルードレスを着込んでいます。
この際制服を着て号令をかけられたら相手はなんでもいいって感じ。
どうも彼的には海兵隊の英才教育をしているつもりです。
子供相手にドイツ兵と戦った華々しい戦歴(大嘘)を披露していると、
見張りが合図の口笛を吹くと同時にご近所の奥様方がやってきました。
慌てて上着を脱ぎ、話題を聖書に切り替えて誤魔化しますが、
子供たちが怪我をしていたり泥だらけなのを見れば何をしていたか歴然。
怒った母親たちは子供たちを連れていってしまいました。
なぜか奥さんに取り上げられた海兵隊のブルードレスを着込んでいます。
この際制服を着て号令をかけられたら相手はなんでもいいって感じ。
どうも彼的には海兵隊の英才教育をしているつもりです。
子供相手にドイツ兵と戦った華々しい戦歴(大嘘)を披露していると、
見張りが合図の口笛を吹くと同時にご近所の奥様方がやってきました。
慌てて上着を脱ぎ、話題を聖書に切り替えて誤魔化しますが、
子供たちが怪我をしていたり泥だらけなのを見れば何をしていたか歴然。
怒った母親たちは子供たちを連れていってしまいました。
ジェニーもそんな夫にほとほと呆れ顔です。
海兵隊を辞めさせて連れ帰ったことを後悔している、とまで・・。
海兵隊を辞めさせて連れ帰ったことを後悔している、とまで・・。
■ 日本船の入港
村の港に日本からの定期船が入港しました。
フィリピンとの通商を行っている会社の民間船です。
日本と聞いて、露骨に「ジャップは嫌いだ」と嫌な顔をするフラッシー、
ジャップスと仲良くなんてできるかと苦虫を噛み潰したようなベイリーに、
この、ドイツ人の薬屋店主キャスパーは、
人類皆兄弟、仲良くせねばとリベラルを解きますが、
「奴らの顔を見るだけで鳥肌が立つ!」
村の港に日本からの定期船が入港しました。
フィリピンとの通商を行っている会社の民間船です。
日本と聞いて、露骨に「ジャップは嫌いだ」と嫌な顔をするフラッシー、
ジャップスと仲良くなんてできるかと苦虫を噛み潰したようなベイリーに、
この、ドイツ人の薬屋店主キャスパーは、
人類皆兄弟、仲良くせねばとリベラルを解きますが、
「奴らの顔を見るだけで鳥肌が立つ!」
とベイリー節全開。
港では日本人船員たちが本格的な剣道を始めました。
(しかしそう見せているだけで、全くのインチキ剣法)
彼らの様子といい、乗ってきた船が見るからに丈夫そうなことといい、
ベイリーはわずかに不信感を抱きます。
子供たちにせがまれたベイリーは、
「オロセ!オロセ!」と怪しい日本語で号令をかけている船員に
船の中を子供たちに見せてやりたいんだが、と頼むのですが、
「ソー・ソーリー」
と断られます。
ムカついたベイリー、よせばいいのに、
「ここはアメリカの港で俺はアメリカ人だ!
止められるなら止めてみろ!」
(ちなみにここはアメリカの港じゃないよね)
と無茶を言って強行突破しようとし、一突きで転がされて、
船上の日本人船員たちに笑われてしまいました。
ベイリー、日本人船員に、いい攻撃だな、というと、
「日本の得意技だ。奇襲だよ」
港では日本人船員たちが本格的な剣道を始めました。
(しかしそう見せているだけで、全くのインチキ剣法)
彼らの様子といい、乗ってきた船が見るからに丈夫そうなことといい、
ベイリーはわずかに不信感を抱きます。
子供たちにせがまれたベイリーは、
「オロセ!オロセ!」と怪しい日本語で号令をかけている船員に
船の中を子供たちに見せてやりたいんだが、と頼むのですが、
「ソー・ソーリー」
と断られます。
ムカついたベイリー、よせばいいのに、
「ここはアメリカの港で俺はアメリカ人だ!
止められるなら止めてみろ!」
(ちなみにここはアメリカの港じゃないよね)
と無茶を言って強行突破しようとし、一突きで転がされて、
船上の日本人船員たちに笑われてしまいました。
ベイリー、日本人船員に、いい攻撃だな、というと、
「日本の得意技だ。奇襲だよ」
これが真珠湾後のアメリカでどういう意味を持つかお分かりですね。
ベイリーは握手するふりをして日本人を海に叩き込みました。
これがアメリカの奇襲だ、と勝ち誇って。
「止められるなら止めてみろ」という言葉を受けて、
日本人船員は強行突破しようとするベイリーを止めた。
それは公平に見て、「奇襲」とはいいません。
逆に握手するふりをして投げ飛ばした彼のやり方こそが
本当の「卑怯な奇襲」だと思うんですが・・・。
さて、港からその後何事もなかったかのように無事に帰ってきたベイリー。
「サルどもに笑われたくない!」
などと悪態をつきながらフラッシーに腰を揉ませていると、
街で噂をすでに聞きつけた妻がおかんむりで帰宅してきました。
しかし相変わらず娘はニヤニヤして父を庇うばかりです。
ここでも相変わらず「サルのジャップス」を連呼し、
自分の行動を正当化するベイリー。
自分の行動を正当化するベイリー。
そこに運良く?ヘレンを狙う取り巻き二人が乱入してきて、
家族の前で陸空で相手の貶し合いが始まりました。
相変わらずヘレンはヘラヘラととっても楽しそう。
家族の前で陸空で相手の貶し合いが始まりました。
相変わらずヘレンはヘラヘラととっても楽しそう。
その夜も、二人の男の腕にぶら下がってデートに出かけました。
それにしてもこの女、いつまで男二人を引っ張るのかと思ったら、
この日、初めて意思表示をしました。
それにしてもこの女、いつまで男二人を引っ張るのかと思ったら、
この日、初めて意思表示をしました。
ジェイムズの目の前でルーファスにキスしようとするという最悪の方法で。
流石にそれを黙って見ているわけにはいかないジェイムズ、
すんでのところで二人のファーストキスを阻止しました。
すんでのところで二人のファーストキスを阻止しました。
「明らかに劣勢で戦況が悪い時には退却すべし」
この勝負、歩兵の負けです。
プライドをズタズタにされたジェイムズがその場を去ると、
二人はゆっくりと愛を確かめ合います。
あー胸糞悪い。
二人はゆっくりと愛を確かめ合います。
あー胸糞悪い。
ウッキウキで帰ってきた娘に、母は本心を打ち明けました。
軍人との結婚はできればしてほしくないと。
しかし、そういいながらももう一度娘の歳に戻ったら、
やはり自分はあの人(ベイリー)と結婚する、ともいうのでした。
軍人との結婚はできればしてほしくないと。
しかし、そういいながらももう一度娘の歳に戻ったら、
やはり自分はあの人(ベイリー)と結婚する、ともいうのでした。
そして12月7日がやってきました。
この日はアメリカ人にとって真珠湾攻撃として記憶されていますが、
フィリピンの1941年12月7日は、まだ「その日」ではありません。
この日はアメリカ人にとって真珠湾攻撃として記憶されていますが、
フィリピンの1941年12月7日は、まだ「その日」ではありません。
映画関係者がうっかり揃いだったのか?
それとも時差も知らないバカ揃いだったのか?
と思いがちですが、まず、一般大衆向けのこの映画では、
正確な日付を示すより、皆が記憶する屈辱の日として
これから起こることを表す方が大事だと判断されたのかもしれません。
それとも時差も知らないバカ揃いだったのか?
と思いがちですが、まず、一般大衆向けのこの映画では、
正確な日付を示すより、皆が記憶する屈辱の日として
これから起こることを表す方が大事だと判断されたのかもしれません。
そして何より、たとえ事実と符合しない表現になっても、
フィリピンで12月7日が「その日」でなければならなかった理由があります。
フィリピンで12月7日が「その日」でなければならなかった理由があります。
それは、その日が暦の上では日曜日であったからでした。
真珠湾攻撃が起こったハワイではアメリカ時間12月7日は日曜日で、
多くのアメリカ人は教会に向かったり、教会にいました。
ちばてつやの戦争漫画「紫電改のタカ」で、主人公の強敵となった
ウォーホーク乗りジョージとトーマス・モスキトン兄弟も、
一家揃って教会に向かう途中の車を日本軍機に掃射され、
両親と妹、弟、赤ん坊を失ったというストーリーだったと記憶します。
真珠湾攻撃が起こったハワイではアメリカ時間12月7日は日曜日で、
多くのアメリカ人は教会に向かったり、教会にいました。
ちばてつやの戦争漫画「紫電改のタカ」で、主人公の強敵となった
ウォーホーク乗りジョージとトーマス・モスキトン兄弟も、
一家揃って教会に向かう途中の車を日本軍機に掃射され、
両親と妹、弟、赤ん坊を失ったというストーリーだったと記憶します。
彼らにとっては「教会にいるところを襲われた」という事実が
敵の残虐さをより一層際立たせるファクターだったのだと思わせます。
■ 日本軍の奇襲
さて、12月7日の日曜日、ベイリー家は教会に行こうとしていました。
そこにベイリーが「ワシントンの塔にサルが登ろうとしている」と、
ハル-来栖大使の会談を報じる新聞を振り回しながらやってきます。
野村・来栖大使とハル国務長官の会談が行われたのは
12月7日ではなく11月27日であり、そのときに手交された
「ハルノート」は、実質日本を追い詰める「最後通牒」でした。
これを飲むことすなわち「座して飢え死にを待つ」ことになるほど
一方的なものであったことは後世の検証により明らかになっています。
しかし、映画ではとにかく日本が表向き握手を仕掛けながら
同日一方的に奇襲をかけてきたということにしています。
港でベイリーが日本人船員にやったように。
敵の残虐さをより一層際立たせるファクターだったのだと思わせます。
■ 日本軍の奇襲
さて、12月7日の日曜日、ベイリー家は教会に行こうとしていました。
そこにベイリーが「ワシントンの塔にサルが登ろうとしている」と、
ハル-来栖大使の会談を報じる新聞を振り回しながらやってきます。
野村・来栖大使とハル国務長官の会談が行われたのは
12月7日ではなく11月27日であり、そのときに手交された
「ハルノート」は、実質日本を追い詰める「最後通牒」でした。
これを飲むことすなわち「座して飢え死にを待つ」ことになるほど
一方的なものであったことは後世の検証により明らかになっています。
しかし、映画ではとにかく日本が表向き握手を仕掛けながら
同日一方的に奇襲をかけてきたということにしています。
港でベイリーが日本人船員にやったように。
ただ、この映画が公開された頃、大衆にとって政治的公平性の有無など
全く無意味で必要とされていなかったことも知る必要がありましょう。
全く無意味で必要とされていなかったことも知る必要がありましょう。
同時刻、ヘレンを恋敵から奪うことに成功したクリーブランド中尉は、
機嫌良く鼻歌を歌いながらフィリピン上空の哨戒任務についていました。
そこに真珠湾攻撃を知らせる衝撃の打電が入ります。
同時に日本機の編隊発見!
って、デジャブかしら。このヘンな日本軍機、見覚えがあるんですが。
んーとこれは確か「ファイナルカウントダウン?」
機嫌良く鼻歌を歌いながらフィリピン上空の哨戒任務についていました。
そこに真珠湾攻撃を知らせる衝撃の打電が入ります。
同時に日本機の編隊発見!
って、デジャブかしら。このヘンな日本軍機、見覚えがあるんですが。
んーとこれは確か「ファイナルカウントダウン?」
今、過去ログ「ファイナル・カウントダウン」を検索して読んでみたら、
この珍妙な日本機に対してわたしはこんなふうに突っ込んでました。
(映画制作の)1980年当時、零戦の写真を手に入れることくらい、
その気になれば、いやその気にならずともいくらでもできたと思うのですが、
なんなのこのどこの国のものでもない不可思議な模様の飛行機は。
やる気がなかったのかそれとも故意か。
この映画を選んだ、おそらく最大と思われる収穫は、
映画「ファイナルカウントダウン」が、よりによって、
1942年の戦争中に製作されたインチキ映画からフィルムを流用していた、
というとんでもない手抜きが判明したことでした。
この日本機は、当時ですら旧式だったアメリカの急降下爆撃機、
ヴォート・ヴィンディケーター
Vought SB2U Vindicator
Vought SB2U Vindicator
を、きったねえ色に塗装した代物です。
ちなみにこの「ヴィンディケーター(擁護者の意)」、
ドーントレスができるまでのつなぎ的存在で、パイロットからは
「バイブレーター」とか「ウィンド・インディケーター」
(風向指示器)とかいわれて馬鹿にされていました。
1943年当時では、日本軍がどんな戦闘機に乗っていたか、
要するに誰も知らなかったと言うことでもあります。
しかし1980年作品の『ファイナル〜』がなぜこれを使ったかは未だ謎。
さて、クリーブランド機は日本機を撃墜しましたが、
後席の射手はやられてしまいました。(ここ覚えておいてね)
仕返しとばかりにもう一機を撃墜したクリーブランド、
ジャングルに落ちていく日本機を見ながら、
「祖先がいる森に帰っていくぞ!」
後席の射手はやられてしまいました。(ここ覚えておいてね)
仕返しとばかりにもう一機を撃墜したクリーブランド、
ジャングルに落ちていく日本機を見ながら、
「祖先がいる森に帰っていくぞ!」
まあ、当時白人が黒人に対してどんな扱いをしていたのかを知っていれば、
黄色人種に対するこんな表現も至極当然かもしれませんが。
その時、日本軍の編隊は村の上空に差し掛かっていました。
上空から聞こえる爆音に皆不安そうな目を向けます。
何かを察している風のベイリー。
さあ、これから何が起こるか?
もちろん皆さんはご存知ですね。
続く。
もちろん皆さんはご存知ですね。
続く。