ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや訪問カウンセリングなどをやっています。

谷川俊太郎ほか編『臨床家河合隼雄』2009・岩波書店-河合隼雄さんの思い出を語る

2024年09月22日 | ユング心理学に学ぶ

 2011年のブログです

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 ここのところ、なんとなく元気が出なかったので、『臨床家河合隼雄』(2009・岩波書店)をまた読んでみました。

 元気が出ました!

 河合さんに教育分析を受けた方々の体験談を読むと、河合さんの厳しさと優しさと温かさがじんわりとこちらの心にも伝わってきます。

 今回は特に皆藤章さんの文章が心にしみました。

 だいぶ元気が出ました。

 また、谷川俊太郎さんと山田馨さん(編集者)の対談を読むと、いたずらっ子のような河合さんの姿とだぶって、『泣き虫ハァちゃん』(2010・新潮文庫)の河合さんが目に浮かんできて、思わずじーじも涙が出てしまいました。

 河合さんの自然体の姿がいいなあと思いました。

 かなり元気が出てきました。

 さらに、遅まきながら、今回、気づいたのは、河合さんが「悪」の問題を相当深く考えておられたようだということ、晩年、チベット仏教の修行をしたいと話されていたということでした。

 あんなに大家になられても、なお向上心を持ち続けるすごさに圧倒されました。

 自分も頑張らねばと、意欲が湧いてきました。

 涙あり、笑いあり、厳しさありで、久しぶりに襟を正された一冊でした。       (2011.8 記)

 

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村上春樹『シドニー!』(①コアラ純情篇・②ワラビー熱血篇)2004・文春文庫-村上さんのシドニー五輪観戦記

2024年09月22日 | 村上春樹を読む

 2021年8月のブログです

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 村上春樹さんの『シドニー!』①コアラ純情篇・②ワラビー熱血篇(2004・文春文庫)を久しぶりに読みました。15年ぶりくらいです。

 文字通り、村上さんのシドニー五輪観戦記。

 雑誌「ナンバー」の依頼原稿とのことです。

 しかし、村上さんのこと(?)、オリンピックなんてちっとも好きじゃないんだ、とおっしゃいます。

 事実、開会式は途中で退席します。

 すごい観戦記(?)です。

 いいなあ、自由で。

 村上さんは、最近のオリンピックの商業主義やメダル至上主義に反対をします。

 選手のことを考えない開会式や閉会式を批判します(村上さんは他の本でも、市民マラソン大会での来賓の長い挨拶が選手のことを考慮していないと参加者の立場から批判をしています)。

 一方、たまたま観戦したゲームで、一所懸命にプレーをする選手たちに感動をします。

 そして、村上さんの真骨頂ですが、オーストラリアの先住民であるアボリジニの選手の苦悩を描きます。

 ここは感動的で、しかし、なかなか読むことも苦しいドキュメンタリーです。

 合間のオーストラリアの風景描写は楽しいです。

 なかなかいい国みたいです(もちろんアボリジニの問題をはじめとして表と裏があるのですが…)。

 今回の東京五輪を振り返ってみても、考えることの多い本です。       (2021.8 記)

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 2024年9月の追記です

 じーじは今年のパリ五輪もテレビをほとんど見ませんでした。

 なんだかわけのわからない競技が増えて面白くありませんし、たしかに商業主義が見え隠れしています。

 金メダルの数が増えても、感動がないです。

 選手の頑張りはすごいと思いますが、それは選手をほめればいいのであって、国家がすごいわけでもないでしょう。

 もっと純粋にスポーツのすばらしさを楽しみたいと思います。      (2024.9 記)

 

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