2月の二本目。
今週末にも一本予定してるし、はやいとここっちを書いてしまわねば。
今回は三回目の蜷川シェイクスピアで、前回の『オセロー』と並ぶ四大悲劇のひとつ、彩の国シェイクスピア・シリーズ第19弾『リア王』です。
パンフレットを読んでみると、蜷川幸雄の彩の国シェイクスピア・シリーズと銘打って『リア王』をやるのは二度目なのだそうで、前回は1999年。
ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーとさいたま芸術劇場が共同製作で両国で上演し、英国人名優達に混じって、唯一日本人俳優の真田広之が道化役を演じた前回は、彩の国シェイクスピア・シリーズとしては第4弾。
今回は、同じ脚本をオール日本人キャストにして演出を見直したので、再演ではなくて第19弾としての仕切りなおしたんだって。
四大悲劇のタイトルに身構えていた前回の『オセロー』が、思っていたよりも取っつき易く、想像以上に楽しんで観れたし、今回はベストキャスティングとの噂も耳にしていたので、期待に胸躍らせていつものシアタードラマシティーへ。
しかし、今回は最後列なのにオペラグラスを忘れてしまい、尚且つメガネも忘れて、乾く目に目薬を補給しながらのコンタクトレンズでの観劇でした(汗)
いくらコンタクト装着時に視力1.2有っても、25列目からコンタクトだけでの観劇は辛かった。
以下ネタバレ含みます。
舞台は英国。
老いた王の過ちが招く悲劇を描いている…なんて、それなりに勉強してる方は内容について当然の如くご存知でしょうから、下手に書いて恥をかかないようプロットはこの辺までw
そういう俺は…観るまで全然知りませんでした。
『オセロー』よりも登場人物達の様子が面白く、悲劇にも関わらずほとんどずっとニタニタしながら観ていた気がします。
泣けるところはしっかり泣きましたけどw
老いて堕ちて行く王の悲しみ、過ちへの後悔、裏切りによる喪失感、手のひらからこぼれて行く自信、老いに埋もれていく自我、ひとつの大きな判断ミスで追い込まれて…。
怖い、怖すぎるw
上がるところまで上がって、現実を見失った最近のセレブ芸能人の末路も彷彿とする。
舞台は英国なのに松羽目のような壁だけのシンプルなセット、いつものBGMに加えて能や狂言の音楽が同時に流れる。
よく見ると、地面は、これは土?ところどころに小さな山が盛られていた。
全員、体が膨れ上がって見える程に巨大な毛皮のコートを身にまとう異様な光景。
なんだこの世界は。
芸術的な事はよくわからんけれど、視覚的にも聴覚的にも全く新しいリア王である事には間違いないんでしょう。
今回は、シェイクスピアの平幹二朗と、シェイクスピアの蜷川幸雄のタッグという事で、至高のシェイクスピア劇だったんでしょうか。
その価値については、なーんにも知らない俺にとって計り知る事の出来ないものですが、そんな俺にも、面白かった!凄かった!的な表現じゃ足りないくらいの感動が沸き起こりました。
渕野俊太が台詞の順番を思いっきり間違わなければ、途中で二度も客席からケータイの着メロが聞こえてこなければ、もっと楽しめたはず。
ケータイ切っとけ!
どあほ!
昨年から21本目の今回、初めて着メロが聞こえました、二度も。
昔、一部の映画館がやっていたように妨害電波を流して強制的に繋がらないようにするなり、台湾の空港のようにケータイの電波を感知したらサイレンが鳴るようにするなりしなければ、最近の映画館でもホントにケータイがウザくて仕方が無い。
おっと、脱線。
ヒロイン的な位置づけでキャスティングされている内山理名は、もうちょっと舞台演技の出来る女優を選べば良かったのにと思ってしまうくらいに今ひとつな存在でした。
客寄せにしても微妙…。
なんてぼやくのは終わりにして。
やっぱりあれですね、平幹二朗のリア王は凄い、なんて平幹二朗の舞台を初めて観る俺が書いたらあふぉ呼ばわりされるし月並み過ぎますが、悲しみに満ちたリア王が降りてきてました。
何度も涙を誘いました。
でも、吉田鋼太郎と、高橋洋の方が見所満載で、平幹二朗よりも観方によってはオイシイ役柄、リア王よりもとっつき易い。
蜷川シェイクスピア三作目な俺的には、吉田鋼太郎と、高橋洋が存分に楽しめた今回で、二人のファンになってしまいそうです。
吉田鋼太郎は、平幹二朗に引けをとらない強烈な存在感。
4月に初めて蜷川シェイクスピア以外の舞台、『MIDSUMMER CAROLガマ王子vsザリガニ魔人』を観ますが、今から楽しみで仕方がないです。
高橋洋は、前作のイアゴーとは真逆な善人役で演技の幅の広さに見入った。
イアゴーも人前では基本的に善人のフリしてたんだし、広くて当たり前っちゃ当たり前だけど、今回は気のふれた物乞いから貴族まで一粒で何度もオイシイ広い役回り。
他にも良い俳優さん達は居たけど、今回の舞台はこの三人のパワーに圧倒された印象でした。
今週末の『ペテン師と詐欺師』以降の予定は、前回の『ベガーズ・オペラ』の末尾に書いた通り。
加えて今日、羽野晶紀復帰作(宮本信子主演だけど羽野晶紀目当て)『王様とおばさん』の5列目のチケットが取れてホクホクですw
今週末にも一本予定してるし、はやいとここっちを書いてしまわねば。
今回は三回目の蜷川シェイクスピアで、前回の『オセロー』と並ぶ四大悲劇のひとつ、彩の国シェイクスピア・シリーズ第19弾『リア王』です。
パンフレットを読んでみると、蜷川幸雄の彩の国シェイクスピア・シリーズと銘打って『リア王』をやるのは二度目なのだそうで、前回は1999年。
ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーとさいたま芸術劇場が共同製作で両国で上演し、英国人名優達に混じって、唯一日本人俳優の真田広之が道化役を演じた前回は、彩の国シェイクスピア・シリーズとしては第4弾。
今回は、同じ脚本をオール日本人キャストにして演出を見直したので、再演ではなくて第19弾としての仕切りなおしたんだって。
四大悲劇のタイトルに身構えていた前回の『オセロー』が、思っていたよりも取っつき易く、想像以上に楽しんで観れたし、今回はベストキャスティングとの噂も耳にしていたので、期待に胸躍らせていつものシアタードラマシティーへ。
しかし、今回は最後列なのにオペラグラスを忘れてしまい、尚且つメガネも忘れて、乾く目に目薬を補給しながらのコンタクトレンズでの観劇でした(汗)
いくらコンタクト装着時に視力1.2有っても、25列目からコンタクトだけでの観劇は辛かった。
以下ネタバレ含みます。
舞台は英国。
老いた王の過ちが招く悲劇を描いている…なんて、それなりに勉強してる方は内容について当然の如くご存知でしょうから、下手に書いて恥をかかないようプロットはこの辺までw
そういう俺は…観るまで全然知りませんでした。
『オセロー』よりも登場人物達の様子が面白く、悲劇にも関わらずほとんどずっとニタニタしながら観ていた気がします。
泣けるところはしっかり泣きましたけどw
老いて堕ちて行く王の悲しみ、過ちへの後悔、裏切りによる喪失感、手のひらからこぼれて行く自信、老いに埋もれていく自我、ひとつの大きな判断ミスで追い込まれて…。
怖い、怖すぎるw
上がるところまで上がって、現実を見失った最近のセレブ芸能人の末路も彷彿とする。
舞台は英国なのに松羽目のような壁だけのシンプルなセット、いつものBGMに加えて能や狂言の音楽が同時に流れる。
よく見ると、地面は、これは土?ところどころに小さな山が盛られていた。
全員、体が膨れ上がって見える程に巨大な毛皮のコートを身にまとう異様な光景。
なんだこの世界は。
芸術的な事はよくわからんけれど、視覚的にも聴覚的にも全く新しいリア王である事には間違いないんでしょう。
今回は、シェイクスピアの平幹二朗と、シェイクスピアの蜷川幸雄のタッグという事で、至高のシェイクスピア劇だったんでしょうか。
その価値については、なーんにも知らない俺にとって計り知る事の出来ないものですが、そんな俺にも、面白かった!凄かった!的な表現じゃ足りないくらいの感動が沸き起こりました。
渕野俊太が台詞の順番を思いっきり間違わなければ、途中で二度も客席からケータイの着メロが聞こえてこなければ、もっと楽しめたはず。
ケータイ切っとけ!
どあほ!
昨年から21本目の今回、初めて着メロが聞こえました、二度も。
昔、一部の映画館がやっていたように妨害電波を流して強制的に繋がらないようにするなり、台湾の空港のようにケータイの電波を感知したらサイレンが鳴るようにするなりしなければ、最近の映画館でもホントにケータイがウザくて仕方が無い。
おっと、脱線。
ヒロイン的な位置づけでキャスティングされている内山理名は、もうちょっと舞台演技の出来る女優を選べば良かったのにと思ってしまうくらいに今ひとつな存在でした。
客寄せにしても微妙…。
なんてぼやくのは終わりにして。
やっぱりあれですね、平幹二朗のリア王は凄い、なんて平幹二朗の舞台を初めて観る俺が書いたらあふぉ呼ばわりされるし月並み過ぎますが、悲しみに満ちたリア王が降りてきてました。
何度も涙を誘いました。
でも、吉田鋼太郎と、高橋洋の方が見所満載で、平幹二朗よりも観方によってはオイシイ役柄、リア王よりもとっつき易い。
蜷川シェイクスピア三作目な俺的には、吉田鋼太郎と、高橋洋が存分に楽しめた今回で、二人のファンになってしまいそうです。
吉田鋼太郎は、平幹二朗に引けをとらない強烈な存在感。
4月に初めて蜷川シェイクスピア以外の舞台、『MIDSUMMER CAROLガマ王子vsザリガニ魔人』を観ますが、今から楽しみで仕方がないです。
高橋洋は、前作のイアゴーとは真逆な善人役で演技の幅の広さに見入った。
イアゴーも人前では基本的に善人のフリしてたんだし、広くて当たり前っちゃ当たり前だけど、今回は気のふれた物乞いから貴族まで一粒で何度もオイシイ広い役回り。
他にも良い俳優さん達は居たけど、今回の舞台はこの三人のパワーに圧倒された印象でした。
今週末の『ペテン師と詐欺師』以降の予定は、前回の『ベガーズ・オペラ』の末尾に書いた通り。
加えて今日、羽野晶紀復帰作(宮本信子主演だけど羽野晶紀目当て)『王様とおばさん』の5列目のチケットが取れてホクホクですw