そーれりぽーと

映画、旅行、植物など気の向くまま

新作映画の満足度は最高★5つで表示

明日へのチケット

2006-11-12 | 劇場映画れびゅー
カンヌでパルムドールを獲得した三人の監督によるコラボレート。って言われても、受賞作品をどれも観た事が無いのでどんな監督なのか知りません。
そんな事よりも、大好きなイタリアの鉄道の旅がベースというところが気になって『明日へのチケット』を観てきました。(ちなみに鉄っちゃんじゃないのでw)
★★★★

列車の進行と共に心地良い時間が流れて行く。

同じ列車を舞台に三つのストーリーが順に語られるオムニバス形式。(正確には一話目と二話目の間にミラノで乗り換えている)
それぞれの監督によって全く違う毛色のストーリーと、撮影方法が楽しめるのはこういう映画の楽しみ方の一つですが、そのどれもが骨太で、観ながら笑ったり怒りが沸いたり呆れたり。
自分自身もその列車に乗っている錯覚にとらわれた。いや、確実に俺もあの場に居て彼らの話に聞き耳を立てていた。

車窓に映る風景の美しさ。10年前イタリアの景色にハマッて、何度か一人で旅した自分を思い出す。

列車という狭い空間で時間を共にする人々。
長いようで短いこのひと時に、外見や素行から隣に座った人物の人となりを想像するのはよくある事。この映画でもそれと同じように、全く説明の無いところから登場人物の人となりを想像する事が一番の楽しみかもしれない。
でも、どのストーリーにも当てはまるのは、人は外見だけで判断してはいけないという事。自分の想像から二転三転、想像だけで決め付けるのはいけない。妄想もw

一つだけ不満があるとすれば、言語が変わった時の字幕の対応が無かった事。
イタリア語にしてもイタリア訛りの英語にしても、凄く聞き取りづらいスコットランド訛りの英語でさえも全て同じ表示で変化が無い。
こういうところを面白くするのは字幕職人の技なのじゃないだろうか。

ネタバレ
三つのストーリーに共通して登場するアルバニア人家族の使い方がとても効果的で面白い。
それぞれのストーリーに登場する人物達の人となりを想像しながら観るのもいろんな発見が有って良いのだけど、長距離列車という事でこのアルバニア人家族については最後の方まで疑惑をはらんだまま列車は進んだ。

実はただのジプシーなんじゃないかとか色んな想像が膨らんで。ああいう結末だったのは微笑ましくセルティックサポーター達の喜びに共感して目頭が熱くなった。
恋の妄想から覚めてミルクを差し出したおじいさんも、やったかいが有ったというもの。(でも、赤ちゃんに牛乳飲ませて良かったっけ?)

この短期間で呆れさせたり共感させたり、本当に上手いわこの映画。

あの傲慢な関西のおばちゃんがどうなったのか気になるw



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コメント (6)    この記事についてブログを書く
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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
TB感謝です (ぺろんぱ)
2006-11-18 20:21:53
そーれさん<TBありがとうございます。

 >車窓に映る風景の美しさ。
 >10年前イタリアの景色に ハマッて、
 >何度か一人で旅した自分を思い出す。

そうなのですね、そういうのが映画を観る時には重要な要素にもなってきますね。

私もあの傲慢な婦人のその後が気がかりです。
それだけで(私的には)一本の映画ができそうです。
返信する
時間が経つと (そーれ)
2006-11-19 01:27:28
>ぺろんぱさん
この映画、観終わってから時間が経つほど登場人物達のその後が気になって仕方がありません。
あの関西のおばちゃん風の婦人はホームにポツンと残されて、あの後きっと葬儀には行けなかったでしょうね。
いくら傲慢な人とは言え、あの青年への嫉妬もあっての事。
青年が逃げ出した時は「ざま観ろ」と思いましたが、観終わってから想像すればする程悲しい気持ちの方が大きくなります。
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明けましておめでとうございます! (パピのママ)
2007-01-05 15:04:39
遅ればせながら、本年もどうぞ宜しくお願いいたします。
この映画は、今年2本目の鑑賞です。3人の名匠による奇跡の共同長編。ローマへと向かう特急列車に乗り込んだ様々な人種と階級の人々。そして偶然めぐり会った乗客たちは、それぞれの新しい人生の選択と可能性の物語へと旅立ってゆくのですね。
私は一番目の、老教授の話が良かったです。
今年もTB貼り逃げかもしれませんが、どうか宜しくお願いいたします。
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遅くなって申し訳ありません (そーれ)
2007-01-10 13:51:56
>パピのママさん
レスポンス悪くて申し訳ありません。
こちらこそ、本年もよろしくお願い申し上げます。

たまたま同じ列車に乗り合わせた人々が織り成す人間模様。
おっしゃる通りさまざまな人々がごっちゃになっている所が、特に日本じゃ有り得ない面白さを発揮していましたね。

今年は私も他の方のブログにコメントをきちっと書き残してがんばるぞ!
と年末に思っていたんですが、やっぱり自分のところの記事を書くだけでも疲れちゃって厳しいかもです(汗)
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おばちゃん (kimion20002000)
2007-05-13 02:52:09
TBありがとう。
キアロスタミはあのおばちゃんの造形が気に入ったみたいで、続編をとりたいという意向らしいですよ。
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マジですか?! (そーれ)
2007-05-15 17:22:17
>kimion20002000さん
それはもう、期待して待つしかないですね!
関西のおばちゃんも新しく起用してほしいです。
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