住職の独り言

~ご縁に触れて~

『父さん 母さん 来たよ』

2021年02月03日 | 独り言

【メッセージ文について】

 10年あまり前、大ヒットした『千の風になって』に、「わたしは、お墓の中にはいません」という歌詞がありました。

浄土真宗の信仰に篤かった庄松(しょうま)さんのエピソードにも「わしゃ、墓の下にはおらんぞ」と言ったそうです(『庄松ありのまま記』)。

 一見ほとんど同じですが、内実はかなり異なります。

風になったり星になったりという自然現象と、浄土(じょうど)に往生(おうじょう)するから墓にはいないというのとは、本質的に違います。

 ポスター写真は、亡き両親に思いをはせてお墓参りをしている場面ですが、真宗念仏者としてのお墓参りは、墓の下の遺骨に手を合わせているのではありません。愛しい両親への思慕を通して「南無阿弥陀仏(なもあみだぶつ)」のご本尊に合掌し、お念仏申しているのです。

そして、称える念仏を通して、南無阿弥陀仏に出遇わせていただいているのです。

だからこそ、阿弥陀さまは、「よく来てくれたね」と微笑(ほほえ)まれ、亡き両親も、お浄土に往生され、み仏となられていますから、私たちがお念仏申す身になることを、一番喜んでくださっているのです。
(西本願寺)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする