そーれりぽーと

映画、旅行、植物など気の向くまま

新作映画の満足度は最高★5つで表示

ゼロ・グラヴィティ 3D

2013-12-20 | 劇場映画れびゅー
宇宙空間で遭難だなんて息が詰まりそうで観たくない気持ちも有りながら『ゼロ・グラヴィティ』をIMAX3Dで観てきました。
★★★★★

見たこともない、あり得ないスケールの映像で宇宙空間を感じさせてくれる映画。
そして過酷な運命と立ち向かうヒロインを描いた映画としても、役者の演技も合わせて秀逸。
アルフォンソ・キュアロン監督も、サンドラ・ブロックとジョージ・クルーニーも、確実にSFでオスカーを獲りに来てる。

恐らくは役者の顔や動作が写っていない場面はほぼCGなんだろうけれど、たとえCGでもこんなに臨場感のある映像っていうのはこれまで無かったんじゃないかと、センスの問題と言うか、どうやって撮影したのか全く想像の付かない現実っぽさにやられました。

冒頭で、迫力の地球と宇宙空間をバックに宇宙遊泳しながら船外作業をする飛行士の映像を長回しで見せられる内に観客も疑似体験させてくれる作りになっているんだけれど、特にIMAX3Dで観るとほぼ全ての視界がスクリーンな訳で、殆ど自分もそこに居る感覚になりました。
その上で、急転直下の死と隣り合わせの展開。
ここまでは予告編を観ていたらおおよそ想像の付く辺りでしょうけれど、自分もフワフワそこに浮いて存在している感覚になってからのこの急展開は凄い。
来る来ると思っていても来てしまう、ジェットコースターが登りきった時の感覚と似ている。

その先も全ての場面に妥協無く高いクオリティーを保った無重力空間の表現で描かれていて、船外のスケール感もさることながら、宇宙船の内部で空気の有る空間を縦横無尽に遊泳して廻る場面なんて100%サンドラ・ブロックがISSにクルーと行ってロケをしたんじゃないかと疑いたくなるレベルで素晴らしい。

スペースデブリの危険性は最近いろんなところで警鐘が鳴らされているので、俺みたいな一般人には遠い世界の自分の生活には関係の無い問題ながらも、「宇宙に行ったなら」なんて妄想した時に気になるところでは有りますが、人間が自分で地球の軌道上を汚しておいて自業自得の危機に直面しているという部分を暗にテーマとして扱っている映画でも有りますので、私達の遠い子孫達の為に今から解決に向けてみんなで考える機会になれば良いなぁなんて思ったり思わなかったり。

ケチのつけようの無い映画なのだけれど、敢えて一つだけ気になったところを挙げるとすると、IMAX3Dを持ってしても宇宙から見た地球と宇宙の奥行きだけは再現出来ていなかったところかな。
殆どの場面では気にならないと言うか、物語が回り始めてからはそんな細かいところを観ていられない展開が続いていたのですが、冒頭地球全体の30%程が大写しになっていた場面で目立ったのが、地表までの距離を実際のスクリーンが有る位置辺りに設定し、そこからなだらかな球形に奥行きを出さずある程度までは平面のままで、途中から急に水平線に向かってRを取って奥行きの効果を作っていた。
地表までの距離感と、地球の丸さ、そしてその奥に広がる宇宙空間の深淵のように、視点を動かしながら感じるような遠い距離のスケールの大き過ぎる3D映像はまだスクリーンでは表現しきれない課題なんでしょうね。

ネタバレ
絶望のどん底に落とされてからの希望、希望からの悲し過ぎる別れ、悲しくて悲しくて私は中盤なのに大泣きしてしまいました。
そこからまた奮起するライアン、一難去ってまた一難で、最初の漂流だけでも絶望のどん底なのに、次々に襲いかかる虚無の空間での絶望の連続の中になんとか希望を見つけ出しながら、マットとの別れも有って必死だった彼女だったけれど、最後の最後にもう駄目だと思ったところで現れたマット。
宇宙空間での奇跡にわたしゃもう号泣で声漏れそうなくらい喜んでいたのに、それが幻だっただなんて…。
何と言うか、ご都合も奇跡もあり得ないリアリティの追求具合に、最後の最後に幻のマットへの感謝でもうひと踏ん張りして生還するライアンのこれぞリアルな奇跡っぷりには至福の気持ちで映画館を出ました。



宇宙兄弟 Blu-ray スペシャル・エディション
小栗旬,岡田将生
東宝

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 47RONIN | トップ | 鑑定士と顔のない依頼人 »