そーれりぽーと

映画、旅行、植物など気の向くまま

新作映画の満足度は最高★5つで表示

アキハバラ@DEEP <TVドラマ版> ディレクターズカットDVD-BOX

2007-05-01 | オススメDVD
石田衣良の原作小説からテレビ、漫画、映画へと広がった『アキハバラ@DEEP』ワールド。

今回紹介するのは、テレビの連続ドラマ版『アキハバラ@DEEP』のDVD-BOX。
映画版の記事は→こちら

原作小説は未読。
複数のメディアで並行展開された本タイトルは、どれもアレンジされて異なった物語になっています。
俺の主観で面白かったのは、TVドラマ>映画>コミックスの順。

以前、“劇場映画れびゅー”のコンテンツで映画版を絶賛しましたが、ドラマ版を先に観ていたら全く印象が違ったと思うほど、こちらに完全にハマってしまいました。

関東では映画の公開よりも前に放送されていたそうですが、関西では映画の公開から数週間後の放送開始だったおかげで、逆に映画版を楽しむことができたとポジティブに考えとておこう。
先にこっちを観ていたら、映画版をどんなに薄っぺらく感じてたろう。

映画版以上に個性的な登場人物達、映画版よりも絶妙なキャスティング。
連続ドラマの長い枠で、映画版以上にやりたい放題で濃密なストーリー。
アドリブ満載、若手の役者達が伸び伸びと演じているのが観ていて楽しい。

そんな若手俳優達を中心とした展開に加えて、北村一輝と本上まなみの二人が相反する立場で時折登場し、アキハバラ@DEEPの世界観を完成させている。

回を重ねるごとに元のプロットから逸脱したアレンジ、回を重ねるごとに脚本に無い自由な演出が増え、役者が面白くなっていくこのドラマ、脱線しているようで独特な世界観を生み出していて夢中になります。

ストーリーは、“YUIのライフガード”という悩み相談サイトの管理人“ユイ”によって引き合わされたサイトの常連だった若者達が、秋葉原で自分達の会社を立ち上げると言うもの。
起業に当たっては特に目的も無く、“アキバのトラブルシューター”として立ち上げる辺りから無茶があり過ぎて面白い。原作の設定はITベンチャーだったはずなんだけど。

キャスト
アキハバラ@DEEPのメンバー
ページ:風間俊介
吃音でほとんどスムーズに喋る事が出来ないので、パソコンのキーボードで文字を打ち、読み上げ機能を使って話す事が多い。
映画版とは違って吃音はネタ扱いになっている弄られキャラなので、無理やり吃音のまま言ってしまうのが面白く、後半はパソコンほとんど使わない。
何故かアキハバラ@DEEPのリーダーに収まってしまったページを演じるのは、ジャニーズJr.俳優部の風間俊介。
チビでちょっとヘチャくて、でも愛されるキャラクターを熱演しています。


ボックス:生田斗真
ルックスは二枚目だけど、キャラクターは三枚目。
過去の出来事から女性恐怖症になり、近寄るだけでも拒絶反応が起きる為。非現実の女性を愛する。
メイドと@DEEPの女性に対しては問題無く接する。
また、極度の潔癖症の為、普段から手袋の二枚重ねを欠かさない。
グラフィックやデザインを担当するボックスを演じるのは、風間俊介と同じくジャニーズJr.の生田斗真。
風間俊介と合わせて芸暦の長いこの二人にはいつも余裕が感じられ、若いのにベテランの貫禄が。
男前なのに、表情豊かな三枚目に徹していて面白い。


タイコ:星野源
極度に緊張した時や、点滅する光を見ると頭から湯気を上げて数分間“フリーズ”してしまう。
音楽を全面的に担当するのは、インストバンドSAKEROCKのメンバーで、大人計画の俳優、多方面で文筆活動もしている多才な星野源。
個人的に彼のファンなので、彼の存在だけでもこのDVD-BOXを購入する価値が有った。
表情がイチイチ面白くて和むんですよねぇ。
フリーズした時の顔は、子供のころからよくやってた顔芸だそう。
エンディングテーマ曲は彼の作曲にSAKEROCKの演奏。また、一部の挿入曲は彼が手がけている。


アキラ:小阪由佳
メイド喫茶“あかねちん”の人気ウェイトレスの正体は、アングラ女子格闘界で活躍するファイター。
@DEEPでは…なんだろ、用心棒?色気担当?なアキラを演じるのは、グラビアアイドル小阪由佳。
誰だかさっぱり知りませんでしたが、リアル滑舌の悪さと演技のヘタクソさ、芝居に集中していないところが逆に味なって面白い。
最初は聞き取りづらい彼女の台詞が、回を重ねると諦めてアフレコになってたり、劇中で「言えてない」と共演者に突っ込まれたりと、オイシイキャラクターに。
本人は本気だから余計に面白く、特典のコメンタリーでは突っ込まれ放題。
ただ、本人のコメントはアホ丸出しで「面白い」の連発。
格闘に関しては頑張った甲斐のある見ごたえが。


イズム:松島初音
天才プログラマーでハッカー。
色素欠乏症の為、目の色がシルバーで常にサングラスをかけているが、服の色がいつも白なのはただの拘りなのか?
@DEEPではシステムやプログラミング担当で、ユイの人工知能も開発したイズムを、ブログ炎上グラビアアイドル松島初音。
正直、イズムに関しては誰がやっても良かったかもしれない。
中盤から陰気キャラ脱却を図ってよく喋るし、コスプレもする。
コメントは上手かった。


ダルマ:日村勇紀
ひたすらコスプレと物まね。
ひたすら訳のわからない行動。
法律に詳しいという設定は最初だけ。
経理と裁縫担当で、ムードメーカー&留守番が多いダルマを演じるのはバナナマンの日村勇紀。
彼が出てくると日村ワールドに変わってしまうけど、何度見ても面白いドラマにしてくれたのは彼の存在が大きい。

以上が、アキハバラ@DEEPのメンバー。
脇を固めるのは、以下。


その他
デジタルキャピタル社長 中込威:北村一輝
事あるごとにシャア語録やガンダムネタを使っては、アキバの住人達をいたぶるIT実業家のキモヲタ社長。
アキハバラ@DEEPとは次第に敵対関係となっていく。
チュッパチャップスとシャアを愛する彼の目には、アキバの住人はおもちゃとしか映っていない。
価値観の歪んだヲタがそのまま権力を手にしてしまった中込役を、自身の要望であるシャア(ガンダムのキャラクター)のコスプレを条件に北村一輝が出演を快諾したらしい。
要所要所で顔を出してはアイテムやら台詞回しやら、知る人ぞ知るマニアックなネタをふんだんに繰り出してくる一番オイシイ役どころ。
最終回なんか、ガンヲタネタで全部オイシイところを掻っ攫っていきます。


YUIのライフガード管理人 ユイ:本上まなみ
悩めるオタクの駆け込み寺“YUIのライフガード”を運営していた。
アキハバラ@DEEPのメンバー達を引き合わせたのも彼女で、名前を付けたのも彼女だが…。
AIとなった後も彼らの道を照らす“ユイ”を本上まなみが癒しの声と共に演じている。
どこか浮世離れした声の演出が、最初から上手かった。


他、メイド喫茶“あかねちん”の謎を秘めたママ役伊佐山ひろ子や、誰よりも存在感のあるメイド役信川清順らの捨て身の演技。

中込のパシリ下柳役に普段は優しい猫顔で、時折凶悪な表情を見せる泉政行。

中込の腹心でありながら@DEEPに力を貸す天才プログラマーでハッカーな遠阪役は、関西弁で軽い演技の松田悟志。

等々、みんな元のプロットとは全く違キャラクターに変わっている上に、ハマリ過ぎているのが楽しい。

バナナマンの相方、設楽統やダブルブッキングの二人もメイド喫茶“あかねちん”に溜まるオタクを演じていて、出番は少ないけど不気味な台詞で笑わせてくれる。

レンタル版はテレビ放送バージョンのみらしいのですが、DVD-BOXではカットされた場面の多くが追加されていて、全11話に出演者や監督のコメンタリーが収録されている。
楽しげな撮影の裏側を聞くのも面白くて、コメンタリーだけでも何杯でもご飯が食べれてしまう。。

プラス、全話にメイキング映像が収録されているのと、別に12話という形でテレビ放送されたメイキング番組も収録されていて至れり尽くせりな作り。

元がハイビジョン撮影では無いようなので、迷うことなくDVDで購入しました。



“TVドラマ”アキハバラ@DEEP ディレクターズカット DVD-BOX

ジェネオン エンタテインメント

このアイテムの詳細を見る

“原作小説”アキハバラ@DEEP

文藝春秋

このアイテムの詳細を見る

“映画”アキハバラ@DEEP

東映

このアイテムの詳細を見る

“漫画”アキハバラ@DEEP 1 (1)

新潮社

このアイテムの詳細を見る

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« スパイダーマン3 | トップ | ゲゲゲのガチャピン »