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IMAX3Dで観直した2回目のスター・トレック イントゥ・ダークネス

2013-08-30 | 映画+
前週の先行公開に続いて『スター・トレック イントゥ・ダークネス』本上映が始まったので、早速IMAX3D版で2回目を観てきました。

先行上映を観た前回の記事を更新すれば早いんだけど、今週は他に映画を観ていないので、書き洩らしたこととか、今回改めて感じたことをネタバレ全開でストーリー追いながらまとめてみます。

ネタバレ
開始、未開の惑星でのエピソード。
一面に広がる白い幹に真っ赤の木々が生い茂る原生林と、溶岩が押し寄せる火山の火口の中の場面はIMAX3D映像のクオリティーの高さに目が釘付けになります。
この辺りはそれら奇抜な色使いの場面と、火口の灰の中に浮かぶシャトル、真っ青な海に沈むエンタープライズの場面とが交互に映し出されて映像的にもとても楽しく、存分に盛り上げてくれてからのオープニングファンファーレ。
なんて盛り上げ上手。
全長700メートル、高さも100メートル以上あるNEWエンタープライズを海にどっぷり沈ませている場面では、新時間軸のエンタープライズのサイズを知っていると「そんなにでかいものが沈む海って、というか呼吸器付けただけでかなりの水深にある入り口まで到達するとか“夏ばっぱ”でも無理やん」的な突っ込みポイントはありますが、勢いに任せてファンファーレで感動するみたいな。

この場面でシリーズにおいては艦隊の最重要項目のひとつとして禁止されていた、発展途中の文明への干渉をNEWカークは軽々と犯してしまい、おいおいと思っていると、案の定信頼関係がまだまだ築き切れていない堅物NEWスポックは助けてもらったにもかかわらず艦隊本部へ報告してしまう。
この辺、前作からの伏線が生きていて、前作を観てから間が空いている人にも人間関係を思い出させてくれるような、デジャヴのようにパイクとカークが酒屋で話す場面も有る親切設計。
全体的に前作から続けて出ている人物達は、キャラクターの背景を描く必要がなくなった分、個性がかなり強調されてキャラクターの面白さが増しているのと共に、本作から観た人には個性的過ぎる部分がわかりやすく楽しめるような作りになっています。

かと思えば、シリーズのファンであってもマニアでないと気が付かないような小ネタも豊富。
例えば前回の記事に、マーカス提督の部屋に並んだ模型の事を書きましたが、その並びをよく見ると、フェニックスとエンタープライズXCV-330の姿も見られる。
こないだも書いたU.S.S.ヴェンジェンスの外見がD型エンタープライズに似てる事以外にも、U.S.S.ヴェンジェンスのクルーの制服も『新スタートレック』のそれと基本デザインちょっと似てたりする辺りも要チェック。

そんなこんなで偽名でエントリーされていたベネディクト・カンバーバッチが意味深に登場。
自分の血を抜いてそのまま協力者に渡し、その代償として情報保管庫を自爆テロさせるくだり。
一回目に観た時は血を抜いているシーンでボーっとしてしまっていたのか、治療薬を開発したのかと思っていたんだけど、あの場面思いっきり血をそのまま渡してそのまま病気の子供の点滴に入れてましたね。
字幕で観ていたせいか、クライマックスでカークはカーンの血から作った血清をもらった事になってたけど、血清でなくてもよかったのでは?もしくは、血清にしないとやっぱ優生人類の血に目覚めてしまって、後々ヤバイのか?では、あの助かった娘は??等と妄想。

艦隊の艦長達が全員集まって対策会議をする場面。
これって、シリーズ数多の場面でエンタープライズとかが宇宙に居る時に緊急会議とモニターで繋いだりして、艦長と提督とかとやり取りしてた場面の裏側で、地球側の会議の映像。
凄くレアと言うか結構無い重要な場面なんだけど、なんて警備が手薄で緊急時の対策は何も取られていないのか。
ほとんどの人がこう思ったはず。「とっとと転送して保護しろよ」と。
しかもあの場面、かなりの死人出たようだけど、艦長、副艦長クラスがあんなに死んだら地球終わるでしょう。

そしてカーンは長距離転送でクロノス星系へ?!
え、いくらなんでもこの時代にベータ宇宙域まで転送でって長距離過ぎませんか?
侵略とか簡単にできてしまう技術だから、今後いろんな戦術を見直して全く違う『スター・トレック』になってしまいそうなんですけれど。
前の週にレビューを書いてからこの辺りも含めて前作と本作の間での技術の向上の異様な速さが気になって観直していたんですが、未来ロミュラン船から収集した技術が使われているのを匂わすように、台詞の中にセクション31の暗躍をハッキリ言ってましたね。
未来ロミュランの技術と、カーンの頭脳が合わさってこうなったのでしょうか。
クルーの中にアンドロイドが居るのも気になる。

前回も少し触れた、ラテン系のカーンがイギリス人になってるってどうよって話。
一回目の鑑賞ではベネディクト・カンバーバッチだから許す!と思いながら観ていましたが、二回目でもやはり同じ感想です。
インドで王子やってたからラテン系と言うよりも設定上は中近東から東アジア系だったはずなんだけど、とかもうそんな設定どうでも良いから、歳食ってコールドスリープの設定がおかしくならない内にまたカークの好敵手としてカンバーバッチが登場して欲しい。

セクション31へのカーンの協力も有ってか、極秘で製造された巨大宇宙戦艦(ドレッドノート型の等級無しで良いのかな?)U.S.S.ヴェンジェンスのデカさたるや、700m越えのNEWエンタープライズをさらに凌ぐ。
エンタープライズと並んだところを見る限りは1000m越えてそうだけど、ここまで来るともう大きさのインフレを越えておかしいレベルとしか思えないので、エンタープライズの設定は300m前後に戻して欲しい。
ワープ速度UPだけでなく、ワープ中の攻撃なんていうボーグ船みたいな事が出来るこの船の技術は、長距離転送と合わせて今後惑星連邦の拡大を一気に早めそう。
早めすぎてガンマ宇宙域のドミニオンすっ飛ばしてデルタ宇宙域まで行ってしまって、とっととボーグと交戦して地球がまた侵略されたりして…。

ニューバルカンがどういう星なのか描写が無いのが凄く気になるけど、OLDスポックがまさかの再登場で、時にはルールを守らないOLDスポックの賢さに惚れ惚れ。
NEWスポックも良いけど、百数十年間の人生で酸いも甘いも、死と再生も経験し、波瀾万丈の末老いて過去に戻された人生経験、人類の進歩を陰で支える存在になった姿がカッコいい。

前回チラッと書いたカークが放射能で死ぬ場面、『カーンの逆襲』では中で瀕死のスポックがバルカン・サリュートしていたのにカークはしていなかったんだけど、本作ではスポックのバルカン・サリュートに最後カークが形を揃えてから亡くなるんですよね。
そしてスポックが「カーーーーーン!」と叫ぶ。
2回目を観に行く前に『カーンの逆襲』を観直したから、余計に楽しめました。
息を引き取る前の「君も同じことをしただろう」って台詞も両方観てると泣けます。

地球の重力に引かれて落下するエンタープライズの内部を描いた映像、どう考えてもVFX以外に巨大なセットをグルグル回さないとあんな場面は撮れない大掛かりなシーンですが、そのスケール感だけでもやられるのにIMAX3Dで観るとセットの回転に同期せず違う方向へグルグル回るカメラアングルで、重力が縦横無尽に変わる気分を存分に楽しめました。

それからクライマックスのスポック対カーン。
いかにも地球人より3倍強いバルカン人対、改造された地球人の優生人類といった趣で漫画のように異常な迫力の殴り合い。
バルカン人のマジバトルはバルカン人ならではのバルカン神経掴みと精神融合も織り交ぜながらの攻撃、でもどれも優生人類には通じないとか、こんなのシリーズ観てない人にはなんのこっちゃだろうけど、迫力だけでも凄いからきっとみんな楽しいよね。

そんなこんなでこれからの展開にも目が離せない新時間軸の『スター・トレック』ですが、心配なのは日本の配給の仕方。
日本語字幕は訳が安定してないし、吹替版はキャラクター名が英語版に統一されてしまった。
結局、「人類最大の弱点は愛だ」と言うよりも、「優生人類最大の弱点は愛だった」という宣伝の大嘘も違和感しか感じないし、もうちょい考えて欲しい。

キャロル・マーカスは今後カークに手を出されるのは間違いないだろうけど、愛は芽生えるのかな?子供はどうなるかな…?あんまりラブストーリーとかほのぼのした感じは映画版には欲しくないけど。
ジェネシス計画はもう無さげ?

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