ポン・ジュノ監督最新作は、兵役帰りのウォン・ビンを迎えて母子の愛をサスペンス仕立てで描く。
今度はどんな風に唸らせてくれるのかすげー楽しみなんですけど!
『母なる証明』を観てきました。
★★★★★
漢方店を営む母と、知的障害を持つその息子の話。
母親が店から外を観ていると、息子が警察の車で連行されようとしている。
半狂乱で店から飛び出し、走って車を追う母。
母が拘置所で息子と面会した時、彼は近所の女子高生を殺害した容疑に関して、理由も理解できないまま警察の作成した供述書に拇印を押してしまっていた。
ここだけを聞くとよくある冤罪もので、この後は事件を解決する為に翻弄する母親の姿やら、警察との衝突、そして最後には冤罪を証明して…。
なんて展開が見えていて、わかって観ていても上手い演出で泣かせてくれるんだろうなぁなんて想像されるのが普通。
しかしポン・ジュノ、一筋縄では観せてはくれない。
いつものように彼流に誇張された現実像を、完璧に計算された構図で、過剰過ぎる韓国映画の芝居をさらに過剰にして緊迫感を増すところも彼流。
そんな濃いぃ世界の中において、息子の無罪を証明する為必死に活動する母親の姿はどこかコミカルに描かれていて、真剣なのにコミカル故、逆にこの主人公への愛着が湧いてくるいかにもポン・ジュノらしい手法を今回も用いている。
息子の冤罪を晴らそうと思っても、何をしたらいいのか分らない母親は、最初は闇雲に活動しているが、途中で手掛かりを掴む。
うん、そうそう意外性を持ってきてこれから真実に向けての展開、ドラマチックでさらに楽しくなってきた。
なんて緊迫感もMAXになってノリノリで観ていると…。
終盤にあたる部分で言葉を失う。
フツーのミステリー映画では決してない、フツーの母子の物語でもない、傑作で怪作!
いかにも何か有りそうに見せて想像させておいて、それをさらに意外な展開に繋げたり、何気ないけれど印象的に残しておいたシーンに驚きの真実を隠しておいたり。
『殺人の追憶』や『グエムル』(当初★3つでした)と同じく、何度も観たい気持ちになります。
『TOKYO!』の記事にも書きましたが、ポン・ジュノの映画は観れば観る程面白い。
よくこれだけ違うテイストの映画ばかりを撮ってる中で彼の世界を保ってられるよなぁ。
久々のスクリーンでも前に増して上手くなってたウォン・ビンは注目ですが、母親役のキム・ヘジャの怪演は必見です。
いつも音楽の使い方も面白いよなぁ。
今度はどんな風に唸らせてくれるのかすげー楽しみなんですけど!
『母なる証明』を観てきました。
★★★★★
漢方店を営む母と、知的障害を持つその息子の話。
母親が店から外を観ていると、息子が警察の車で連行されようとしている。
半狂乱で店から飛び出し、走って車を追う母。
母が拘置所で息子と面会した時、彼は近所の女子高生を殺害した容疑に関して、理由も理解できないまま警察の作成した供述書に拇印を押してしまっていた。
ここだけを聞くとよくある冤罪もので、この後は事件を解決する為に翻弄する母親の姿やら、警察との衝突、そして最後には冤罪を証明して…。
なんて展開が見えていて、わかって観ていても上手い演出で泣かせてくれるんだろうなぁなんて想像されるのが普通。
しかしポン・ジュノ、一筋縄では観せてはくれない。
いつものように彼流に誇張された現実像を、完璧に計算された構図で、過剰過ぎる韓国映画の芝居をさらに過剰にして緊迫感を増すところも彼流。
そんな濃いぃ世界の中において、息子の無罪を証明する為必死に活動する母親の姿はどこかコミカルに描かれていて、真剣なのにコミカル故、逆にこの主人公への愛着が湧いてくるいかにもポン・ジュノらしい手法を今回も用いている。
息子の冤罪を晴らそうと思っても、何をしたらいいのか分らない母親は、最初は闇雲に活動しているが、途中で手掛かりを掴む。
うん、そうそう意外性を持ってきてこれから真実に向けての展開、ドラマチックでさらに楽しくなってきた。
なんて緊迫感もMAXになってノリノリで観ていると…。
終盤にあたる部分で言葉を失う。
フツーのミステリー映画では決してない、フツーの母子の物語でもない、傑作で怪作!
いかにも何か有りそうに見せて想像させておいて、それをさらに意外な展開に繋げたり、何気ないけれど印象的に残しておいたシーンに驚きの真実を隠しておいたり。
『殺人の追憶』や『グエムル』(当初★3つでした)と同じく、何度も観たい気持ちになります。
『TOKYO!』の記事にも書きましたが、ポン・ジュノの映画は観れば観る程面白い。
よくこれだけ違うテイストの映画ばかりを撮ってる中で彼の世界を保ってられるよなぁ。
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いつも音楽の使い方も面白いよなぁ。
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最後の方は母親の表情が壮絶過ぎて心が痛かったです。
息子を守る為に罪を犯し、さらに他人を犠牲にし、自らの記憶まで消してしまいたい思いで狂喜に踊るラスト。
ほんと、心が痛い。
それにしてもあのラストには参りました。
“母の愛”がテーマであるのは一目瞭然ですが
その母の愛が狂気を帯びてくる様子が克明に描
かれているだけに、見れば見るほど引き込まれ
ました。そしてあのラスト。
全てを息子のために捧げる彼女にとっては、自
分の良心すらもちっぽけなものなのかもしれな
いです。