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ダイ・ハード

2009-04-29 | オススメ旧作映画
アクション映画の革新的作品で、俺に刑事アクションを観る切欠を与えてくれた映画。

それまでの刑事アクションのイメージと言えば、タバコとおっさんの汗の匂いが画面から漂ってきそうな男臭さMAX、銃と血と暴力全開、カッコ良さ重視な割りにどういう人の視点で観たらこれがカッコいい映画なんだろうと思うような、俺の感性では受け付けない感じでした。

具体的にはクリント・イーストウッドの『ダーティハリー』やら、チャールズ・ブロンソンのテレビドラマ『刑事コジャック』みたいな。
昔はその辺が繰り返しテレビで放送されてましたが、今もなんつーか肌が会わなくて観る気が起きないんですけど。
その流れでつい最近までクリント・イーストウッド自体にも偏見を持ってました。

80年代中盤からは、シュワちゃんやらスタローンがその分野にも進出して来て、イカツイ肉体と銃の組み合わせで派手に魅せる演出のものが増えましたが、台詞の少ない戦争モノやSFアクションが得意だった当時の彼らには、リアルな刑事役は似合わない。
このころは、時々テレビで放送されてたのをチラチラ観ては「やっぱりつまらん」とチャンネルを変えてました。


『ダイ・ハード』以降のアクション映画は変わりました。

先に一作目が公開されてた『リーサル・ウエポン』シリーズだってこの映画から影響を受け、シリーズを重ねるごとに面白く変わっていく稀有なシリーズになったし、シュワちゃんやらスタローンも乗っかり、刑事アクションに限らずアクション映画全体が『ダイ・ハード』の影響を受けまくり。

ただ、本家の『ダイ・ハード』は一作目の完成度が高過ぎたせいか、逆にシリーズを重ねるごとに劣化していったのは本当に残念。
※十数年ぶりに復活した『ダイ・ハード4.0』は、最近の確実にウケる手法を駆使して面白く仕上がってます。


そんなこの映画の魅力って何だったんでしょう。

技術的な点やら演技力を除いて確実に一つ言えるのは、「何が何でも続きが観たくなる展開と、何度観ても発見がある映画」だったこと。

実はこの映画を初めて観たのはテレビで、それも途中まで。
ビデオ発売のプロモーションで、クライマックス近くまで長々と放送して「この先はビデオで!」なんてやられたので、続きが観たくて観たくて即レンタルビデオ屋へダッシュ。
こんなプロモーションは未だにこの映画でしか見たことが無いんですが、それだけ映画会社の方は自信があったんでしょう。
日本の劇場公開時はそれほどヒットしなかったそうですから、なんとか世に出したかったという気持ちが想像出来ます。

じゃぁどんな内容だったのか。

ストーリー
主人公ジョン・マクレーンはNY市警の刑事。
妻はLAに移って日系企業に勤めており、子供たちは彼女のもとに。
ジョンは単身NYに残っていた。

クリスマス休暇は家族と過ごそうと、苦手な飛行機を使ってロスに到着。
まずは妻の務め先のクリスマスパーティーへ、会社が手配してくれていたリムジンで。

パーティー会場のナカトミビルでは、妻が旧姓を名乗っている事で口論となるが、パーティーの忙しさに妻を奪われた彼は一人会場の広間から離れて腐っていた。
そんな時、ハンス・グルーバー率いるテロ集団がパーティー会場に現れてビルを制圧してしまう。

別行動をしていたおかげでその存在を知られなかったジョンは、正義感から一人テロ集団に立ち向かうこととなった…。

で、何が面白いのか
見事なのは二転三転するストーリー展開と、映画を普段観ない人にもわかり易いよう複雑な伏線がスルスルと解けていく様子。
会話の中にもたくさんの伏線が有るので、何度観ても飽きない作りになってます。

そして、それまでの映画に無く愚痴ったり失敗もする人間らしい主人公のジョン・マクレーンが、正義感に燃えながらもやっぱり愚痴りつつ、それでもめげずにボロボロに傷つきながらもヒーローになっていく姿。
頭脳戦で挑んでくる悪に対して、フツーの頭脳を体で補って悪に立ち向かって打ち勝つヒーロー像。

脚本の面白さだけではなく、当時最高峰のド派手なアクションも満載で、血まみれで悪に立ち向かい続ける主人公から伝わってくる痛みは半端ない。
テンポの良い編集で魅せる魅せる。

彼を外部から懸命にサポートする意外な人物と、足を引っ張る嫌われ者の存在にも注目。
もちろん悪役達は腹わたが煮えくりかえる程に憎たらしいが、それ以上にムカつく嫌われ者を随時補充して欠かさない。

これらは今やアクション映画でも定番の構成ですが、それまでの映画にはあまり見られず、この映画は全て揃えて、これ以上無い完成度の高さ。

ビルの中という限られたスペースを最大に活用した見事な展開も魅力。
各階層や扉の向こう側、普段見えない排気管の中やらエレベーターシャフト、屋上から窓の外まで縦横無尽に逃げ回ったり、逆に追い詰めたり。

クリスマスやニューイヤーを意識した音楽の使い方も秀逸で、緊迫感の有る場面で逆にクリスマスソングを使っていたり、映画の内容とは関係無くハッピーエンドの後にクリスマスソングが流れたりする辺りがたまらなく楽しい。

映画史にずっと名を残す名作ですよね。

オススメ度:100%



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