ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

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伊坂幸太郎『砂漠』2017・実業之日本社文庫-伊坂ワールド全開の学生小説です!

2024年09月20日 | 小説を読む

 2022年8月のブログです

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 伊坂幸太郎『砂漠』(2017・実業之日本社文庫)を旭川の古本屋さんで買って読む。

 だいぶ前に単行本で読んだ記憶がうっすらとあったが、中身を忘れてしまっていて、旅先で本棚の確認もできず(かりに確認をしても見つけられるともかぎらず…)、古本のわりに少し高かったがつい買ってしまう(うちの奥さんには内緒)。

 これがいい小説。

 伊坂ワールド全開だ。

 例によって、あらすじは書かないが、盛岡から仙台の大学の法学部に進学した真面目な主人公が、友人とのつきあいの中でいろいろな経験をして、こころの幅を広げていくさまが、ユーモラスに描かれていて心地よい。

 もちろん、楽しいだけでなく、たくさんの哀しみや憤り、怒りなども丁寧に描かれていて、青春の苦しさも感じられる。

 真面目で少し堅苦しい主人公と好対照なのが、理屈より行動を重視する友人の西嶋。

 一見、はちゃめちゃな理屈と行動で回りを驚かすが、一本筋が通っていて、気持ちよい。

 彼らが、友人づきあいの中で、お互いに影響を与え合っていく様子は、読んでいてうらやましくなるような関係だ。

 西嶋が高校生の時に出会う家裁調査官は、『チルドレン』の陣内調査官を彷彿させるいい味の調査官。こういう調査官が増えてほしい。

 真面目だけではない、いろんな隠し味が散りばめられていて、それを味わうのも楽しい。

 旅先の木陰で、とても心地のよい物語を楽しめた。       (2022.8 記)

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 2024年9月の追記です

 その後、我が家の本箱周辺を捜索したところ、なんと本棚の横に単行本の『沙漠』を発見!

 じーじは単行本はほとんど買わないのだけれど、どうしたのだろう?

 当然、うちの奥さんには内緒!       (2024.9 記)

 


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