『明日へのチケット』で、長距離列車ですれ違う人々の織成すドラマに感動したのが先週。
その映画を監督した三人の監督の一人、ケン・ローチが監督をしてカンヌでパルムドールを獲得した作品『麦の穂をゆらす風』が丁度公開されたので、早速観てきました。
★★★★
史実に基づいた形式でアイルランドの独立を夢見て戦う若者たちの姿が描かれていた。
登場する若者達については、実在した人物を基に描かれているのかどうか知らないけれど、憎しみに駆られて復讐の連鎖に巻き込まれて行く様子がとても悲しい。
みんな自由が欲しかっただけなのに。
“復讐は復讐しか生み出さない”
復讐の連鎖は無意味だというメッセージを籠めた映画は今までにもたくさん有ります。
この映画ではそこだけに留まらず、英国への復讐の連鎖から抜け出せなくなった無間地獄とも言えるアイルランド人の葛藤が自国内へ向けられたところから悲しみの連鎖へと移行する。
彼らの口から“IRA”という言葉を聞いた時、悲しみの連鎖は今も終結していないんだとゾッとした。
主演のキリアン・マーフィは、やっぱり狂気に満ちた表情が上手い。
帽子似合わないし、女走りだけど。
ネタバレ
「自由を願う同胞を殺すのか!?」
「アイルランド自由国の意思だ」
自由国とは何なのか。勝ち取ったものはいったい何だったのか。
矛盾に満ちた自由国軍兵士の台詞と共に泥沼の内紛へと歴史は進展して行く。
流れるように描かれた本作の中で、デミアンが友人を処刑する場面と、最後の決断をする場面は涙無くしては観れなかった。
間違っているのはテディなのかデミアンなのか。
どちらも間違っているのは分かりきっているけど…。
その映画を監督した三人の監督の一人、ケン・ローチが監督をしてカンヌでパルムドールを獲得した作品『麦の穂をゆらす風』が丁度公開されたので、早速観てきました。
★★★★
史実に基づいた形式でアイルランドの独立を夢見て戦う若者たちの姿が描かれていた。
登場する若者達については、実在した人物を基に描かれているのかどうか知らないけれど、憎しみに駆られて復讐の連鎖に巻き込まれて行く様子がとても悲しい。
みんな自由が欲しかっただけなのに。
“復讐は復讐しか生み出さない”
復讐の連鎖は無意味だというメッセージを籠めた映画は今までにもたくさん有ります。
この映画ではそこだけに留まらず、英国への復讐の連鎖から抜け出せなくなった無間地獄とも言えるアイルランド人の葛藤が自国内へ向けられたところから悲しみの連鎖へと移行する。
彼らの口から“IRA”という言葉を聞いた時、悲しみの連鎖は今も終結していないんだとゾッとした。
主演のキリアン・マーフィは、やっぱり狂気に満ちた表情が上手い。
帽子似合わないし、女走りだけど。
ネタバレ
「自由を願う同胞を殺すのか!?」
「アイルランド自由国の意思だ」
自由国とは何なのか。勝ち取ったものはいったい何だったのか。
矛盾に満ちた自由国軍兵士の台詞と共に泥沼の内紛へと歴史は進展して行く。
流れるように描かれた本作の中で、デミアンが友人を処刑する場面と、最後の決断をする場面は涙無くしては観れなかった。
間違っているのはテディなのかデミアンなのか。
どちらも間違っているのは分かりきっているけど…。
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こちらからのTB届いてますでしょうか。
テディとデミアン、どっちが正しいのだろう?
わたしなら、どちら側なんだろう?
条約について、議論する場面で自分に問いかけました。
「その場にいなければわからない」が答えでした。
あの戦闘を潜り抜け、仲間や周囲の人の死に直面し、あるいは信念に基いて手を下した人であれば、
彼らのような選択をせずにはいられないのでしょう。
そんな時代に生きた人たちがたくさん居て、
それは今も地球のどこかで起こっていることなのですね。
問題なく届いていますよー。
いろいろ有って認証制にしてご迷惑おかけしております。
敗者の側に回って歴史から悪というレッテルを貼られない、絶対に自分達の意思を貫くんだと言うデミアンの信念が感じられたのと同時に、手に入れた僅かな自由という明日への希望を絶たせてなるものかというテディの意思が重く伝わってきました。
でも、どちらも自分自身を許せない気持ちでいっぱいになっていたんでしょうね。
だからこそ悲しくて切なかった。
こんな風にスパイラルから抜け出すのは簡単じゃないからこそ、一度起きた紛争は長く心に闇を残すんでしょうね。
平和ボケして敵国なんていう発想の無いノンキな日本人な私にはとても心に響く映画でした。
こういう映画は、もっと広く認識されるべき。
デミアンが「何のための闘いか、その意味がやっとわかった」といっていたけれど、どうしても分からない。
戦争って、どんな理屈も通らない非人間的なものだということを思い知らされる作品でした。
いろいろと考えさせられる映画で、もっと多くの人が
観るべき作品という思いでいます。
きっと、こうして表立って語られることの無い悲劇が人類の歴史の中には星の数ほどたくさん有って、今もこんな悲劇が世界中で生まれつづけていて。
そんな事とは全く接点を持たない私たちは、ただ映画でその事を知ってあくまで他人事として悲しみを感じる訳ですが、そこから何をするかという一歩踏み込んだところまではなかなか進めませんねぇ(涙
ただ、おっしゃるようにみんながこういう映画を観て、悲劇が生まれない世界になるよう考え方を正すようになれば良いなぁ…。
デミアンは、医者になるべきだったかも。医者になって、地位と名声と権力を手に入れて、イギリス国内で、発言力を持つようになった方が、アイルランドのためになったかもしれない…なんて思ってみましたが、現実、あの状態を目の当たりにしたら、若い心がどちらへ傾くかは、わかりきっていますね。いけない…と思いつつ、今の日本(平和ボケといわれても)で良かったなぁ、と。最近、また、きな臭いですけど、酷いことになる前に消滅する予定なので。<無責任
消滅って?!
この映画はいろいろ考えさせられる物も有ったし、紛争が耐えない世の中もなんとかならないかなぁといろいろ考えさせられたんですが、所詮やっぱ外国の関係無い話なんですよね。
今の日本に住んでいる限りは。
でも『硫黄島からの手紙』を観てから、この映画に対する考え方も一歩踏み込んだ感覚で捕らえられるようになった気がします。
デミアン、列車に乗っていて欲しかった。