オーメン

06年06月06日、全世界一斉公開された「オーメン」のリメイク。
お祭り映画だから絶対666の当日観ようと意気込んでいたものの、飲んで疲れて見逃して後日観てきました。
★

ストーリーの流れはオリジナルのまま。
何のためにリメイクしたのか理解出来ないくらいにまんまなので、オリジナルを観た人にとっては何の価値も無いかもしれない。幸いまだどちらも未見の方にはオリジナル版をお勧めします。
リチャード・ドナー監督＋音楽ジェリー・ゴールドスミスのゴールデンコンビによるオリジナルに有ったドロドロとした邪悪な空気が、リメイクでは薄れているから始末が悪い。

肝心の恐怖の演出はほとんどオリジナルを踏襲しているので“観たことが有るから怖くない”。時々突発的に「わっ！」と音と映像で脅かされるので観客はみんな飛び上がるけれど、それは恐怖とは違う…。ハリウッドホラーの一番ダメな部分を駆使したってオリジナルは超えられません。
とは言っても、結局は秀作だったオリジナルを完全コピーしてちょこちょこ脅かしを加えているのだから、初めて観る方には楽しめてしまうのかもしれない。そう思うと歯がゆくて仕方が無い。
どうせ完全コピーするなら「サイコ」のようにどこまでソックリに出来るかを目指す企画としてやれば、それはそれとして理解出来たものを。

新たな脚色として、ここ数年の天変地異やら紛争やらを集めてヨハネ黙示録に結びつけ、ヨハネ・パウロの死去までもネタとして扱っているのでムッとした。確かに説得力の有る事象が近頃連発しているので観ていてそういう部分には恐怖を感じる。
ただし、「ダ・ヴィンチ・コード」でも扱われているオカルト的要素と同じく、捕らえ様によってはどうとでもとれる事柄をもっともらしく説明しているだけ。

萎えたのが主演のリーヴ・シュレイバー。
個人的な問題なのですが、どんな映画に出ていても生理的に受け付けない顔と演技で大嫌いな俳優なので、感情移入なんて到底出来ないし、ましてやグレゴリー・ペックがやっていた役柄をこの人が演じているなんて頭にくるばかり（怒）

加えてダミアンがかわいくない！そのうえ演技が下手過ぎるので全てが台無しです。

悪魔の子を守る地獄の使者がミア・ファローという発想にだけは関心しました。

ネタバレ
ネタバレと言っても全部オリジナルと同じなんですが、エンディングでダミアンが振り向く場面までもが同じだったのには怒りさえ感じてしまった。

オーメン（オリジナル） 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン このアイテムの詳細を見る