ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや訪問カウンセリングなどをやっています。

河合隼雄『カウンセリングの実際』2009・岩波現代文庫-河合隼雄さんのカウンセリングに学ぶ

2024年09月29日 | ユング心理学に学ぶ

 2011年のブログです

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 河合隼雄さんの『カウンセリングの実際』(2009・岩波現代文庫)を再読しました。

 引越しのドサクサなどで原本の『カウンセリングの実際問題』(1970年・誠信書房)が行方不明となっていましたが、文庫本で再読できました。

 この本は、娘が大学生の時、カウンセリングのレポートの参考文献に図書館から借りてきて、なかなかいいセンスをしているなと感心をしたことがありました(その娘も結婚し、孫が生まれ、今ではじーじはじいじと呼ばれています)。

 前置きが長くなりましたが、今読んでもとてもいい本です。

 息子さんの河合俊雄さんが解説で書いておられますが、若い時の河合さんの体当たりのカウンセリングの詳細がわかりますし(ここまでするのかという驚きもあります)、受容するためには理解しなければならないという言葉など、最近の議論を先取りして考察している鋭い部分もありました。

 これからも大切な一冊になると思われる河合さんのすばらしい本だと思いました。          (2011.7 記)

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 2023年2月の追記です

 娘が大学生の時、河合さんの本を借りてきたのですが、カウンセリングのレポートをなかなか書けずに苦戦をしていたので、じーじがワープロで、こんな感じで書くといいんじゃない?と下書きをしてみました。

 すると、娘はなんと、その下書きをまったく書き直しもせずにそのまま提出してしまいました(もう時効だと思うので、大学の先生がた、お許しください)。

 幸い、D評価ではなかったのでなんとか面目がたちましたが、あぶない瞬間でした(?)。 

 よい子のみなさん、宿題は自分でやりましょうね。           (2023.2 記)

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 2024年3月の追記です

 じーじの孫娘たちは宿題の作文が苦手で、じーじの家に来ると、いつもママと苦戦しています。

 じーじが、あんなことやこんなことをああいうふうに、こういうふうに書けばいいんじゃないかい、と話しても、うーん?、とうなっています。

 やっぱり下書きをしないとだめなのかなあ(?)。     (2024.3 記)

 

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南木佳士『海へ』2004・文春文庫-山国暮らしの内科医と海沿いの街で暮らす親友の物語です

2024年09月29日 | 小説を読む

 2023年8月のブログです

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 南木佳士さんの『海へ』(2004・文春文庫)を旭川の古本屋さんで見つける。

 今年の旭川では、古本屋さんめぐりばかりをしていて、そうすると一期一会というと大げさだが、読みたい本に時々出会う。

 そんな貴重な古本が1冊110円で買えてしまうので、年金暮らしのじーじにはありがたい。

 もっとも、売る時はとっても安くてかなしくなるが…。

 南木さんの『海へ』は、昔、なんとなく読んだような気もするのだが、記憶があまりはっきりしていないので、読んでみた。

 読んでみたが、過去に読んだことがあるのか、それでもはっきりしない(?)。

 困ったものだ(こういう時に旅先だと本棚を確認できないのがつらい。じーじのばあい、確認しても見つかるとは限らないが…)。

 しかし、フロイトさんによれば、大切な夢は何度も見るから心配ない、という。

 ならば、読書も同じで、大切な本は何回でも読めるから心配ないのだろうと思う(じーじの新説?)。

 さて、本書、死者を看取りすぎて鬱病になった内科医が、学生時代の親友の誘いで海辺の町に遊びにいく物語。

 山国暮らしの内科医が、海暮らしの親友を訪ねるが、それぞれに抱えた問題があり、生きることの辛さや哀しさに出会う。

 なかなか辛い出会いが多いが、過去も現在も良質の物語が描かれる。

 物語の基調はあいかわらず暗いが、底のほうに少しだけユーモアが出てきている感じがする。

 単行本は22年前の本。

 南木さんも、少しだけ明かりが見えてきた時期だったのかもしれない。       (2023.8 記)

 

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