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半世紀以上ぶり、遂に秘密組織“スペクター”の復活。『007 スペクター』をIMAXで観てきました。
★★★★★
コロンビア・ピクチャーズのエンブレムから、雰囲気たっぷりにジェームズ・ボンドのテーマ音楽が流れはじめてゾクゾクッ。
音楽に乗せて描かれる、かつてのお約束のオープニング・アクションの楽しいこと!
これまでのダニエル・クレイグ版三作をかけヴェスパ、Q、マニー・ペニーが登場。
そしてジュディ・デンチの演じた女性版Mの死により、新たなMが男性(レイフ・ファインズ)に戻ったことで007の定番設定が揃い、仕切りなおして描かれる本作。
一作目『カジノ・ロワイヤル』の上映時は特にシリーズ構成の説明がありませんでしたが、二作目『慰めの報酬』が公開されると実はヴェスパを巡る前編後編のような二部作構成になっていた事が判明し、続く三作目の『スカイフォール』も前二作を踏まえた大どんでん返し&007シリーズとして全てのお膳立てが終わってリブートが完了と言った作りに仕上がっていたんですよね。
本作に置いては、情報の共有を「悪用されると危険」と警鐘を鳴らす方向で描かれていますが、いつかは同盟各国間で足並みを揃えざるを得ない日がやって来るに違いない。
もしも、あれらの法案が通っていなければ、日本は自らの意思を持ってテロに立ち向かう機会を得ることが出来たろうか?なんて視点で思いを巡らせながら観ていても面白かった。
謎のオープニングに想像力MAXですが、ジェームズ・ボンド自身は始まって早々に新生Mによって諜報活動を禁止されてしまいます。
せっかく前作のラストシーンで味方になってくれたと思ったのにと言う失望感と、「でもこれまでの007は誰の言うこと聞かずに行動してたけどね!」と言うお約束感が頭にあるから、こう言う方向に話が進むと余計に楽しくなるのが007映画。
冒頭のメキシコシティでのシークエンスが素晴らしい点は先程書きましたが、それ以外にも世界各国でのロケが全て魅力的で面白い映画でもあります。
特にローマの街中を縦横無尽に猛スピードで駆け巡るカーチェイスは必見。
テーマ曲が流れる中、復活したアストンマーチンで走り去り、エンドロールの後で「James Bond will back」のテロップ。
★★★★★
コロンビア・ピクチャーズのエンブレムから、雰囲気たっぷりにジェームズ・ボンドのテーマ音楽が流れはじめてゾクゾクッ。
音楽に乗せて描かれる、かつてのお約束のオープニング・アクションの楽しいこと!
これまでのダニエル・クレイグ版三作をかけヴェスパ、Q、マニー・ペニーが登場。
そしてジュディ・デンチの演じた女性版Mの死により、新たなMが男性(レイフ・ファインズ)に戻ったことで007の定番設定が揃い、仕切りなおして描かれる本作。
遂にダニエル・クレイグ版007がここから本格始動とばかりにオープニングからアクションにしろ、音楽にせよ、過去のシリーズを彷彿とさせるノリノリな状態で飛ばします。
危険な状況下におけるユーモラスな演出や、それに応える007のトボけた表情と言った王道007シリーズの特徴をハッキリと交えるようになり、全編通してニタニタしながら完全に戻ってきた帰ってきた007を楽しみました。
突っ込みどころは黙殺してでも楽めれば良いじゃないかと言う、昔のノリが復活したのが本当に心地よい。
当然のことながら、ダニエル・クレイグ版で最も重視されてきた生身感は健在で、あり得ないレベルのド迫力アクションシーンは過去三作をさらに凌駕していているので、ニタニタしながらも時に肘掛けを掴んでしまうようなジェットコースター状態で楽しめました。
ネタバレ
メキシコシティでのヘリコプターを使ったオープニング・アクションがいきなり素晴らしい。
パレードの大観衆で埋め尽くされた広場の直ぐ上空でのスタントは画期的で、どこまでが実写でVFXなのか全く分からない出来栄えにハラハラ感が増幅。
そこから続くいつものオープニング・ビデオ・クリップが今回もまた意味深で上手い。
「え?ル・シッフル?え?ホワイト?今のヴェスパじゃなかった?」みたいな。
突っ込みどころは黙殺してでも楽めれば良いじゃないかと言う、昔のノリが復活したのが本当に心地よい。
当然のことながら、ダニエル・クレイグ版で最も重視されてきた生身感は健在で、あり得ないレベルのド迫力アクションシーンは過去三作をさらに凌駕していているので、ニタニタしながらも時に肘掛けを掴んでしまうようなジェットコースター状態で楽しめました。
ネタバレ
メキシコシティでのヘリコプターを使ったオープニング・アクションがいきなり素晴らしい。
パレードの大観衆で埋め尽くされた広場の直ぐ上空でのスタントは画期的で、どこまでが実写でVFXなのか全く分からない出来栄えにハラハラ感が増幅。
そこから続くいつものオープニング・ビデオ・クリップが今回もまた意味深で上手い。
「え?ル・シッフル?え?ホワイト?今のヴェスパじゃなかった?」みたいな。
なんで過去の登場人物が本作のオープニングに?もしかして、全部繋がってるって事を指してる?
半世紀以上ぶりかに描かれる秘密組織“スペクター”と関わってるのか?!ってワクワクが加速する感覚。
半世紀以上ぶりかに描かれる秘密組織“スペクター”と関わってるのか?!ってワクワクが加速する感覚。
一作目『カジノ・ロワイヤル』の上映時は特にシリーズ構成の説明がありませんでしたが、二作目『慰めの報酬』が公開されると実はヴェスパを巡る前編後編のような二部作構成になっていた事が判明し、続く三作目の『スカイフォール』も前二作を踏まえた大どんでん返し&007シリーズとして全てのお膳立てが終わってリブートが完了と言った作りに仕上がっていたんですよね。
でも、それこれも全てが本作へと繋がる前置き。
実は四部構成の起承転結で、意味深に残してきた伏線をここで一気に回収にかかると言う壮大なプロジェクトだったわけです。
実はこれまでの全ての事象が繋がっていて、影で手引きする存在が有った。
実はこれまでの全ての事象が繋がっていて、影で手引きする存在が有った。
それがスペクターと言う巨大闇組織で、しかも大ボスは義理の兄。早い段階でその事を観客に察知させて、想像を掻き立てる辺りが凄く上手い作りになっています。
友好国同士で情報を共有化し、平和利用しようと言う理想的なシステムが構築されようとしている。
友好国同士で情報を共有化し、平和利用しようと言う理想的なシステムが構築されようとしている。
でもこれが実は最初からテロリスト集団“スペクター”が悪用する工作が仕組まれたもので、リリースと同時に世界を手中に収めると言う算段。
ネットワーク・テロの脅威に脅かされている現在の世界にとってはタイムリー過ぎる話です。
この共有システムを9カ国で採決する中核に日本が加わって描かれている辺り、昨今の秘密保護法や安保法案が無ければこの場に存在する余地が無かったんじゃないかなと感じました。
本作に置いては、情報の共有を「悪用されると危険」と警鐘を鳴らす方向で描かれていますが、いつかは同盟各国間で足並みを揃えざるを得ない日がやって来るに違いない。
もしも、あれらの法案が通っていなければ、日本は自らの意思を持ってテロに立ち向かう機会を得ることが出来たろうか?なんて視点で思いを巡らせながら観ていても面白かった。
謎のオープニングに想像力MAXですが、ジェームズ・ボンド自身は始まって早々に新生Mによって諜報活動を禁止されてしまいます。
せっかく前作のラストシーンで味方になってくれたと思ったのにと言う失望感と、「でもこれまでの007は誰の言うこと聞かずに行動してたけどね!」と言うお約束感が頭にあるから、こう言う方向に話が進むと余計に楽しくなるのが007映画。
冒頭のメキシコシティでのシークエンスが素晴らしい点は先程書きましたが、それ以外にも世界各国でのロケが全て魅力的で面白い映画でもあります。
特にローマの街中を縦横無尽に猛スピードで駆け巡るカーチェイスは必見。
せっかくのローマでのロケをしながらCGを足している事はないと思うのですが、サン・ピエトロ広場に突入するのかとハラハラさせてくれたり、縦横無尽に走りまくり過ぎていて、ローマ大好きな俺としてはこの場面だけで言うに尽くせぬものが有ります。
河沿いの遊歩道を走る場面なんて一体どうやっていたの?
スペクター本部が爆破される場面は、ギネスに記録された際に公開された映像を思い出すと、本編ではかなり建物が足されていたようなので、CGをたくさん使っているのは間違い無いにしても、どこまでがVFXなのかは観ている限り全く見抜けないように作ってくれているのがありがたい。
前作で初登場して、ラストシーンまで名前を語らないまま活躍したマニー・ペニーはこれまでのマニー・ペニーと同じような役回りに落ち着いた。
スペクター本部が爆破される場面は、ギネスに記録された際に公開された映像を思い出すと、本編ではかなり建物が足されていたようなので、CGをたくさん使っているのは間違い無いにしても、どこまでがVFXなのかは観ている限り全く見抜けないように作ってくれているのがありがたい。
前作で初登場して、ラストシーンまで名前を語らないまま活躍したマニー・ペニーはこれまでのマニー・ペニーと同じような役回りに落ち着いた。
代わりに出番の少なかったQは今回007を完全サポートする上、ちょっとした冒険までする。
新生Mもはじめこそまた官僚的に戻ったのかと不安にさせるものの、立場をわきまえながらもこっそり007の活躍をサポートするところが今風でイイ。何もかもが良い。
新生Mもはじめこそまた官僚的に戻ったのかと不安にさせるものの、立場をわきまえながらもこっそり007の活躍をサポートするところが今風でイイ。何もかもが良い。
死んだMも意外な形で登場して、その精神を引き継いで本作を描く辺りも上手い。
ラストのMI6脱出の場面では、生身感を強調してきた過去三作に対して遂に無敵の007像へと進化を遂げる。
「なんで死なないかって?だってジェームズ・ボンドだから」
そして、盛り上げるだけ盛り上げておいて突然の引退宣言?!
ヴェスパの悲劇を今回のボンドガールとのラブラブっぷりに希望を託して観ていたのに、結局彼女が去ってしまってがっかりさせられた後で彼女とのハッピーエンド。
ラストのMI6脱出の場面では、生身感を強調してきた過去三作に対して遂に無敵の007像へと進化を遂げる。
「なんで死なないかって?だってジェームズ・ボンドだから」
そして、盛り上げるだけ盛り上げておいて突然の引退宣言?!
ヴェスパの悲劇を今回のボンドガールとのラブラブっぷりに希望を託して観ていたのに、結局彼女が去ってしまってがっかりさせられた後で彼女とのハッピーエンド。
この引退宣言は悲しいけれど、立ち上がって拍手したい。
テーマ曲が流れる中、復活したアストンマーチンで走り去り、エンドロールの後で「James Bond will back」のテロップ。
完結。
ダニエル・クレイグ版は四部作で本当に終わってしまうのか気になるところですが、誰かがまた継ぐとしたら残されたハードルが高すぎる事への心配と、きっとこれを上回るものを作ってくれるんだろうと言う期待で胸がいっぱい状態になって映画館から出ました。
MI5からMI6に圧力をかけてくる新任の“C”は英テレビドラマ『シャーロック』でモリアーティを怪演したアンドリュー・スコット。
ダニエル・クレイグ版は四部作で本当に終わってしまうのか気になるところですが、誰かがまた継ぐとしたら残されたハードルが高すぎる事への心配と、きっとこれを上回るものを作ってくれるんだろうと言う期待で胸がいっぱい状態になって映画館から出ました。
MI5からMI6に圧力をかけてくる新任の“C”は英テレビドラマ『シャーロック』でモリアーティを怪演したアンドリュー・スコット。
はじめからいかにも悪役な表情で演じていて、これもまた楽しくて仕方がない。
クリストフ・ヴァルツ演じるラスボスは彼史上最も冷徹でクレバーで、007映画の悪人らしい変人っぷりMAXでサイコー。
“ジョーズ”的な怪人殺し屋が登場するのも含め、隅々まで『007』らしい『007』を意識した楽しくて嬉しくて仕方が無い『007』映画でした。
クリストフ・ヴァルツ演じるラスボスは彼史上最も冷徹でクレバーで、007映画の悪人らしい変人っぷりMAXでサイコー。
“ジョーズ”的な怪人殺し屋が登場するのも含め、隅々まで『007』らしい『007』を意識した楽しくて嬉しくて仕方が無い『007』映画でした。
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007だから許せる無謀で決して死なない強靭ボンドでした。
>四部作構成の起承転結で、意味深に残してきた伏線を、ここで一気に回収にかかる言う壮大なプロジェクト
連作を締めくってみたら、俯瞰できる仕掛けでした。
本作を巧く総評していて、心地よく読ませていただきました。
そりゃ~、「そーれりぽーと」blogだもの。
高層ビルが立ち並ぶ、都会の密林も、甘美な遊びのある社交界においても、ボンドはいつも獲物を探していて、それに乗じる事が楽しくて仕方がないような、やり手のふんぷんたる雰囲気を醸し出す。
ダニエル・クレイグになってから、ボンドガールが素朴というか、ボンド一筋になっているのは、惹きつけて止まないカリスマのせいでしょうか。