たぶん2016年ころのブログです
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小倉清さんの『子どもの精神科医50年』(2012・論創社)を再読しました。
2012年11月のブログでもご紹介させてもらっていますが、かなり久しぶりです。
じーじの場合、なぜかいい本は4~5年ごとに読みたくなるようです。
前回もふれていますが、とにかく「熱い」です。
その「熱さ」は本当にすごいです。
熱いことで有名な山中康裕さんもびっくりかもしれません(山中さん、ごめんなさい)。
特に、医学生時代の「熱さ」のエピソードは痛快です。
こういう情熱があるからこそ、すばらしい実践ができるのかもしれません。
今回、勉強になったのは、ひとつは、現場でのやりとりをていねいに検討することの大切さということ。
じーじも2カ月に一回、新潟の研究会で事例をていねいに検討させてもらっていますが、ひとつの事例を深く検討するということは、本当の意味でエヴィデンスを高めることにつながるような気がします。
もうひとつ勉強になったのは、現在の認識が変われば過去の認識や事実が変わる、ということ。
心理臨床の実践の現場では時々出会う現象ですが、現在の時点での認識の変化によって、過去についての認識だけでなく、過去の記憶や過去の物語、あるいは、過去の事実そのものが変わるという不思議な現象が確かにあるような気がします。
フロイトさんのいう事後性ということはこのことかな、と少しだけわかるような気もします。
今後もていねいな臨床でクライエントさんにより添いたいと思いました。 (2016?記)