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サロゲート

2010-01-26 | 劇場映画れびゅー
トゥルっとしたお肌の若すぎるブルース・ウィリスの映像、男前というよりもウケを狙ってるとしか思えん姿の予告編が印象的な『サロゲート』を観てきました。
★★★

くしくも『アバター』と時を同じくして、この映画のテーマもアバター(化身)もの。
『アバター』がMMOゲーム的で非日常への逃避を思わせるのに対し、こちらは理想のアバターによるネット上の新たなコミュニケーションが盛んになってきている状況を反映している。

舞台はネット上の仮想空間ではなく現実社会。
しかし、サロゲートという名のアンドロイドに直接脳波を送ることで、家に篭りながらでも理想の自分の姿のロボットで日常生活を過ごせるようになった近未来のお話。

まだ仮想空間に目を付けた映画が多い中、こういうのって意外と新しいよね。
数年前に邦画『HINOKIO』で引きこもりの少年がこういう事をやってましたが、急速に拡大しているネット上のアバターへの依存度UPから考えると、障害を持つ人の為に作られた技術がこんな世界を生んでしまってもおかしくないよなーなんて思いながら観ていました。

再三「家に居れるから犯罪に巻き込まれない」だの、「感染症も怖くない」だのといった言葉が出てくるけど、結局は“理想の自分”になれるってところが流行ってしまった理由。
誰にだってコンプレックスはあるし、老いは免れないし、それが解消されるなんてと思ったら飛びつくわなぁ。

そんな世界では、見た目はパーフェクトな人(ロボットだけど)ばかりが街を闊歩し顔は美形揃い。
なのに、どうよブルース・ウィリスを特殊メイクでトゥルっとさせて髪を増やした姿。
こんなに元の自分のルックスをベースに頑張ってるお方が居るかと思えば、やっぱり大半はネカマベースで実生活は一日中微動だにせず椅子の上での廃人状態で、「おいおい!」なのがこの世界の実情。

こんな技術あったら絶対飛びついてしまうだろうけど、こんな世界は来てほしくないよなぁ。
MMO廃人には、もう実質そういう生活してはる方もおられますけれど…。

あ、映画の中身の話を忘れてました。

1:アバターものって事で、中の人がどんな状態なのか、それどころか本人なんだかどうだかわからない。
2:この歪な社会に対していろんな思惑を持った人や団体が居る。
3:サロゲートが破壊されても中の人は安全なはずなのに死者が出た事実。

この3点を難解なパズルでごちゃごちゃにした脚本が面白いんだけど、ごちゃごちゃ過ぎてとっつき難いのが、世界観の面白さもあってもったいない印象。
後半は「え?こいつはなに?誰がどいつと仲間で、今なんでこうなってるの?」状態になってしまいます。
そこを抜けると真実が見えるんだけど、ちゃんと観てるのに一時でも見失わせてしまうのは、ちょっとやり過ぎを感じた。

特に“中の人”って言葉に慣れてない方にはキツい展開の連続です。



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2 コメント

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>KLYさん (そーれ)
2010-01-28 20:04:11
どうもです!
究極でしたねぇ、なんかもう装備品自慢してる様子に見えて、ある意味怖かったですw
私もこの雰囲気結構ノれました^^
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こんばんは^^ (KLY)
2010-01-26 23:11:46
まさしくネトゲ廃人ですねぇ。それも究極の。マギーが勤めている店が、まるでネイルアートの店のごとく、笑顔の調整がとか頬骨がとか行っているのがユニークでした。
B級ぽさが漂いまくりでSF“中”作みたいな作品ですが、私は結構ノレて観ちゃいました。(笑)
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