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潜水艦「レクィン」に乗艦!〜前部魚雷発射室と士官食堂

2024-02-04 | 軍艦

さて、ピッツバーグのカーネギー科学博物館に展示係留されている
潜水艦「レクィン」のゲートを通り、甲板に上がります。



まずは桟橋からこれから乗り込む「レクィン」の姿を撮影だ。
甲板には見学者の通路として、細い柵が設置されています。


USS「レクィン」SS-481

ユニークな潜入体験!

私たちの潜水艦は特別な空間であり、真の歴史的遺物です。
あなたの安全とこの艦の保存のために、次のことを行ってください。

 • 慎重に歩きます。床が濡れていると滑りやすくなる場合があります。
 • 装備に注意しながらゆっくりと進みます。 
• 特に階段では足元に注意してください。
・ご搭乗前に食べ物と飲み物をすべて済ませてください。

⬅️入艦はこちらから!


艦体に到達するまでに、艦尾の写真も抜かりなく一枚。
艦首から入り、艦尾から出てくる見学通路のようです。


甲板上に設けられた通路は大変狭く、両手で手すりが掴めるかどうかくらい。


甲板デッキの木材は一度は張り替えられたように見えます。


甲板から見たサイエンスセンターの建物。


セイルに突き当たってその右側を進んでいきます。



ここですかさずセイル根本のライトに注目。



ガラス?に覆われているのは電球本体だけというのにちょっとびっくり。
干渉を受けにくい構造ではありますが、てっきり外側に
ガラスがあるものと思っていました。

ところでこの電球、もし切れたらどうやって交換するんでしょうか。


セイルの右舷側を通り過ぎます。


写真を撮っていたら、すぐ前にいた赤Tシャツ父さんがいなくなり、
その代わりに初老の夫婦がいました。
赤T父さんは子連れだったので、先に入館させてもらったのかもしれません。



セイルの前に来たので、振り返って構造物全体を撮影。
アップにしてみると塗装の択れがすごい。
下地を整えずそのまま上からペイントしているので、こうなってしまった模様。


艦首部分に、見学用の階段が設置されています。
小さな子供はこの階段は降りられないので、パパが抱っこして。


「レクィン」の艦首はピッツバーグの都心部に向けられています。
ちょうど彼女の向かう方向にある、先端にお城のような飾りのあるビルは、
他でもない、塗装を手がけたPPG本社のあるワン・PPGプレイス

艦首が大スポンサーのビルに向いていることは決して偶然ではないでしょう。

その左手の黒っぽいビルはこの一角でで一番高いビル(64階建)
その名もピッツバーグらしい、USスティールタワーです。



博物艦として保存されているすべての潜水艦は、見学者のために
手すり付きの階段を改造して設置しています。

就役中の潜水艦にはもちろんこんな悠長な出入り口はありませんが、
「ダウン・ペリスコープ」(イン・ザ・ネイビー)という映画では、
乗組員がここからゾロゾロ出てきてびっくり、ということがありました。

海軍リクルートのテーマソング(インザネイビー)を主題歌にしていましたが、
そこまで軍事考証(というほどのものなのか)はちゃんとしてません。

さて、というわけで、いつものように見学列の最後尾から入艦です。



入ったばかりはカメラの設定を変えられないので画像ボケてます。
魚雷室勤務の乗組員が寝ていたバンクが階段脇にもあります。


階段を降りるとそこはフォワード トルピードルーム、全部魚雷発射室です。
4基の魚雷発射管のうち、左上のハッチが開けられ、
これから装填される予定の魚雷が左上に用意されている状態。


発射管室床下の機構をアクリルガラス張りにして見ることができました。

全部魚雷発射室には発射管が6基あります。
アクリル板の下に見えているのは、この床の下にある2基の発射管機構です。

時間があれば内部の写真を撮りたかったのですが、
見学の列がスタスタと先に行ってしまったのでできませんでした。

乗艦から下艦まで20分って短すぎない?
ちなみに添乗員?はほとんど何の知識もなく説明もしてくれませんでした。
もしかしたら近くにいる人には説明があったのかもしれません。

階段を降りて魚雷発射管を見たら、ツァーはUターンし、
艦尾に向かって進んでいきます。



壁際で目を引いたのがたくさんの缶詰。
ディスプレイ用ですのでラベルなどがありませんが、すべて保存食です。
実際の潜水艦が哨戒に出る時は隙間なく食料が搭載されていました。
ある程度哨戒が進んで食べ物が消費されるまでは、
乗組員はただでさえ狭い空間で不自由な生活を余儀なくされました。



唐突に洗面台(収納式)。
こんなにいきなり洗面関係の設備が出てきた潜水艦は初めてです。


年季の入った椅子。



一人用のシャワールームです。

ということはこのコンパートメントはオフィサーズカントリーですね。
「シルバーサイズ」もそういえば艦首近くに士官区画がありました。

扉はあったはずですが(そりゃそうだ)、
展示のために取り外されています。


「シルバーサイズ」もそうでしたが、士官用のシャワーは
前部魚雷発射室の後ろ寄りにあります。

「レクィン」の10人の士官と5人の上級下士官のための区間には
ステート(stater)ルーム、パントリー、ワードルーム、オフィスがあります。



まずオフィス。
壁には「誰かが迂闊に話せば船が沈む」という防諜ポスターがあります。



書類などを収納するデスクがあるので、ヨーマンズ オフィスかもしれません。
ところで奥の書類引き出しは果たして開けることができるのでしょうか。



士官用のパントリーです。
ここでは士官と上級下士官のための食事を用意していました。



パントリーにトースターやその他什器などの展示はなし。
説明のためのパネルもなし。
一般人が見学した時に、ちょっとこれは不親切かもしれません。

運営保全しているのがボランティアの団体か、そうでないかの違いでしょうか。
カーネギーサイエンスセンターはそこまで面倒みません的な。



こちらもオフィスです。
おそらく艦長の部屋ではないでしょう。



このスチール製の棚には、何か機器がインストールされていたと思われます。
復元をしようという気がまったくないので、それが何だったかもわかりません。



士官用ダイニングルームです。



ダイニングルームとパントリーの間には窓があって、
ここから食事などを提供していたようです。



窓の反対側の壁には艦内電話。



潜水艦であっても士官用に陶器の食器、シルバーが搭載されています。
空母だろうが潜水艦だろうが、士官の待遇に違いがあってはなりませんから。

その「待遇」を象徴するひとつが、おそらく食器なのでしょう。

シルバーはご存じのように、手入れが行き届いていないとすぐにくすみ、
それを磨くことがバトラーとかカリスマ主婦に必須というくらい面倒ですが、
アメリカ海軍のどの軍艦にもこのシルバー類は装備されていました。



士官食堂のテーブルをよくみると・・・これなんだろう。
こんなところにあるスイッチって、鉄板焼きの火力調整くらいだけど・・。

さらによく見ると、テーブルの両端にスリットと紙を巻き取るローラーが。
これは地図を見るためのチャートデスクだと思いませんか?

士官食堂の机はよく緊急時の手術台に使われますが、
ここには確か手術用の無影灯は設置されていなかった気がします。



シルバーの上にはお風呂用のアヒルさん(セーラー服)が待機していました。

続く。




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3 Comments

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セイル (お節介船屋)
2024-02-04 16:13:10
>下地を整えずそのまま上からペイントしているので、こうなってしまった模様。

ガピー改造で艦橋を覆いセイルとして、高くしましたが、この材質はプラスチックです。
そのため変色したら、その上に塗料を塗っていき、剥離したらまたその上に塗ったためこのような状態になったものでしょう。
錆汁が全くありませんので鋼板ではないことが分かります。

剥離剤で旧塗装を完全剥離し、塗ればよかったのでしょうが剥離時FRPが損傷したり、環境汚染被害となりますので、専門業者が厳重な囲いで環境被害がないように覆いしての作業が必要であり、費用や作業上からこのようになったものと思います。
固定のビスもところどころ破損し、無くなっていますね。

シャワールーム
通常扉はありません。よくてカーテンでしたが女性が乗艦するようになって扉が取り付けられました。
日米ともにそのようになったのではと思います。
返信する
こりゃ勝てないわ (Unknown)
2024-02-04 18:12:37
>ガラス?に覆われているのは電球本体だけというのにちょっとびっくり。干渉を受けにくい構造ではありますが、てっきり外側にガラスがあるものと思っていました。

これは保存艦になってから取り付けたものでしょう。実際に走る船の航海灯はちゃんとスペックが決まっていて、こんなにチャチではありません。これでは航海中に壊れてしまいます。

>潜水艦であっても士官用に陶器の食器、シルバーが搭載されています。

さすがに金持ち米軍でもいつもいつも銀の食器で食べてはなかったと思います。来客用?

>さらによく見ると、テーブルの両端にスリットと紙を巻き取るローラーが。これは地図を見るためのチャートデスクだと思いませんか?

DRT(Dead Reckoning Tracer: 航跡自画装置)だと思います。透明板の上に海図とトレーシングペーパーを置いて、ジャイロから得られる針路とログから得られる速力から計算した自艦の位置を輝点としてトレーシングペーパーに投影し、それをプロットすると航跡を自動的に描くことが出来、航海記録が自動化出来ます。これがないと、変針する度に位置を航海記録に記入します。

第二次世界大戦中に米軍が実現していた(残念ながら、日本軍にはなかった)というのにビックリです。潜水艦は潜航すると位置がわからなくなるので、DRTがあると、潜航中でも概略の位置が把握出来ますが、これがないと、浮上後に天測するまで、位置はわかりません。こりゃ勝てないわ(涙)
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USスチール (お節介船屋)
2024-02-05 10:09:23
下に添付したとおり日本製鉄がUSスチールを買収することとなりました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0ea3b5ed4ea8596898e49bf851ed4b318cb524c0
ただ米国政治家と労働組合が反対しており、今後がどのようになるか分かりませんが歓迎もされています。

>ところでこの電球、もし切れたらどうやって交換するんでしょうか。

テンチ級は潜航安全深度は122mですので安全係数1.5倍であれば20気圧以下の強度が必要です。
これは船尾灯ですがガラスの部分は耐圧となっていますし、後方135度を照らすこととなっていますが樹脂で回りを固めており、角度も規定とおりとなっていないようです。交換は電球を覆っている耐圧ガラス球が下部のソケット部がネジ締めてあると思いますのでこのソケット部を緩め、ガラス球を取り外し交換するものと思います。
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