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シャンハイ

2011-08-25 | 劇場映画れびゅー
観たいと言うのでノーマークだった『シャンハイ』を観てきました。
★★★

日本、中国、アメリカのそれぞれがまだ混沌とした中で均衡を保っていた太平洋戦争開戦前夜の上海が舞台。

中国寄りなシチュエーションの為、ハリウッドはついに中国をアゲて同時に日本をサゲる映画を作ったのかとちょっと気にしながらの鑑賞。
ところが、これが絶妙なバランスで3者の登場人物達の視点を公平に描いてるんですよね。
それも、国がどうとか言う事では無く、3人の人間を前面に出しているので3人の誰も損をさせず見せ場を作っている所が面白い。

同時に無難な選択をしたなとも感じたところでもあったけれど、踏み込んでいたら日本のスターを使うことも日本での公開も危うくなりかねない、デリケートな部分にクローズアップして描いたスレスレの映画だった。
これを観て不快に思う日本人も中国人も居ないだろうな…。

ネタバレ
危ない橋を渡って描いているのが、サスペンスのようで実は「騙されているとわかっていても結局男は女を許してしまう」ってラブストーリーなところがサイコーにカッコ悪くもあり、カッコ良くもある。

チョウ・ユンファの最後の見せ場が良過ぎるよ、『男たちの挽歌』かと思った。
かと思えば、怒りに任せてしょーもない大怪我をした渡辺謙も最後にイイ表情で登場。
2大アジアンスターの共演を演技以外に実際彼ら自身の国籍を背景にした撮影現場での思考なんかも想像しながら観られる映画でした。

菊地凛子のキャスティングについては、「喋らない役なら良いんだけど」と常々思っていたもので、本作は久々全く喋らない役で良かったw



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