長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

節電してますか? 第9使徒マトリエル涙のどさくさ戦 ~あら、停電!~

2011年08月27日 23時29分27秒 | エヴァンゲリオン使徒大行進
 どうむォ~い! そうだいでございまーっす。
 だいぶ過ごしやすくなってまいりましたねぇ。日中は天気がよくてもそんなに酷暑という感じでもなくなってきたし、夜はもう扇風機もいらないってくらいですし。
 やっぱり、今年の夏はそんなに暑くなかったのかなぁ。死ぬほど暑いって日もあるにはあったんですけど、その期間が短かったということなんすかねぇ。さすがにこれからあんな真夏日が戻ってくることもなさそうにない……かな?

 気がつきゃもう8月もおしまいでございますよ~。今年の夏もそろそろって流れですが、まぁまぁ楽しむことができました。体感はあっと言う間でしたけど味わった味わった。

 え? 悔い? そりゃもう、ありまくりでございますよォ~!! あれもやりたかったしこれもやりたかった。
 そりゃあそうです。人間は悔いが残るからこそ明日も生きていける。少なくとも私の人生は悔いの積み重ねだけがエネルギーの源になっとります。
 そもそも「後悔」っていう言葉が文字通り「後ろめたい」感じがするだけであってね、わざわざ「後」って言葉をたしてるくらいなんですから、人間は基本スタイルは「前むき」なんですよ。
 いいじゃないですかぁ、後悔。生きてるから後悔できるんですからね。それで後悔してることに後悔してくるっと前に向きなおったらまた前進開始! この動きによって自分の周囲360°を確認することができるわけなのです。これは便利だわ!

 ……ま、要するにですね、今、私の嗅覚は確実に「秋のかおり」をかぎとっておりまして、これがも~んのすごくセンチメンタルを誘発するにおいなんですよ。それだけ!

なァ~つゥの おォ~わぁーりィ~
なァ~つゥの おォ~わぁーりィ~ぃにはァ

 って感じ。あーさみしい。

 あの、森山直太朗さんって、この部分を唄う時に「なァ~つゥの フゥ~わぁーりィ~」って唄ってるように聴こえません? そこのあなた。
 私、いっつもそういうふうに聴こえるんで、ここで必ず、真夏に汗だくで腑割り(遺体解剖)をやっている杉田玄白先生の姿が頭に浮かぶんですよ。
 そういう私って、ヘンでしょうか。「ふわり」と「腑割り」って、音がおんなじなのに字ヅラの印象が天と地ほど違いますよね。


 はいっ、こういった正気を疑う独り言はここまでにしておきまして、今回も15年以上前のアニメの忘れられかけたキャラクター「使徒」を検証する本題に入ってまいりましょう。はたして、こっちも正気なのかナ~!?

 その日。浅間山での第8使徒殲滅から2週間がたったある晴天の午前中。

 久しぶりの自宅休暇があけてエヴァンゲリオン0号機の稼働延長試験のために第3新東京市・地下ジオフロントのネルフ本部に向かうネルフ主要スタッフ3名の出勤風景から物語は始まります。
 とはいえ、画面にうつる限りの市内の風景は早朝らしい雰囲気もなく、ただでさえ人口の少なそうな市内も特に人通りがない印象になっていて、彼ら彼女ら(エヴァンゲリオン計画の開発主任とオペレーター)の出勤がサラリーマンの常識でいうほどの「朝」でないことは見てとれます。

 また、ネルフ本部に向かうまでの「どこかの地下鉄」の中で、一行は同じく出勤途中のネルフ副司令とハチ合わせするのですが、いろんな状況から見て「ネルフ職員専用の地下鉄」らしいこの車両でも、彼ら以外の乗車客の姿はいっさい見えないガラガラ状態なので、彼らはそれ以外のネルフ職員から見てもイレギュラーな時間帯に出勤しているという見方ができます。
 こまかくなりますが、私がその地下鉄をネルフ専用と見るポイントは、

1、軽率な印象のない副司令が声をひそめず「第3新東京市の政治はネルフのスーパーコンピュータが司っている」と語っている
 (その時、それを聞いたオペレーターが明確に驚いているため、少なくともこの事実は一般市民は知らないはず)
2、車両に乗っている副指令に会っただけで、開発主任が「出勤ですか。」と声をかけている
3、副司令がすでに制服に着替えている

 こんな感じ。どうかな~?
 全然関係ないのですが、ガラガラの車両なのに、開発主任(妙齢の女性)は副指令にたいして「2人ぶんあけた」隣の座席にすわっています。
 大人な距離感なのだろうが……私が副司令だったらその日は1日ヘコみますね。

 ついでなんで付け足しますが、もし私のもくろみ通りにこの地下鉄がネルフ専用なのだとしたら、車両内には普通の電車とまったく同じように「中吊り広告」などの企業広告が所狭しと貼ってあるので、そういった宣伝効果が期待できるほどの相当な大人数がネルフ関係者として従事しているということになります。
 また、これから出勤するというオペレーターの1人が趣味のベースギターを肩からしょっているので、ジオフロントにはネルフ職員が休憩・寝起きできる個人用の居住施設が存在していることが読みとれますね。
 ネルフ本部はそれだけでひとつの都市といってもいいような空間になっている。こういったことが、直接描写されなくてもいろんな背景や小道具からわかってくるんですから、エヴァンゲリオンの世界はホントに興味深いね~!

 さて、時間はちょっととびまして、出勤して0号機の稼働延長試験に取り組んでいる開発チームと、ちょっと遅めの出勤のためにネルフ本部のエレベーターに乗った作戦指揮官とそこに乗り合わせた2号機パイロット教育係のおじさん、そして地上から公衆電話でネルフ本部の総司令に連絡を取っている初号機パイロットの中学生男子の姿が並行して描写されます。この第9使徒登場エピソードはこういった「複数の場所でのやりとり」のバトンタッチがめまぐるしいのですが、テンポよく切り替わるので飽きのこないおもしろさがあります。

 ここで、初号機パイロットが父親であるあやしい総司令に電話をかけている最中に突然、通話がとぎれると。
 明確な描写はないのですが、これを、その日の最大の事件となる「ネルフ本部大停電」の始まりを告げる出来事であると見るのが自然な読みとり方でありましょう。大停電とはまったく関係がなくて、ただ総司令が早めに電話を切っただけ、っていう意地悪なフェイクととるのはやめておきましょうね~? そんな邪推をしたら『新世紀エヴァンゲリオン』なんかまともに観てられなくなりますから、ホント!

 で、だとすればなんですが、初号機パイロットが電話をかけていた時間が具体的にいつなのかというところが大停電発生時刻の確定の決め手となるわけなのですが、私は、これは「正午ちょっと過ぎ」なんじゃなかろうかと推測しています。
 根拠はまたしても状況証拠だけなんですけどねー。

1、初号機パイロットが「今日の学校で先生に言われたこと」を語っているため、放課後である
2、電話をかけている地上は変わらずの晴天で、特に夕方近い雰囲気はない
3、電話をかけている最中、初号機パイロットの周辺に同行しているような人物はいない
4、電話シーンの直後、学校からネルフ本部に向かう初号機パイロットは同級生の0・2号機パイロットと一緒に行動している
5、「3、」の時に、同じ学校を出発して同じネルフ本部に行くはずの0・2号機パイロットが離れて何をしていたのかを類推するのならば、「各自で食事をとっていた」と考えるのが比較的もっとも自然
 (「2人とも先生の呼び出しをくらっていた」や「連れトイレをしていた」は、2人の知性や仲から見てちょっと……)
6、したがってその日、3人の通った学校は食事をとる時間の前の午前中に授業が終わっている。つまり、初号機パイロットが電話をかけていたのは昼食どきの正午付近

 どぉ~かな~? なんかすぐにこわれそうなあぶなっかしい論理なんすけどね、証拠ねぇんだもの。
 とにかく、「0号機の試験中」という状況にもあっているので、大停電、ならびにその直後に起きた「第9使徒マトリエルの出現」という2大事件は正午過ぎに立て続けに発生したとみて特に無理はないでしょう。

 その日に発生したネルフ本部の大停電は、旧回線の電源(本部全体の電力のわずか1.2%!)を残してすべて、「正・副・予備」の3系統がそろって同時に停電するという異常な規模のもので、総司令・副司令・開発主任といったネルフ上層部の面々はかなり早い段階でこれが単なる事故でなく「人為的に引き起こされたテロ」であると予想しています。確かに2015年じゃない2011年現在でも、こんなムチャクチャな停電が大災害以外のアクシデントで発生することはちょっと考えられませんね。
 それに続けて、彼らはテロの目的を「停電の復旧ルートからネルフ本部の電気系統を把握するため」とし、犯人を「ネルフに悪意をいだいている組織が本部に潜入させたスパイ」だとも想定しました。
 「ネルフに悪意をいだいている組織」といえば、まっさきに浮かぶのは、ネルフの治外法権的な実力行使や飛び抜けた科学力にたびたび先を越され、約2ヶ月前に発生した「ジェット・アローン暴走事件」で顔に泥を塗られるかたちになってしまった日本政府(当時の首都は長野・松代の第2新東京市)ですよね。

 ついでにその話を続けていくと、最終的に総司令・副司令・開発主任の3人はなにかと行動の怪しい2号機パイロット教育係のおじさんがスパイなんじゃないかと目星をつけるのですが、そのおじさんは大停電の時間にはエレベーターの中で作戦指揮官と一緒にいたためにいちおうのアリバイはあることになります。
 このへんの経緯は実におもしろい伏線となりかけていたのですが、後半にいくにつれて物語が他の謎でゴッチャゴチャになってしまい、犯人と目された当のおじさんがああいった形での退場となってしまったため、「ネルフ大停電事件」の真相は実にモヤッとした感じで闇に葬り去られてしまいました。
 まぁ、ネルフ本部は最後にあんな末路をたどっているので、大停電の犯人はやっぱりネルフ上層部の読み通りだったということになるのですが、もうちょっと気持ちよく大停電のエピソードがきいてくるつながり方もあったんじゃないかと。それが実に残念!

 残念といえば、総司令以下の3人がはなっから大停電を「使徒のしわざ」と考えていないことも残念ですね。使徒もみくびられたもんだ……

 ただ、副司令は「大停電の最中に使徒が襲撃してきたら大変だ。」とボヤいていたのですが、その不安はまさに的中することになってしまいます。

 大停電発生の直後、旧東京都・府中の自衛隊「総括総隊司令部」は基地レーダーにより、伊豆半島東沖20キロの海中から熱海方面をめざして潜航してくる謎の巨大物体の存在を確認することとなります。

 これは……使徒!? だとすれば、第7使徒イスラフェル以来およそ1ヶ月ぶりに第3新東京市が危機に!

 どうなる、どうなる~?

 ということで! 地下のネルフ本部はまっくらのまんま、次回につ・づ・く~。
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節電してますか? 第9使徒マトリエル涙のどさくさ戦 ~停電前~

2011年08月26日 22時23分28秒 | エヴァンゲリオン使徒大行進
 イエーイ、ザンザン降りだぜ~!! どうもこんばんは、そうだいでございます。
 いやぁ、私の町は日が暮れるあたりから空が泣き出してきたんですが、もうとてつもない大号泣! 一時は仕事場の浸水さえもおそれてしまう勢いでした。「バケツをひっくり返したような」とはこのことよ。
 さすがにそういった雨量は1時間くらいしたらおさまったのですが、雨はそこからず~っとやまずにしとしと、たまにザーザーとしつっこく続いております。
 今日も午前中はいつもの炎天で、雨が降るなんて想像もつかない様子だったんですけどねェ~。じめじめはイヤですけど涼しいのはありがたいですね。

 昨日ね、また「桜木町恨道中」やってきたんですよ。ただ、まぁ今回は普通に歩いてきただけ。
 出発地点はJR川崎駅。1日平均利用者数およそ18万人! 神奈川県内では横浜駅に続いて2番目の規模を誇るビッグステーションであります。
 川崎駅から桜木町までの道のりは14キロということで、先月までの真夏っぷりを考えると、今回もそうとうな消耗戦が予想されたのですが、昨日はそんなにしんどくなかった!
 結果としては、いつもの国道15号線を14キロ、2時間半かけて歩いたのですが、けっこう涼しい風も吹いて雨も降らず、散歩に最適なひとときでしたね~。汗だくにはなりましたけど。
 もう、夏も終わりなのかしら……身をもって季節の移り変わりを感じるのはすばらしいことです。
 桜木町の映画館では今回はなにも観ず、クッキー入りジェラートだけ食べてさっさと帰ってしまいました。ホントに毎月毎月、桜木町になにしに来てんだろうか……楽しいんだから、いっか!!


 そのハイキングの途上での話なんですけどね、横浜に近づくにつれて、道沿いにあるコンビニの種類が変わってくるのがおもしろいんですよ。
 あくまで昨日歩いた国道15号線~みなとみらいのルートにかぎった話なんですが、川崎近辺はセブンイレブンやサンクスなどの看板の色が「赤系」のコンビニが多いのに、横浜圏内になるとだんだんと「青系」が多くなるのね。
 「青系」の中でもしょっちゅう出会ったのがローソンだったんですけど、ローソンは今フェアをやっているらしく、前を通るたびにオレンジ色ののぼりが目に入ってきまして。

「エヴァンゲリオン・キャンペーン 実施中」

 え? なんで今!?

 ちゃんとお店に入って内容を確認したわけじゃあないんですけど、たぶんいつもの、いっぱい買い物をしてポイントを集めて応募したらオリジナルエヴァグッズをプレゼント!みたいなものなんでしょうが。
 なぜ今なんだろうか……最初にのぼりを見たときに、

「すわ、劇場版『Q』の公開決定か!?」

 と私は勝手に色めきたったのですが、よく見たら劇場版の表記の「エ(旧字体)ヴァンゲリヲン」じゃなくって、ただの「エヴァンゲリオン」ですからね。特に映画の進行状況とは関係がないようです。
 あぁ、あれか、TV放映15周年? いや、それは去年だし、劇場版初公開15周年は来年ですからねぇ。
 まったく意味がわからない……意地悪な見方をすれば、本来今年の夏に『Q』が公開されるスケジュールだったものがのびの~びサロンシップになってしまい、仕方なくローソンと契約していたタイアップの件だけ見切り発車になってしまった、とか?
 テキトーなことを推測してますけど、まぁとにかく不可解に感じた2011年夏のエヴァンゲリオン・キャンペーンというわけでございます。

~数分後~

 えー、今ちょっとローソンのホームページを調べてみたんですが。

 今日、ついさっっきまで金曜ロードショーでやってたのね、『劇場版・破』……
 そういうことね。TVがないことをそうとう久しぶりに実感いたしました。まぁいいけどよう。

 でもさぁでもさぁ! TV放映よりももっと驚いたことがあったんですよ、キャンペーンの内容を見てみて。

 女子ばっかりじゃねぇかァ!!

 なんだよもう、フィギュアとかクリアファイルとか、なにからなにまで綾波式波イラストリアス綾波式波イラストリアスって! もっとオヤジも出せ、使徒も出せ!! そっちのニーズにも応えられる展開をしてよ~!
 「エヴァンゲリオン」って言っておきながら、TV本編に1秒も登場しない式波さんとイラストリアスを前面に押し出すのもおかしくない? いや、式波さんのように見えるグッズのようでいて実は惣流さんという驚愕のトリックがしかけられているのかも知れませんが、あの髪の毛の色は間違いなく式波さんだ。

 ダミだなぁ~。美少女キャラの人気だけで成し遂げられた偉業じゃないでしょうが。原点に戻ってみましょうよ~。
 そう、「意味ありげなあやしいオヤジたち」や「17の使徒たち」や「ジェット・アローン」のいた、あのオリジンへ!


 ということで、約4ヶ月ぶりの再始動となります、『長岡京エイリアン』老舗コーナーのひとつ、「エヴァンゲリオンに登場した使徒のすばらしさを全員もらさず検証」シリーズをやらかしちゃいま~っす。
 いやぁもう、なんてったって『新世紀エヴァンゲリオン』の物語は、地軸がズレたせいで1年中が「真夏」になってしまっている2015年の日本が舞台なんですからね。この企画を夏にやらないでどんすんのって話なんですよ。

 ずいぶんと時間があいてしまったのですが、今回はみんな大好き! 第9使徒マトリエルでございます~。
 ……おぼえてらっしゃる?


 時に、2015年。

 この第9使徒の登場は、当然ながら第8使徒サンダルフォン(の幼生)の長野県・浅間山火口内での捕獲作戦失敗~殲滅戦の次の出来事となるのですが、この2件のあいだにいかほどの時間的スパンがあいているのかは、物語の中では明らかにされていません。

 ただ、いろいろな状況証拠から類推するに、第9使徒の登板はおそらく浅間山の一件が無事落着してからだいたい「2週間後」に発生したのではないかと私は踏んでるんですね。

 まずその根拠となるのは人類側の決戦兵器たるエヴァンゲリオンの整備状況なのですが、浅間山の作戦でマグマ潜航用の「D型装備」のほどこされた2号機は、第8使徒の巻き添えをくらってマグマのもくずとなる危険があったものの、機体としての損傷はほぼない状態でネルフ本部に生還できたようなので、2号機からは特に時間の経過は読みとることができません。
 ここでポイントとなるのは0・初号機のほうで、浅間山作戦の時はまだ「改修中」で起動に問題があったために出撃を差し控えられていた0号機が、第9使徒襲来時には他の初・2号機とほぼ遜色のないコンディションで元気に出撃できていました。
 ということは、浅間山作戦と第9使徒登場とのあいだには2~3日ではきかないタイムラグがあったことになります。

 0号機のそれまでの唯一の対使徒出撃は、第5使徒ラミエルを迎えての「第3次直上会戦」でのことだったのですが、この時の0号機は機体カラーも試験色のイエローで、ただ楯を持ってつっ立ってラミエルの渾身の加粒子砲を1発長めにくらっただけで長期療養を余儀なくされてしまうという頼りなさ。
 実際、この時に改修状態に入って第9使徒の時にやっと実戦再投入が可能になったということは、わが『長岡京エイリアン』調べから推定された物語の時間軸によれば改修に「まる2ヶ月」かかったということになります。

 しかも第9使徒がやって来たちょうどその時、第3新東京市地下・ジオフロントのネルフ本部ではその0号機の「稼働延長試験」が行われている最中でした。
 要するに、結果として起動に問題はなかったものの、この時点でのネルフ上層部は、まだまだ0号機の兵器としての運用に改善の余地があると見ていたようなんですね。

 0号機……手間がかかる子ねぇ。
 ここまで時間をかけて実績たっぷりの初号機や2号機にならべる必要があるのかどうか皆目見当がつかないのですが、まぁそこはそれ、総司令やネルフ本部にとっては思い入れの強い「最初のエヴァンゲリオン」なんでねぇ、そうむげに廃棄するわけにもいきませんやね。あたたかい目で見守ることにいたしましょう。

 いっぽう、もうひとつのポイントとなるのが残る初号機の状態で、実は前回、浅間山作戦で死にかけた2号機を「D型装備なし、すっぱだか」でマグマに飛び込んで救出した初号機が、TV本編ではきれいさっぱり省略されていたものの、2号機以上に尋常じゃない機体損傷をくらったことは間違いありません。
 行動は確かに専属パイロットらしからぬ男っぷりを見せつけてくれた初号機だったのですが、この「全身ヤケド」をまったく思わせない大活躍をしてくれた第9使徒との決戦を見るにつけて、初号機の大きな損害を完全に回復させることのできる充分な時間がこの2件のあいだには存在していた、ということになります。
 これにはやっぱり、最低1週間はかかるんじゃないっすかねぇ。

 そういった兵器としてのエヴァンゲリオンの状態に加えて、ネルフ本部のスタッフさんそれぞれのコンディションも、浅間山作戦からけっこうな時間が経過していたことを裏づける点が多いです。

 まず、会話から察するに「自宅に帰っての休暇」がそうとう久しぶりだったらしいネルフ主要職員3名の出勤前のやりとりから物語が始まるわけなのですが、ネルフ本部オペレーターの2人はまぁいいとして、「エヴァンゲリオン計画」の開発主任である博士(金髪染め)までもがネルフ本部を離れる許可を得ていたということは、第8使徒による直近の「使徒襲来」の危険性が回避されてからけっこうな時間がたっていた、ということになります。その休暇明けの出勤初日に第9使徒がやって来たわけなんですね。

 どうせだったら主要スタッフの休暇中に出現すれば良かったのでは……いや、それじゃああの「停電」に乗じることはできなかったわけでね。タイミングって難しいですね!

 最後に、浅間山作戦であやうく死ぬところだった自分を助けてくれた初号機パイロットに2号機パイロットが語った発言からも、ある程度の時間の経過は感じとることができます。

「アンタにこの前の借りを返しとかないと、気持ち悪いからね!」

 今となってみると、言ったことの内容よりも、さりげにここで2号機パイロットが「気持ち悪い」というフレーズを口走っていたということがミョ~に気になります。

 まさか、その1年半後にあんな形で「気持ち悪い」を言い直すことになろうとはねぇ……言った本人はおろか、オシャカ様も庵野総監督もこの時には予想だにしていなかったのではないでしょうか。


 長くなりましたが、こんな諸条件からかんがみまして、私は第9使徒の襲撃を浅間山作戦の「2週間後」と設定したわけなのでありました~。

 さぁ、いよいよ「その日」!
 第3新東京市では、使徒と人類とのあいだにどんな死闘が繰り広げられたのでありましょうか?

 まぁ、具体的な「死闘タイム」は5秒だったんですけどね……


 めげるなめげるな、テンションあげてこ~。つっづく~!!
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未完の大器・第8使徒サンダルフォンの悲劇 Ver.煮つけ

2011年04月05日 23時53分23秒 | エヴァンゲリオン使徒大行進
《前回までのあらすじ》
 浅間山マグマ内に潜伏していた謎の巨大物体は、やっぱり使徒だった!
 問題の第8使徒サンダルフォンがまだ覚醒していない「さなぎ」の状態であることを知ったネルフ本部は、耐熱耐圧に特化した「D型装備」をほどこしたエヴァンゲリオン2号機をマグマ内に潜行させてサンダルフォンを生け捕りにするという前代未聞の「A-17作戦」を発動させるのだが……?


 とにかく、いつサンダルフォンが孵化するかもわからない状態だったため、今回のネルフはかなり迅速に作戦の準備を整えています。
 当日、長野・群馬県境の浅間山火口付近に陣取ったのは、D型装備の2号機とそれを頂上から牽引するぶっといケーブル。2号機を冷やすために循環させる冷却液パイプもしっかりつなげられています。
 2号機のサポートにまわっているのは、頂上でもしものために待機している初号機と、さらにもしものために使徒に唯一通用する通常兵器である「N2爆雷」を山積みにして上空を旋回している複数の国連軍爆撃機。
 どうやら国連軍は、ネルフのA-17作戦が失敗した時点で、第8使徒をエヴァンゲリオンごと浅間山ごとふっ飛ばす腹づもりでいるようです。物騒ね~!

 それはそれで、国連なりの人類の未来を考えた上での判断なのだからいいんですけど、問題なのはそれをなんのオブラートにも包まずにストレートでエヴァンゲリオンのパイロット2人に教えるネルフの技術主任ですよ!

初 「(上空の爆撃機を見て)なんですか? あれ……」
2 「手伝ってくれるの?」
金 「いえ、後始末よ。」
潔 「私たちが失敗した時のね。」
2 「……どういうこと?」
金 「使徒をN2爆雷で熱処理するのよ、私たちごとね。」

 「初」と「2」はそれぞれのパイロット、「金」はしじゅう金髪染めにしている問題の技術主任、「潔」は清潔好きでとみに有名な技術主任の部下です。
 いや、これからはりきって作戦をおっぱじめようとしてる2人に言ってどうすんのよ……相手は中学生なんだぜ。うち1人は大卒だけど。
 もちろん、ウソをついたところでしょうがないというパツキン主任のドライな考え方もわかるんですけど、ここがネルフ作戦本部の重大な欠陥なんじゃないでしょうか。
 アツすぎる作戦指揮官とドライすぎる技術主任、あやしすぎる総司令と枯れすぎの副指令……なーんか、みんなへだたりがあるんだよなぁ~。もっとお互いハラをわって地球を防衛しようよ! 週末に「和民」に行ったりしてさぁ。


 そんなこんなでいささかのテンション低下をおぼえた2号機のドイツ娘なのですが、私がしっかりしなくちゃ人類の未来もないと、めげずに気を取り直して浅間山のマグマに潜行していきます。作戦開始!

 先日に投入された浅間山地震研究所の無人観測機は、深度1000メートルまでの潜行が限界だったのに1300メートルまでムリをして行ってやっとサンダルフォンを発見、自分の身と引きかえに使徒の情報をつかんで散っていきました。えらい!
 そして今回のD型2号機は、理論的には1500メートルまでへの潜行が可能になっています。これならサンダルフォンもラクに見つけられるわ。

 ……と、思われていたのですが。この前にいたはずの深度1300メートル地点に、サンダルフォンがいない!?

 動揺する作戦本部。例のパツキン主任は、「マグマ内の対流に流されてもっと深い位置に移動しているのかも知れない。」と語ります。聞いてないよ~。
 どうする? 作戦中止? いったん2号機引き上げる? 注目の作戦指揮官の決断は……
「まだ目標に接触していないわ。続けて!」
 やっぱり~!! でも、今度は人が乗ってるんだぜ!?
 しかし、そこは気丈なドイツ娘。彼女も心得たもので、
「ミサトの言うとおりよ。まだ大丈夫、いけるわ!」
 とこたえます。えらいなぁ~!

 結局、2号機が想定以上の圧力に機体をきしませながらやっとサンダルフォンのさなぎを発見したのは、深度1800メートル地点。
 あらかじめ用意していた電磁ケージ(かごみたいなやつ)で、首尾よく巨大なさなぎをとらえて上昇をはじめる2号機。このままうまくいけば作戦成功だ。

 だが、しっかし! そうは問屋がおろさなかった。
 火口まであと100メートルをきった土壇場で、なんとサンダルフォンがさなぎから孵化してしまった! いやいや、「さなぎ」なんだから「孵化」じゃなくて「羽化」か!? いや、でもどう見ても外見が「羽化」っぽくないよ!

「バブ~!!(間にあった~!!)」

 羽化したその姿は、先日に発見されたときの「人間の胎児」のような形態からは想像もつかないものに変貌していました。
 体長はだいたい100メートルといったところなんですが……う~ん、魚? でも腕がついてるぞ。
 視界がまったくきかないマグマの中、CTモニターを通して2号機が見たサンダルフォンの幼体は、まるで魚のカレイと古代生物アノマロカリスを足して2で割ったような形状。
 全体的に茶色く平べったい身体、頭部の向かって右側に2つならんでついている「眼」(のような模様)。長い2本の腕と、マグマの中でも大きく開けることのできる鋭い歯のついた丸い口。あと、頭には最新戦闘機のレーダー受信機のような太く短い触覚(角?)も2本あります。
 サンダルフォンはよっぽどマグマの中での活動に特化した体質なのか、羽化した瞬間に電磁ケージを食い破り、スイスイと気持ちよさそうにマグマをかきわけて2号機に攻撃をしかけてきます。

 ここでちょびっと脱線させていただきたい!
 カレイとは、広い意味では「平べったくて身体の左右どちらかに両眼がよっている魚」全般のこと(カレイ目の魚ぜんぶ)をいうのだが、狭い意味では「身体の右側に両眼がよっているカレイ」のこと(カレイ目カレイ亜目カレイ科)をさすんだって!
 ちなみにヒラメとは、「身体の左側に両眼がよっているカレイ」だけのこと(カレイ目カレイ亜目ヒラメ科)をさす! まさに「左ヒラメに右カレイ」。
 んで! 言葉で説明するのがムダに難しいのですが、身体の右側に両眼がよっている場合、上から見るとカレイの顔は「向かって右側に両眼、左側に口」がついているんですね。だから、サンダルフォンが似ているのは「カレイ」であって「ヒラメ」じゃないんです! どうでもいいですね~。どうでもいいですよ~。
 ついでに世界で最大級のサイズのカレイは「オヒョウ」といいまして、体長2~3メートルにおよぶものもザラ、漁師もケガをするほど凶暴な肉食魚であるため、散弾銃で射殺してから漁船に引き上げることもあるんだそうですよ。ギョギョギョ!

 あと、サンダルフォンに似ているもうかたっぽの「アノマロカリス」というのは、紀元前5億2000万~5億年前の「古生代カンブリア紀中期」に、地球の生態系の頂点にいたとされている地球史上初の肉食動物……だそうです。
 おそらくは現在のエビの祖先にあたるんじゃないかと言われているこの生物は体長1~2メートル、腕とまではいかないものの、大きな2本の触手を動かして自分の丸い口に食べ物をかっこんでいく生活を送っていたようです。
 余談ですが、カンブリア紀の生物はみーんな海の中に棲んでいるものだけで、生き物が陸地にあがってくるのはこのカンブリア紀からさらに1億年ほどたった「デボン紀」のこととなります。

 いや~、失礼しました。さっさと本編に戻ることにいたしましょう。

 ……あ、あれ? なんか、ドイツ娘も作戦指揮官も中学生男子もみんな温泉につかってのんびりしてるよ? どこどこ、嬬恋? 天狗? 小瀬?
 え! 終わっちゃったの!? 私が脱線してるあいだに、サンダルフォンやられちゃってた?

 ちょっと時間を巻き戻しましょう。

「バブバブ~!!(なんだ、このぬいぐるみみたいなヤツは。俺の誕生祝いに死ね~い!!)」

 魚に似た形状ということで、あの第6使徒ガギエルのように高速でマグマを泳ぎまわり、体当たりや噛みつきなどで2号機を終始圧倒したサンダルフォンだったのですが、さすがは大卒。ドイツ娘の機転の効いた奇策によってあえなく敗れてしまいます。

 ドイツ娘がうまく利用したのは、D型装備の2号機に循環していた冷却液のパイプ。
 マグマの高熱に耐えるために機体を冷やし続けていた冷却液のパイプをみずからプログレッシブナイフで切断した2号機は、冷却液が勢いよく噴き出る切り口をサンダルフォンの口に突っ込みます。

「バッ、バブォバブォバァ~!?(ぬおっ! な、なんだこれは!? ミルクじゃない? さ、さぶっ! 寒すぎる!! か、からだが芯からちぢこまるぅ~……)」

 ドイツ娘は、超高温のマグマでの活動に順応しているサンダルフォンの体内に超低温の冷却液を注入することによって、急激な温度変化に耐えきれずにサンダルフォンの身体が崩壊するようにしむけたのです。
 なるほど、「熱膨張の逆」をねらったわけですな!
 たとえば、アツアツに熱したガラスのコップにキンキンに冷やした水を急にそそぐと、コップはいとも簡単に割れてしまう。危ないしもったいないから、マネしちゃいけないぞ!
 これはまさに、かの『帰ってきたウルトラマン』の名エピソード『残酷! 光怪獣プリズ魔』で帰りマンがプリズ魔を倒す時に使った戦法の真逆ですね。さすがは庵野カントク!!

 急速に身体が劣化し、ATフィールドもへったくれもなくなるサンダルフォン。2号機はすかさずプログナイフでとどめを刺します。

「ば、ばぶ~……(ちきしょう、短い生涯だったぜ。一度でいいから、おてんと様をあおいでみたかったなぁ……)」

 あわれ、マグマの高温の中で微塵に朽ちていくサンダルフォン。あまりに早すぎる死。

 せめてD型装備に大きな傷をつけて2号機もマグマの底に道連れにしたかったところなのですが、珍しく男気を発揮した初号機が素っ裸に近いB型装備のままで火口に飛び込み、全身を大やけどさせながらも2号機を救出するのでした。


 さてさてこんな感じで、「使徒を生け捕りにする」という最終目的は果たせなかったものの、ネルフはなんとか第8使徒サンダルフォンを殲滅することができました。まぁ、結果オーライですよ。

 しかし、サンダルフォンは惜しかったねぇ! なんてったって、羽化したばっかりというかなり不利な条件の中で2号機をあそこまで苦しめたんですからね。
 残念ながら、「覚醒も暴走もしていないエヴァンゲリオンたった1機に負けた」という観点からいくと、あの第4使徒シャムシエルとならぶ不名誉な最弱キャラとなってしまうのですが(第6使徒と戦った時の2号機はドイツ娘と中学生男子とのダブルシンクロで覚醒している)、そこはそれ、だって「幼体」だったんですから!

 ああ、もうちょっとネルフの作戦指揮官が常識人だったら。その結果A-17作戦が中断されていたり、そもそもサンダルフォンの発見すらされていなかったとしたら!
 数日後、充分に成長して浅間山のマグマから出現した「真のサンダルフォン」は、間違いなく歴代最強の使徒になっていたことでしょう。
 ただ、人間の胎児から魚に変態したサンダルフォンなんですから、今となっては地上に現れた時の「第3形態」は想像することもできないのですが……

 惜しいなぁ~! ほんっとに惜しい!

 あまり語られていないことなんですが、サンダルフォンって、明確な「コア」がどこにあるのかはっきりしてない初めての使徒だったんですよ。
 使徒共通の弱点であるコアをちゃんと隠しているという点から見ても、サンダルフォンの将来有望のほどは明らかだったでしょう。

 「未完の大器」第8使徒サンダルフォンよ、やすらかに眠れ。来世では立派な一人前の使徒になれよ~!!
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未完の大器・第8使徒サンダルフォンの悲劇 Ver.かれい

2011年04月04日 23時28分01秒 | エヴァンゲリオン使徒大行進
《前回までのあらすじ》
 みんな知ってる? ほんとは「エヴァンゲリオン」の使徒は17体いるんだぜ! 13体じゃないんだぜ。
 なんとなく扱いの良くない子・第8使徒サンダルフォンのかなしき物語が、いま始まる……


「長野・群馬県境にある活火山・浅間山の火口マグマ内に正体不明の潜行物体あり。」

 第3新東京市にあるネルフ本部の頭脳とも言うべきスーパーコンピュータシステム「MAGI」の報告を受け、ここのところヒマで酒量が増加していたエヴァ作戦指揮官と、そんな彼女にほのかな慕情をいだいていた助手オペレーターのメガネくんが現地に急行します。
 浅間山にあった地震研究所をなかば強引に占拠した2人は、研究所の虎の子だったバチスカーフ型無人観測機(深海をリモート操作で潜行・調査するみたいなやつ)を火口のマグマ内に投入します。
 どんどん潜行していく観測機ですが、なかなか例の物体はCTモニターで感知できません。火口からの深度は1000メートルを超えてしまった!
 ハンパない圧力の上昇にギシギシと悲鳴をあげる観測機の機体。早く引き上げないと観測機がブッ壊れるとびびりまくる研究員に対して、気の強い作戦指揮官は、
「壊れたらうちで弁償します。もっと潜行させてください!」
 と言い放つ相変わらずの猪突猛進っぷり。内心「きたきた~。」とほくそえむメガネくん。

 しかし、彼女の判断は正しかった。ほぼ限界に達していた深度1300メートル地点でやっと問題のブツを探知した観測機は、見事にその詳細な情報を研究所に送信してその直後にベキベキにつぶれてしまいました。よくやった、えらい!!
 そして、送信された情報をたよりにネルフがくだした判定は……

「パターン青。使徒です!」

 出た、使徒だ! 非常に珍しいことに、今回の第8使徒は、第3新東京市の「北」に出現しました。
 今までの使徒は、瞬間的に第3新東京市の近くにパッと現れたものもいたのですが、例外なく、2000年にあの「セカンドインパクト」が発生した南極と日本列島とをつなぐライン上から出てきていました。つまり、必ず太平洋、第3新東京市の「南」からやって来るのがふつうになっていたのです。
 北から攻めてくる使徒っていうのはそうとうレアなんですよ! アメリカで活躍した『新劇場版・破』の使徒はおいといて、17体いる使徒のうち、北からやって来たのはたったの2体しかいません。そして、第8使徒じゃないほうの使徒は、ネルフ側の都合で長野県の松代市に連れてこられてから活動を開始した経緯があるので、純粋に北で生まれた使徒は第8使徒ただ1人ということになるのです。サンダルフォン、超レア!! まぁ「東西南北もへったくれもない場所からやってくる」使徒もいるんですけどね。そ、そ、そっちのほうが、スゲ~。

 とにかく、「日本列島のド真ん中に使徒あらわる」の報は、人類側を充分に震撼させるニュースとなりました。一般の国民に知らされることはなかったと思われるのですが、第8使徒を殲滅する当日にそうとうな数の国連軍大型爆撃機が浅間山上空を飛行していたので、なにかしら尋常でない物騒な空気が流れていたことは間違いないでしょう。
 個人的に私がちょっとだけ気になるのは、第8使徒サンダルフォンが発見された浅間山が、第3新東京市よりもむしろ、2015年当時に日本の首都だった「第2新東京市」に近かったことです。

 第2新東京市とは、かつて「長野県松本市」だった都市に遷都された日本の首都で、かつての東京都はセカンドインパクトによるゴタゴタの末に壊滅してしまったのだそうです。大変だったんだねぇ……
 日本の首都であるほか、国際連合の本部も移転されていた世界的主要都市・第2新東京市ですが、浅間山の西わずか50キロという近さにあるのです。
 私はここが気になる。第2新東京市にいる「日本政府」は、ネルフとかなり疎遠な関係にあることで有名です。明確に対立しているわけではないのですが、なにかと「使徒殲滅が最優先」という名分をかかげて政府を超えた権力を行使するネルフにたいしてどんな感情をいだいていたのか……明らかに気分はよくないよねぇ。
 日本政府そのものにそんな力はないでしょうが、もし! もし使徒をあやつっている「黒幕の存在」があるのだとしたら、それが第8使徒を浅間山に仕込むことを政府は見て見ぬふりするか、ことによってはネルフにばれないように隠蔽する手助けぐらいはしていたのかもしれない! 今までの使徒についてわかっている情報から見ても、使徒が第3新東京市以外の都市を襲う可能性はゼロに近いわけですからね。

 いや~、なんだか『MMR』みたいになってまいりました!
 なんでも原因を「政府の陰謀」にしちゃうのは良くないことなんですが、ついついそう考えてしまうくらいに、今回の「浅間山に使徒出現」という事件は、実に唐突で不可解なものなんですよ。

 話を戻しまして、当の「第8使徒サンダルフォン」は、どうやらすぐには活動を開始しない「さなぎ」のような状態にあるようです。
 CTモニターによる画像情報によると、まるで人間の胎児のような姿をしている第8使徒は、直径およそ100メートルという巨大な「まゆ」の中に入って孵化の瞬間を虎視眈々と待っているご様子。

 いつ孵化するのかもわからない状況なのですが、エヴァ作戦指揮官はかなり早い時期で、「まだ覚醒していない段階の使徒を生きたまま捕獲する」という、大胆不敵な「A-17作戦」の実行を決断します。

「ええ~っ! 使徒を生きたまま捕獲!?」

 今まで、第4使徒シャムシエルや第5使徒ラミエルの「死骸」をもとにした使徒研究はなされていたのですが、もしも生きている使徒を捕獲することができたら研究が格段に進むことは間違いなく、今後に現れる新たな使徒に対して大きなアドヴァンテージを得ることができるかもしれない! まぁ、へたしたらサードインパクトが起きちゃうかもなんですが……

 しかし、やらないで後悔するよりやって後悔したほうがいい!!
 わずかな可能性にすべてを賭け(すぎ)る作戦指揮官の男気に心をうたれたのか、あやしいネルフ総司令も即座に同意し、前代未聞の「使徒捕獲作戦」はすみやかに発動されることとなったのです。

 作戦の内容はいたってシンプル。エヴァンゲリオンが浅間山のマグマ内に潜入して使徒のさなぎを持ってくるだけ。

 エヴァンゲリオンはマグマの中でも動けるのか!? 溶けないの?
 大丈夫、エヴァンゲリオンには「耐熱耐圧耐核目的」に特化した「D型装備」というアタッチメント装甲があったのです!
 これは、ふつうの丸腰のエヴァンゲリオンB(Basic)型装備が「宇宙服」みたいな「ぬいぐるみ」みたいなスーツをまとっているような外見になる特殊装備なんですね。今回はさらに冷却液を全体に循環させるパイプもつけてマグマにそなえます。

 今回のD型装備に対応できるのは、エヴァンゲリオンの初号機か2号機のどっちかだったのですが、ネルフはあっさりと自分で立候補してきたドイツ娘の2号機に白羽の矢を立てます。
 この時のネルフの2号機選抜に、いっつも最前線でヒドい目にあわされてきていた初号機パイロットの中学生男子はいささかの違和感をおぼえるのですが、これが果たしてネルフの、
「チョロい作戦なので2号機にまかせた」
 という判断だったのか、それとも
「エヴァンゲリオンを1機ダメにするかもしれないヤバい作戦だったのでどっちかっていうといらない2号機にまかせた」
 だったのか……とにかく最終的に自分で手をあげたのはドイツ娘だったのでネルフ側の真意は明確ではないのですが、実際の作戦の経過を見るにつけて、私はどう見ても後者の理由で2号機を選んだように思えて仕方がないんですけどね……あわれドイツ娘!

 ともあれ、エヴァンゲリオン2号機のD型装備換装作業はスムースにおこなわれ、2号機とそのサポートにまわる初号機は現地の浅間山に空輸、運命のA-17作戦はすみやかに決行されるはこびとなりました。もう、いつ第8使徒が孵化してもおかしくない状況なんですからね。時間との闘いですよ!

 しかし、私はこの動きを見るにつけて、A-17作戦がどうこうよりも、ついつい別のところに目がいってしまうのです。

 第3新東京市、無防備すぎだろ!!

 ここ! ここが使徒のみなさんにとって最大のチャンスだったんですよ。
 だって、A-17作戦をやってる時の第3新東京市はガラ空き、エヴァンゲリオンは、あのまともに起動するかどうかもわかんない0号機(当時改造中)しかいなかったんだから。0号機なんかあなた、実戦経験はでっかい楯を持ってつっ立ってたくらいしかないんですからね。
 嗚呼、この時ほど第3新東京市を落としやすいタイミングはなかったというのに……もうさぁ、準備不足だろうがスケジュールがケツカッチンだろうが、誰でもいいから別の使徒がチャチャッと行っちゃえばよかったんだよ! 明智光秀だったら絶対にいってたぞ!!

 これだから第9使徒マトリエルはダメなんだよ……千載一遇のチャンスを活かせないんだなぁ。
 なぜかサンダルフォンじゃなくてマトリエルにダメ出しをしてしまいました。まだ早いよ!

 ま、とにかく、こんな第3新東京市のリスクを負いつつも決行された浅間山のA-17作戦。
 いったいどうなることやら~。

 サンダルフォンネタブログ、まさかの3回目につづくぞ!
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未完の大器・第8使徒サンダルフォンの悲劇 Ver.さなぎ

2011年04月03日 15時59分21秒 | エヴァンゲリオン使徒大行進
 うめぇ~! 納豆、うんめ~!! どうもこんにちは、そうだいです。
 いやぁ、やっとスーパーで納豆が買えました。しっかりと売場には「納豆の購入はお1人様1パックまででお願いいたします。」という貼り紙が。
 しばらく計画停電も体験していないし、天気もここのところ暖かい日が続いていたので、ついつい先月のことが過去のように思えてしまう瞬間もあるのですが、夜のお店の灯りのさみしさ、そして意外と手に入らないままになっている納豆やミネラルウォーターのたぐいを見つけるにつけて、まだまだ災害が現在進行形で生きているんだな、ということを実感してしまいます。
 今日はちょーっと寒くなっちゃいましたね。来週はやっぱり、計画停電は再開するんだろうな。そういえば、この前ネタにした東京ディズニーランドも、再開はなにかと難しいらしいですね。まぁ、夢の世界の運営に必要な電力はハンパないですからねぇ。かといって、節電でところどころ薄暗いディズニーランドっていうのもなんだからなぁ。

 計画停電といえば、東京電力や東北電力の呼びかけに応じた節電キャンペーンが『新世紀エヴァンゲリオン』の「ヤシマ作戦」に似ているという話題が一部で盛り上がっているようです。
 まさかねぇ、あの強敵・第5使徒ラミエルを陥落させるためにおこなわれた一斉停電作戦が、現実の21世紀の世界で実施されることになろうとはねぇ。しかも、まだ2015年になってないのに!
 もちろん、「ヤシマ作戦」のための一斉停電は日本列島全土でもれなく実施され、「計画停電」は東日本の一部地域のもち回りだという大きな規模の違いはあるのですが、「ヤシマ作戦」のような短期間集中停電じゃなくて、計画停電はいつ終わるのかもわかんない状態がしばらく続くようで。どっちのほうがラクかってことは、いちがいには言えないやねぇ。


 よっしゃ! エヴァンさんの話題が出てきたところで、久しぶりに「使徒検証シリーズ」の続きでもやりましょうかね。強引につなげちゃったなぁ!
 今回は、第8使徒サンダルフォンの出番でございます。え? 貞本エヴァ? 新劇場版? 出てねぇよ!!

 そうなんですよ……2011年4月現在、「エヴァンゲリオン」シリーズ共通の基本テクスト、おおもとの物語となっているものは3つ存在していまして、まずはなんと言っても1995~97年に放送・上映されたTVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』とその完結編となる劇場版のひとくくり。2つ目が、アニメ放映の約1年前から先行連載されていたのにも関わらず、開始から17年たった現在でも完結していない、現代日本の時間常識を超越した貞本義行のマンガ版『新世紀エヴァンゲリオン』。そして最後が、2007年と2009年に2作が上映された『エヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズとなるわけです。

 その3つなのですが、我が『長岡京エイリアン』の「使徒検証シリーズ」で最重要テクストとしているのはTVアニメ版です。
 理由は……使徒が17体(「人類」も含めると18体)、オールコンプリートで出演しているから!! ひゃっほう!

 もうこれにつきます。ていうか、他のテクスト2つが一部の使徒に対して薄情すぎるんだよ! これだけは声を大にして叫びたい。
 ラミエルはいいよ、見せ場はあるし、21世紀の最新CGなんかふんだんに盛り込んでもらっちゃうし。タブリスはマンガの方じゃあほぼレギュラーキャラみたいな出番の多さになってたしさぁ。タブリス、あんた何、しれっとした顔してアルミサエルと戦ってんのよ! 裏切り者!

 そうやって一部の使徒たちが21世紀の新しいファンにも受け入れられていくのに対して、あたかも「なかったこと」のように歴史の闇に葬られるかのような扱いを受けているあわれな使徒たちがいる。
 人と人とのつながり、信頼、肌と肌とがふれあう「ぽかぽか」が大事なのだと語られている昨今の「エヴァンゲリオン」事情のいっぽうで、親の愛を受けずに寒さにこごえているみなしごがいるんですよ、しかも4体も!! お話は傑作以外の何者でもないのに!

 TVアニメ版の17体に対して、貞本マンガ版は13体(完結はしていないが使徒の出番は終わっている)、新劇場版はTV版でいう「第14使徒ゼルエル」までに10体の使徒が登場しています。
 それぞれの作品に登場している使徒のみなさんは、デザインや役割に違いがあったりして、中にはとても同一人物とは思えないような方もいるのですが、強引にTVアニメ版の使徒に統一して比較してみると、


第1・2使徒は欠番
第3~6・10・13・14・17使徒は3ヴァージョンに共通して登板
(第15・16使徒はこれから新劇場版に出る?)
第7使徒はTV版と貞本版に登板
 ※新劇場版に出演したアメリカの使徒「ホネホネロックウェル」(命名は私です)はノーカウント


 ホラホラ、第8・9・11・12使徒が完全ハブになってんじゃん!! 第12使徒なんか、私そうだいがいっちばん大好きな使徒だったんですよ!?
 思えば、私がこの「使徒検証シリーズ」を始めたのも、ある意味でこれらの4体を成仏させたかったからという目的が多分にあったのです。

 さぁさぁそんなわけで、いよいよ本検証シリーズ最大の力の入れどころと言ってもオーバーではない、「物語中盤の今イチ印象のうすい使徒シーズン」のはじまりとなる第8使徒サンダルフォン編を始めたいと思います。テンション上がるなぁ~。


 今回のエピソードも、具体的に第7使徒イスラフェルの撃退からどのくらいの時間がたった時点なのかは明言されていません。
 ただ、前回にエヴァンゲリオン初号機と2号機があれほどの苦労をして使徒を撃退したのにも関わらず、全体的に第3新東京市のネルフの面々はのんびりした緊張感のない空気の中にいて、2号機の専属パイロットであるドイツ娘にいたっては、「いつ使徒が来るのかわからないので戦闘待機」という理由で自分が通っている中学校の修学旅行(沖縄)に行けなくなったことに憤マンやるかたないご様子。
 「いつもいつも待機、待機……」とイライラした口ぶりで、使徒のことも「いつ来るかわかんない敵」と表現しています。
 こういった感じからみても、どうやらイスラフェルとの戦闘が過去のものとなるくらいの、ある程度の時間は経過しているようですね。最低2週間といったところかなぁ。

 そんなある日、ネルフ本部のスーパーコンピュータシステム「MAGI」が、日本有数の活火山・浅間山の火口マグマ内に謎の物体が潜伏しているという情報を通告します。
 浅間山といえば、箱根の仙石原にある第3新東京市から北におよそ140キロ。長野と群馬の県境にある標高2568メートルの火山です。最近でいうと、おととしの2009年にも噴火してたんですよ。
 しかし、そんなとこまで目がいってるとは、MAGIはすげぇなぁ。

 ともあれ、最悪の場合「使徒」かもしれない、その物体の正体を明らかにしなければ!
 さっそく現地に急行するエヴァ作戦指揮官と助手のメガネくんなのでした~。

 つっづく~。
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