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SPACE BATTLESHIP ヤマト

2010-12-03 | 劇場映画れびゅー
主演役者は不安だけど、山崎貴監督がどこまでやらかしてくれるのか期待をして『SPACE BATTLESHIP ヤマト』を観てきました。
★★★★

アガったりサガったり、いろんな意味で。
ダメなところを潰していったら傑作に成り得る可能性もあるけど、潰そうにも潰せない要素が多すぎる。
大興奮させてくれたので★5つにしても良いんだけど、★1つにしたい気持ちもある感覚。

ネタバレ
はじめに、オリジナルのアニメについては、再放送世代なのと殆ど積極的に観てなかったのとで、おおまかなストーリーとキャラクター設定しか覚えてません。
コアなファンの方からの突っ込みには対応出来かねます。

冒頭、リチウムを探知機で手作業で探して手掘りを連想させる場面の時点で相当不安にさせられたけど、後は数々の突っ込みどころにぶち当たりながらもグイグイ飛ばして引っ張っていってくれる映画でした。

スペースバトルシップと銘打っておいて、「宇宙戦艦ヤマト発進!」の台詞に痺れた。
さすが山崎貴監督ツボを心得てる、またタイトルで遊ぶとは。

世界にはアメリカしか無いかのようなアメリカ万歳なハリウッド映画は多いけど、この映画は原作に準じているのか徹底的に日本万歳。
世界の中心には日本しか無くて、と言うか地球人は日本人。
すげー愛国心刺激されまくりでなんか知らんけど超ワクワク。
外国の映画ではあたりまえのこういったシチュエーションは、もしかしたら邦画のメジャー映画では初めての試みなのでは?
外人に日本人魂を教えられた『ラスト・サムライ』とはまた違う感覚、映画観ててこんな気持になったのは初めて。

この映画のVFX映像は昨年の映画『スター・トレック』をお手本にしてそうな出来栄え。
ガミラス艦隊の船の造形や動き、宇宙での戦闘シーンやイスカンダルへ突入していく場面もあの映画を彷彿とする。
その模倣をダメだとは言わない。
イスカンダル到着から脱出までの息もつかせないアクションに次ぐアクションは、「遂に邦画がここまでやれるようになったのか」と立ち上がりたくなる程のクオリティーの高さで、感動しながら満面の笑みで楽しんで観ていた。

全編に言える事だけど、俺は多くの場面をいろんな意味で楽しんで観ていましたよ。
特に“アナライザー”の設定を喋るタブレット端末と化してしまった点なんて超絶の感覚。
残念だけど声が同じ人なのが落とし所かなぁと思わせておいて、コスモゼロからひょっこりほぼオリジナルに忠実な頭を覗かせた時の嬉しさったらもう!
それに留まらず、さらにスーパーロボットとして飛び出し、上陸班をサポートして散っていく…。
何なんこの絶妙な演出!
全部がこんな絶妙な演出の連続の映画ならどれだけ良かったことか!とも思ったけどw

しかしながら監督は相当スター・トレックが好きなのか、ガミラスの設定をドラマ『新スター・トレック』の機械集合生命体ボーグとクリスタル生命体をまんまパクって足して割ったようなものに変えてしまった。
これは頂けないなぁ。
デスラー登場時のセリフがまんま伊武雅刀でお決まりなのには『パタリロ』世代としてかなりアガったけど、その後の台詞がまんまボーグて…。

究極ダメにしてるのはキムタク、柳葉の表情バカ。
期待していなかった通り、キムタクはどんなに熱い演技をしてようと、真剣な表情をしていようといつものキムタク。
『HERO』の時にハマり役をキムタクらしく演じた点に賞賛を贈ったけれど、本作では消すべきだったキムタク色を『HERO』以上に全開。
きっとこれの強弱しか出来な人なんだろう、期待しなかった通りの期待に答えてくれてありがとう、期待してたら怒りが込み上げていたかも知れない。

先日、スタジオジブリの鈴木さんがインタビューで「何を言っても真実味を感じ無いところが良くてハウルのオファーをした」的な事を語っていたのをWEBで読んだけど、そこら辺から想像するに、この映画の狙いは彼をアゲる事じゃなくて「邦画がここまで出来るようになった」って方なんじゃなかろうか。
“映像”的に、ようは見栄え、お飾りとして彼をキャスティングしたと。
あと集客力とw
と、無理やり自分に言い聞かせて面倒な主人公を観てました。
大概彼が映ってない場面のが面白かったけど。

が!
『LIMITED OF LOVE 海猿』の煙突場面を凌ぐ程、長時間くっ喋っててなかなか行動しないクライマックスシーンには失笑。
「おーい、ミサイルもう地表に届いてるぞー」
芝居がどうとかよりも、無駄に長回し風にしたり、熱の入った長台詞一発撮りにしてキムタクを魅せつける演出に一番ゲンナリ。
これ、監督の意図じゃなさそう…。



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