ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや訪問カウンセリングなどをやっています。

ボラス(館直彦監訳)『太陽が破裂するとき-統合失調症の謎』2017・創元社

2024年04月22日 | 精神分析に学ぶ

 2017年のブログです

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 ボラスさんの『太陽が破裂するとき-統合失調症の謎』(舘直彦監訳・2017・創元社)を読みました。

 楽しみにしていた本で、すごくわくわくしながら読みました。

 ボラスさんはアメリカの精神分析家で、じーじもこれまでに何冊かの本を読んでいます。

 『精神分析という経験』(2004・岩崎学術出版社)という本はとてもいい本ですし、『終わりのない質問』(2011・誠信書房)もすごい本です(いずれもブログに感想文を書いていますので、よろしかったら読んでみてください)。

 今回の本は、統合失調症の患者さんへの精神分析的アプローチについて、多くの事例をもとにていねいに論じている本で、表題の、太陽が破裂するとき、はある患者さんの言葉です。

 内容は、事例が中心ですので読みやすいのですが、中味を理解するのはなかなかたいへんです。

 少なくとも、数回、自分の経験などとも照らし合わせながら読み深めていかないと、理解できないのではないかと思います。

 それでも、今回、勉強になったことは、まずは、患者さんの論理構造、思考構造をていねいになぞることの大切さ。

 なぞる、というと、精神療法家の下坂幸三さんの、言葉ですが、同じような細やかでていねいな作業をされているような印象を受けました。

 そういえば、下坂さんも精神分析の勉強から精神療法に入られたかたです。

 何か共通点があるのかもしれません。

 ボラスさんのなぞりはかなり徹底的で、そこに精神分析的な手法や考えが使われます。

 患者さんの一見支離滅裂な言葉から、つながりを見つけ出すその技はすごいですし、感動的です。

 そして、そういう作業を患者さんと一緒にやっていくことが、精神分析の、もの想い、につながり、情緒的体験を可能にするといいます。

 ここまでくると、もう完全に精神分析の世界になりそうです。

 なかなかたいへんな作業ですが、じーじも少しずつでも勉強し、努力をしていきたいと思いました。     (2017 記)

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 2019年春の追記です

 「精神分析研究」63巻1号に東中園聡さんが本書の書評を書かれています。

 さすが東中園さん、というすばらしい文章で、読み応えがあります。

 じーじがよく理解できていなかったところもわかりやすく説明されていて、勉強になります。

 こんなふうな文章が書けるようになりたいなあ、と思いました。

 まだまだ勉強を深めていく必要があります。     (2019.  4 記)

 

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朝ドラ「虎に翼」を観て-じーじのじいじ日記(2024.4.22)

2024年04月22日 | じいじ日記を書く

 2024年4月22日の日記です

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 朝ドラ「虎に翼」を観る。

 じーじは朝ドラはあまり観ないほうだが、今回は裁判所が舞台なので、観ている。

 主人公の寅子さんが元気いっぱいでいい。

 寅子さんのモデルは三淵嘉子さん。

 女性初の弁護士で、後に裁判官になり、さらには、女性初の裁判所長になったという方だ。

 じつは、じーじが50年くらい前に浦和の家庭裁判所(今のさいたま家裁ですね)に採用になった時の所長さんが三淵さん。

 びっくり、ぽん!だ(古いなあ)。

 三淵さんから採用辞令をいただいたはずなのだが、全然記憶がない(三淵さん、ごめんなさい)。

 じーじが緊張していて、記憶がないのかもしれない(じーじにもそういう時代があったんだなあー)。

 当時は、そんなにすごい経歴の方とはまったく知らずに、おばさんの裁判官が所長さんなんだ、と思っていた(三淵さん、再びごめんなさい)。

 三淵さんとはあまりお話をする機会はなかったが(なにせ所長さんですからね)、一回だけ、仕事をご一緒させていただいたことがあった。

 窃盗(たぶん)をして鑑別所に収容された少年の審判事件。

 当時、新米調査官補だったじーじが、少年自身や保護者から話を聞いて書いた拙い報告書をもとに、三淵さんが審判をされた。

 豊かな経験を活かされての、テンポのいい、厳しくも、優しい審判だったことを覚えている。

 少年が鑑別所に収容されて反省が深まっていたこともあって、少年院送致にはならずに、保護観察という在宅処遇となり、じーじもほっとした。

 少年非行はなかなか難しい問題で、単なる同情や叱責では解決できず、専門的な訓練が必要だが、裁判官もたいへんだと思う。

 三淵さんの経験はすばらしいものがあるし、じーじももう少しだけがんばりたい。

 毎朝のドラマから元気をいただいて、いい一日を過ごしたいと思う。    (2024.4 記)

 

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