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天使と悪魔

2009-05-16 | 劇場映画れびゅー
上手いプロモーションで原作を読んだ人も読んでない人もノセられ、俺も大阪からわざわざ東京まで前夜祭を観に行ってしまった『ダ・ヴィンチ・コード』から丁度3年。
トム・ハンクスの変な髪型ロバート・ラングントンシリーズ第二弾『天使と悪魔』を観てきました。
★★★★★

「なんでやねん」と思いつつも、後半に向かうしたがってどんどん面白さが加速していく作り。
途中まで「★4個?」と思ってたのが、「やっぱ4.5かな」、「えー!これは5個にせざるを…」となる満足度99%な映画。
あとの1%は、よくよく考えるとご都合主義過ぎなところと、やや反則なところ。
でもエンターテイメントとして考えたら、こんなに面白い作りの映画はあまり無いかも。
この感動は観終わった直後だけのものかもしれんけど。

『ダ・ヴィンチ・コード』と同じくオカルトがベースなので、ローマの歴史に詳しい人が観ると『インディー・ジョーンズ』シリーズを観る時のような寛大な心で観ないと、途中辛くなります。
ローマやヴァチカンについて何も知らない人が観たらすんなり入ってくる映画かもしれませんが、ロバート・ラングントンの仮説は殆どフィクションなので間違って覚えないようにw
※『ダ・ヴィンチ・コード』も彼の解説の大半がフィクションです。

ちなみに、原作本は前作も本作も前回の映画化前に買ったけど、結局手を付けてませんw

ほんのさわりだけネタバレ
カトリックが生み出した負の遺産“イルミナティー”。
根絶したと思われていたその組織が教皇の死と共に復活し、復讐のためにヴァチカン市国を中心とした広範囲を破壊する事が可能な新型爆弾をどこかに仕掛けた。
変な髪型のシンボル学者ロバート・ラングントンは、爆破を阻止出来るのか。
そして、コンクラーベに湧く世界中から集まった信者達を目の前にしたヴァチカンの対応はいかに?

手掛かりはイルミナティーと思われる犯人から届いた爆弾の中継映像とメッセージで。
メッセージの内容は、時を同じくしてさらわれた次期教皇候補の4人の枢機卿達を、1時間おきにローマ市内の各地で1人ずつ殺害して、最後の殺害から1時間後に爆発が起きるというもの。
ロバート・ラングントンによる暗号解釈で、犯行現場に先回りを…。

個人的には全編大好きなローマとヴァチカンのド観光名所が舞台で、普段絶対に見る事の出来ないヴァチカンの裏の裏までが事細かく(ほとんどセットとCGだけど)写しだされているところに感激。
また、台詞の中に出てくるいろんなキーワードは、ローマに興味が有って勉強したことのある人ならロバート・ラングントンに頼らなくても分るような内容も多くて、一緒になって推理出来てすぐに解答を教えてもらえる楽しさもある。

日本語で別の言い方が一般的なものまで横文字表記にしてしまったり、一般的ではない日本語名に変えられてしまってるセンスの無い字幕にはガッカリ。

ネタバレ
ベルニーニがイルミナティーとか、オカルトにしてもちょっと言い過ぎ。
ミケランジェロも大好きだけど、ベルニーニもあの質感というか神々しい透明感が好きなんです。
知らない人が観たら悪い先入観で今後彼の作品を観てしまうんじゃないかとちょっとムカッとしたけど、それにしてもこじ付けも甚だしい観光名所巡りは、逆にこじ付け過ぎて笑えるのと、会話を聞いてて「そうそう、そこ!」と一緒になって推理出来て、しかも普段見れない場所に行ってくれるところが楽しかった。
回りくどい事しなくても、オベリスクとベルニーニだけを手掛かりにしても良かった気がしないでもないけどw

サンタ・マリア・デル・ポポロ教会って、今あんなボロボロな状態で修復中なのかな。

後半の盛り上がりの凄さったるや、想像を絶した。
カメルレンゴが襲われてる場面がどこかおかしい。
どこかおかしいけれど、おかしな映画なのでとりあえずスルーしようかと観ていたら、「ペテロが処刑された丘ってどこよ」「この下やん」の会話で一気に思考から飛んだ。
そこまでやってしまうの?!

わたくし、ぜーんぜん宗教に興味の無い者ですが、宗教が生み出した文化やら功績やらにはとっても興味が有って、こういうオカルトな展開も本来嫌いじゃないんですけど、有るか無いかハッキリされていないものがこうやってスルスルと出てくると、突っ込みたい気持ちとどうしようもないワクワク感が一気にやってきます。

バッテリーを交換してる時間が無い!
というところで、きっと誰もが「もしかしたらカメルレンゴは一人で…」と、最も尊いとされる自己犠牲の行動に出るかも想像したはず。
その通りに、その後のまるで『HEROES』シーズン1のような展開に興奮と感動が収まらないのと、爆発の衝撃でサンピエトロ大聖堂がボロボロになってるのを見て悲しさがこみ上げてきたのとで、感情的にはしっちゃかめっちゃかになってしまいました。

サンピエトロがあれだけ被害受けてるんならローマ中の遺産がボロボロになってるんじゃないかとか、システィーナ礼拝堂の天井画が全部落ちてしまってないかとか、フィクションなのに悲しみが止まらないw

その後の生還を喜ぶ大歓声に、俺も「こいつが教皇になるべき」なんて涙がこみ上げながら思ってたら、まさかの最後の大どんでん返し。

唖然っていうのはこういう事かってくらいの衝撃で、さっきまでの感動は何だったのか、ここまでやった後であの展開はもう反則の域だと思うけど、うまーい事最後は話をまとまって、結局大満足で映画館を後にしました。

宗教と科学の歴史を振り返り、相容れる相容れないを全編に渡って描きつつ、それらがもたらした成果と、その功罪についても描く。
かつては絶対のものと信じられていたカトリックも、振り返ってみると数多くの罪を犯してきたし、そのカトリックによって迫害されてきた歴史のある科学だって、現代では妄信的に人類の英知として発展してきているけれど、その裏には人を大量殺害する為の兵器が開発されているという現実がある。

この映画では、カトリックによる迫害によって生まれた負の遺産“イルミナティー”の復活によって、度肝を抜く演出で新たな負の遺産である大量殺害兵器を示し、開発者の口から後悔を語らせる事で科学の発展についての問題を提起しつつ、それをメインテーマにするのかと思いきや最後のどんでん返しの驚きで何もかも煙に巻いてしまい、結局はオカルトも宗教と科学も物語のスパイスとして使っただけという、徹底して面白い話を作ろうとしている姿勢が凄い。



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8 コメント

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なるほど。 (えい)
2009-05-16 14:48:34
こんにちは。

なるほど。
原作を読まれていないと、
「彼こそ教皇に」で、大どんでん返し。
となると、この映画、
大成功ですね。

読んでいると、
バッテリーのくだりから、
「もう、こいつしらじらしいことしやがって」(笑)に。

いやあ、考えさせられました。
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>えいさん (そーれ)
2009-05-16 18:23:02
どうもです!
カメルレンゴを疑う気持ちも少しは有ったんですが、煙に巻かれてすっかり信じてしまいました。
バッテリーが足りない話になった時は、彼がパイロットも経験した事が有る会話を思い出して、「まさか、一人で死ぬつもりじゃ」って、見事に伏線を使った意図した騙しにハメられてしまって(汗)

バッテリーをなんとか交換して終わる。
カメルレンゴが犠牲になって終わる。
カメルレンゴが教皇になって終わる。
と、3回終われたのに引っ張って引っ張っての大どんでん返しはほとんど反則ですよねw
返信する
迷ってたんだけど (あっこ)
2009-05-25 19:45:55
たまたまぶらり旅してたブログでこちらを発見。
この映画、明日にでも観に行ってこようと思いました。
なので、ネタバレまだ読んでませんwww
返信する
>あっこさん (そーれ)
2009-05-26 20:14:58
どうもです!
ありがとうございます!
ちょっと好き嫌いの分かれる映画のようで、お気に召せば良いのですが(汗w
返信する
遅ればせながら本日観て来ました。 (あっこ)
2009-05-30 22:53:36
これはwww

大どんでん返しで、ほんと予想外でした。
途中お涙ちょうだいしたのにさ。
面白い映画でした。

映画を観た後、こちらの「ネタバレ」を読んでまた映画の復習をしたりしてw
カメルレンゴをカメル連合だと思ってたよ(´・ω・`)
返信する
>あっこさん (そーれ)
2009-05-31 20:15:53
どうもです!
結構カメルレンゴを疑って観てると面白くないって意見も多いみたいですけど、楽しまれたようで良かったですねぇ^^
私も思いっきり騙されて無茶苦茶楽しみました。

>カメル連合
(;´д⊂)
返信する
TBありがとうございました (シムウナ)
2009-06-15 14:29:48
TB有難うございました。
仕事の疲れなのか、冒頭完全に寝てしまいました(笑)
前作よりは分かりやすく面白くなっていると
感じましたが、あまりにも早く謎を解いてしまうので
観ている側が考える間もなかったですね。
2時間という話だと仕方ないのですが…

今度、訪れた際には、
【評価ポイント】~と
ブログの記事の最後に、☆5つがあり
クリックすることで5段階評価ができます。
もし、見た映画があったらぽちっとお願いします!!
返信する
>シムウナさん (そーれ)
2009-06-16 13:25:38
どうもです!
私の場合、舞台が大好きな場所だったので、ずっと前のめりでした。
謎自体そんなに難しいものじゃないのばかりだったんですよ、きっとイタリア人が観たら「どこが謎やねん」ってレベルのものが多かったように思います。
ラングントン的こじ付けが加わって『ナショナル・トレジャー』のようなテンポで進んでいくあたりが漫画でしたけどw
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