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ミュージアム

2016-11-15 | 劇場映画れびゅー
WOWOWで放送していた序章が面白かった『ミュージアム』を観てきました。


妻夫木聡が演技の幅をまた広げて、やり切っていたところだけが見どころ。

他は…白石晃士監督が作った『ミュージアム序章』が狂気に満ちて怖くて面白かったのに引き換え、大友啓史監督が作った本作は退屈で、主人公がドジに徹していて、感情移入するよりも呆れるばかり。

原作がそもそも面白くないのかと気になり、観終わってから満喫で一気読みしてみましたが、原作コミックスはバランスが取れていて結構面白かった。
3巻で完結するコミックスなら、忠実に映画化すれば無難ところを、ほぼそのままなぞりながらも、ところどころアレンジしていて、そのアレンジの全てがバランスを壊している、映画の作り手に原因があると言う結論に至りました。

WEBのインタビュー記事で、監督の「マンガと映画は違う、お互いのオリジナルを尊重したい」と言う言葉を読み、それは原作者が改変された時に言う言葉であって、改変した側が上から言う言葉ではないだろうと、かなりイラッとしました。

こと本作に関しては、白石晃士監督が撮ってくれていたら、もっとずっと面白く仕上がったんじゃないかな。

ネタバレ
犯人目の前で取り逃がし過ぎ。
無駄に大怪我をし過ぎ。
銃を撃たなさ過ぎ。
空腹を我慢できなさ過ぎ。
ちゃっちゃとパズル解けよって。
どんだけ銃の腕下手くそやねん。
あームカつく主人公。と言う感想。

以下、違和感を感じまくった原作と違うところについて。
カーチェイスの際、丁字路でブレーキを踏まずに逆方向に曲がって見失う辺りの違和感は、そもそも原作に無いだけに余計な事をして失敗している典型。
だいたい、車をぶつける度にど派手な火花を散らす演出も今時無いよなぁと思いながら観ていた後だったので、どん臭過ぎる主人公に興覚め。
それ以前から2度も犯人を取り逃がしていたけど、あの辺もコミックスのカット割りやセリフ、シチュエーションをそのまま再現すれば、唯取り逃がしたと言う風には映らなかったはず。
カーチェイス後に3度目の取り逃がしをするところなんて、原作に無い蛙男の襲撃を描いてしまって、“アーティスト”気取りの蛙男の像が完全に崩れている。

妻子の人形に懺悔する場面でも、そんな事している間があったらとっととパズル解けよと感じていたら、やっぱりコミックスには無かった。
そもそも映画のパズルの場面は時間の経過を描くのが上手くいっていなくて、ただ腹が減ってハンバーガー2個食ったようになっている。

クライマックスで妻がしゃがみ込んでしまう場面も、なんで子供を守る為に蛙男の身代わりになったくせに台無しにするかこの奥さんと違和感を感じていたら、原作では勇気を持ってしゃがまず立ち尽くしていたところを、主人公が後姿で妻だと気が付く仕掛けを改悪…。
その後の展開も余韻完全排除でクソ映画に仕上がってしまった。



ミュージアム コミック 1-3巻セット (ヤングマガジンKC)
巴 亮介
講談社

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