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逢坂剛『十字路に立つ女』1992・講談社文庫-私立探偵岡坂神策が活躍するハードボイルド小説です

2024年02月04日 | 小説を読む

 2021年2月のブログです

     *

 逢坂剛さんの『十字路に立つ女』(1992・講談社文庫)をかなり久しぶりに読みました。

 すごく面白かったです。

 逢坂さんの小説の紹介は初めてかもしれません。

 実はじーじは昔から逢坂さんのかなりのファンなのですが、年末から読んでいた哲学者の木田元さんがやはり逢坂さんのファンということで、ここのところ、逢坂さんの小説を読み返しています。

 逢坂さんの小説はエンターテインメントで、とても面白いので、熱中してしまうところが玉に瑕です。

 本書もまさにそうで、一日で一気に読んでしまいました(もったいない、もったいない)。

 あらすじは例によってあえて書きませんが、地上げや腎移植、薬物中毒などの問題が、私立探偵というか、スペイン研究家というか、何でも屋の主人公である岡坂神策の周りで進行します。

 今回はスペイン研究の女子学者さんとの恋愛模様もサービスされていて、それはそれは面白い物語が展開します。

 もっとも、中年男子の主人公のこと、周囲の人々の哀しみにも立ち会うことが多く、なかなか切ない場面も多くあります。

 そう、これはかなりおとなの物語です。

 若い人はあと10年くらいしてから読むと、このよさが味わえるかもしれません(?)。

 いずれにしても、なかなか凝った、しかし、いい小説です。

 生きづらくで、モヤモヤしているような時には、とてもいい刺激剤になりそうです。   (2021.2 記)

 


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