ハウスメイド

メイドが旦那さんと関係を持って、ドロドロな展開！
てな予告編で楽しみにしていた『ハウスメイド』を観てきました。
★★★★★

惜しい！あと一歩で今年観た中の最高クラスだったんだけど、クライマックスが奇をてらい過ぎていて「あららー」な後味。
そこまではもうむちゃくちゃ面白くて、「絶対★5つ付けなければ」なんて思いながら観てたんだけど、最後にちょっと減らして4.5個になってしまいました。

半端ないエロさと家族愛の対比、一人ひとりの“愛情”という言葉に対する感覚のズレを真面目に描けば描くほど面白さが加速していく。

上手いのは、「この家族は怖い」って最初に釘を刺しておいて、主人公の不貞を切欠に徐々に歪な人間性を見せていくところ。
不貞が無ければ意外と上手く行ってたのかも？若奥さんだって結婚を切欠にキツい性格正して良い母親やってたはず？
でもあの旦那なら妻の知らないところで女抱きまくってそうだから、もっと後になってからでも家庭がぐちゃぐちゃになってたかも。
なんて想像しながら観ていても楽しくて仕方が無かった。

『スーパー家政婦は見た！』とでも邦題を付けた方が似合いそうなこの映画、チョン・ドヨンが演じる主人公の奔放なメイドよりも、チョ女史と呼ばれる老メイド長の一挙手一投足が面白すぎる。
この婆さんが主人公と思って観た方が楽しめるかも。
俺はもう序盤でワイン片手にアイランドキッチンに腰掛ける場面からこの婆さんに目が釘付けでした。
演技も上手い。

演技派イ・ジョンジェがまさかあんな濡れ場をやるなんて、って意味では『イルマーレ』のファンとしてはショック大。

「いいわーこの臭い」の台詞は、邦画史に残る「ここ噛んでー」に匹敵する下品で爆笑できる名台詞に認定ｗ
全編に漂う後ろめたさがそこはかとなく恐いんだけど、個人的には相当ケタケタ笑って観ていました。

ネタバレ
ナミちゃんの言葉で母性に目覚めたメイドが、子供を奪われた悲しみから“家族”の前で飛び降りて首吊って火付けて死ぬだなんて、衝撃度は強いけど唐突過ぎるしナミちゃんの前でやる意味もわからんし頂けない。
そら子供の前でやって見せる方が相手のダメージデカイけど、せっかくそこまで積み上げてきた面白かった映画が一気に崩れてしまった感覚。
ラストの誕生日のシーンはこの家族がぶっ潰れた様子を詰め込んでて（何もかも捨てて海外に住んでるのかを想像させる英語台詞、ラリったマリリン・モンローのように歌う母親、従順な新しい老メイド長、旦那と関係を想像させるモデルのような容姿の若いメイド達、表情が完全に無くなったナミ）、上手いんだけど直前の「あららー」感でつまらなく感じてしまった。

階段落ちとホールでの首吊りシーンはLady GaGaのPaparazziのPVにもある事に後で気づきました。
偶然かな？

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