ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや訪問カウンセリングなどをやっています。

袴田事件再審無罪と兵庫県知事失職のニュースを見て思ったこと-じーじのじいじ日記(2024.9.26)

2024年09月26日 | じいじ日記を書く

 2024年9月26日の日記です

     *

 夕方のニュースを見る。

 袴田さんの再審裁判、無罪。

 良かった。

 裁判所が捜査機関の捏造3件を認定する。

 裁判所の冷静な勇気に感動するとともに、捜査機関のメンツを保とうとする姿勢に醜さを感じ、さらに、国家権力の怖さを実感する。

 今後、可能な限り、警察、検察の責任を追及し、きちんと処罰をしてほしい。

 一方、兵庫県知事。

 失職を選択し、出直し選挙に立候補するという。

 辞職は頭にないといい、道義的責任も否定する。

 しかし、県職員が自殺をしており、その原因は明らかに県知事にあるのではないか。

 公益通報に当たらないと強弁するが、職権乱用の責任は逃れられないだろう。

 マスコミも知事の言い逃れをだらだらと放送するだけで、責任追及ができていない。

 子どもたちがこういうニュースを見て、言い訳を上手にすれば、この世の中はなんとかなると誤解するのが怖い。

 勉強だけができて、公務員として出世しても、人の痛みがわからない人間ではだめだ。

 頭がいいだけの自己愛おぼちゃまだ。

 知事の資格はないと思う。

 せっかくのビールをおいしくいただけるようなニュースをマスコミにはお願いしたい。     (2024.9 記)

 

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小倉清『子どもの臨床-小倉清著作集1』2006・岩崎学術出版社-子どもの精神科医のていねいな面接に学ぶ

2024年09月26日 | 子どもの臨床に学ぶ

 たぶん2015年ころのブログです

     *    

 小倉清さんの『子どもの臨床-小倉清著作集1』(2006・岩崎学術出版社)を再読しました。

 この本も前に何回か読んでいますが、今回はたぶん5年ぶりくらいです。

 いつものことながら(?)、多少の記憶はあったのですが、内容をほとんど忘れていて、時々、アンダ-ラインのところや付箋のところに出合うと、懐かしさを覚えながらも、また新鮮な気持ちになって読ませてもらいました。

 論文集なので、いつもの「熱い」小倉さんが、それを内に秘めながらも、冷静に論述しているところが印象的です。

 巻頭論文は精神分析学会の学会賞受賞記念講演の論文。

 しかし、臨床現場第一主義の小倉さんらしく、ほとんどを事例のお話で通しているところがすごいなと思いました。

 論文はいずれもていねいな面接風景の描写とそれへの具体的な治療者・患者関係の考察で、とても勉強になります。

 そしてここでも治療者が生き残ることというテーマが出てきました。

 統合失調症の治療の例で、その困難さとそこで治療者が何があっても生き残ることの治療的重要さを強調されています。

 ふだん精神科デイケアでボランティアをさせていただいていて、少しずつ感じたり、考えたりしていることに、理論的なバックボーンを与えていただいている感じで、とても力になりました。

 今後もていねいに読み込んでいきたいなと思いました。            (2015?記)

     *   

 2018年の追記です

 去年秋の精神分析学会で、久しぶりに小倉さんのお姿を拝見しました。

 とてもお元気そうで、司会までされていました。

 最近は母子のデイケアで活動をされているそうで、その成果を学べる日も近そうです。

 そこからいろいろと深く学べることを楽しみにして、日々の勉強や生活を頑張りたいと思います。             (2018.10 記)

 

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新井満『尋ね人の時間』1991・文春文庫-おとなの哀しみと父娘の面会交流を描く

2024年09月26日 | 小説を読む

 2020年9月のブログです

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 本棚を眺めていたら、読んで、読んで、と言っている本があった、ような気がして、新井満さんの『尋ね人の時間』(1991・文春文庫)を読む。

 新井さんは新潟市出身の作詞家で、小説家。

 今は北海道に住んでいるらしい(なんだか身近な感じ)。

 『尋ね人の時間』は1988年の芥川賞受賞作。

 おそらく20数年ぶりに読んだが、例によって、当然、あらすじも忘れていて、新刊同様に読む。

 これがなかなかいい。

 落ちついたおとなの小説という感じ。

 びっくりしたのだが(一度読んでいて、びっくりした、もないが)、離婚で別れた小学生の娘との面会交流の場面が出てくる。

 面会交流の場面が出てくる小説としては、かなり早いほうではないだろうか。

 父娘の派手ではないが、しんみりとした交流がとてもいい。

 小説全体もおとなの哀しさがよく描けていて、いいと思う。

 新井さんの他の小説も読みたくなったが、見つけ出せるかどうか。

 こちらも年末までのお楽しみかもしれない。          (2020.9 記)

 

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