《前回までのあらすじ》
はいっ、いいかげんに終わりにしますので、ええ! もうしばしのご辛抱をば!!
前半のヤマ場となった華々しいバトルアクションを経ながらも、「なにやらかなり手ごわいゲスト敵キャラ」マアムに一蹴されて現実の世界に戻ってきた「ドキドキ!組」。なんとか眠り続けていた愛乃めぐみ(キュアラブリー)を連れ戻すことには成功したものの、残された他の子どもたちをどうやって夢の世界から救出するのか? なんら打つ手のないまま日は暮れてしまいます。
ところが! グレルとエンエンがうっかり夢の世界に取り落としてきてしまった「プリキュア教科書」を拾ったマアムは、これ以上プリキュアたちに介入させないためにも、教科書に記載されていた各メンバーの個人情報を元に、その夜に日本各地ですやすやと眠っていたプリキュアオールスターズの面々を事前に1人のこさず夢の世界に封印してしまうのでした。これはものすごい先手に出ました!!
キュアブルームである日向咲は連日行列のできる「ベーカリー PANPAKAパン」のパン職人。キュアドリームである夢原のぞみは学校教師。キュアミントである秋元こまちは文学賞を受賞する人気小説家。キュアピーチである桃園ラブは大会で優勝するダンスチーム「クローバー」のリーダー。キュアブロッサムである花咲つぼみは植物学者。キュアハッピーである星空みゆきは絵本作家。そしてキュアハートである相田マナは日本の内閣総理大臣!!
おのおのの「夢をかなえた夢の世界」の中で、満ち足りた日々をあゆみ始めるオールスターズたち……もはや、現実世界に残って子どもたちを救ってくれる存在はいなくなってしまったのだろうか!?
私はここの展開を観ながら、オールスターズの中でひとりくらいは「徹夜して寝てないプリキュア」がいたらおもしろいのにな……と思ったりもしたのですが、さすがは良い子の観るアニメの主人公であるみなさんです。夜更かしする方は33名中ひとりもおられなかったようで。なんかイメージ的には月影ゆり(キュアムーンライト)さんなんか寝てなさそうなんですけどね、よくわかんないけど。
しかし、ここが私が感じた脚本家の成田良美さんの「いいお仕事パート1」でして、プリキュア教科書に最新の「ハピネスチャージプリキュア!組」がまだ記載されていないという冒頭の伏線がみごとに奏功し、生還したばかりのめぐみと白雪ひめ(キュアプリンセス)の2人は奇跡的にマアムの魔手から逃れることができていました。うまいもんだねぇ~。
ところが、めぐみとひめの「ハピネス組」は言わずと知れた新米プリキュアであり、堂々たる善戦を見せた「ドキドキ!組」でさえ全く歯が立たなかった無敵のマアム世界に対して、まだまだヒヨッコの2人がいったい何をできるというのか!? しかしここで、
「なんだかわかんねぇけど、このまま泣き寝入りしてちゃあ夢見が悪くってしかたねぇや! とにかくまた行ってみようじゃねぇか、相棒!!」
という主旨の闘志を発揮し、プリカード「変装」の「忍者」を利用して再び夢の世界に忍び込む2人と妖精たち。さすがは伝統ある「アホピンク」の正統なる後継者。足りない知性は決断の速さと行動力でカバーだ!
ところが、そんなハピネス一行もまた、「私の世界なんだから、入ってきたらすぐにわかるんだってば……」と呆れ顔のマアムにすぐに見つかって岩屋の檻に監禁されてしまいます。この流れの中で、どうやら2人はいちおうプリキュアに変身してマアムに戦いを挑んだらしいのですが、バトルシーンは完全にカットされて投獄されてしまいました……なんというどS編集か!!
ところで、このシリーズ最新作『ハピネスチャージプリキュア!』は、放送開始当初から単純明快なキャラクターデザイン、特に主要ヒロイン陣の「顔だちの単純化」などから、なにかと古くさい、ダサい、1980年代後半~90年代前半のアニメみたい、などと評されることが多いらしいのですが、これはやっぱり製作スタッフ陣があえて選択した戦略なのであって、実際に放送回が積み重なっていき、ストーリーやキャラクターたちの個性に深みが生まれていくにつれて、じょじょに「そこがイイ」という追い風に変わりつつあるような気が、私はしています。やっぱり、こういう単純なデザインがいろんな衣装にフォームチェンジするっていうのは子どもうけしますよね、わかりやすいから!
ともあれ、私がそこらへんの製作スタッフの「古さで攻める!」という決意を今回の『 NS3』の中で最も強く感じ取ったのは、まさしくここでの、茶番としか言いようのないハピネス組の忍者コントの実になさけないくだりで、ここがもう、まんま『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』(1986~92年)内の名物ドラマコントコーナー『 THE DETECTIVE STORY(探偵物語)』での潜入捜査シーンのノリなんですよねぇ! オッサンの私にとっては、もうこの軽くてバカバカしい「どうせ捕まるんだろうな」感がうれしくてうれしくて! よもやプリキュアの立場でありながら志村けんをほうふつとさせる逸材が登場しようとは!! ここで2人のとなりに荻野目洋子さんか松本伊代さんあたりがいてくれたら完璧だったんですけど、そこまで要求するのは無いものねだりというものでしょう。ていうかプリキュアだし。
いいよいいよ~、ハピネス組、今までのシリーズ作にはなかった新機軸を打ち出せてるよ~! その軽さで、「顔芸の宝庫」とも言われている強豪ぞろいの先輩オールスターズに負けない伝説を創っていきましょう。
《途中はラブじゃない!》
はいっ、いいかげんに終わりにしますので、ええ! もうしばしのご辛抱をば!!
前半のヤマ場となった華々しいバトルアクションを経ながらも、「なにやらかなり手ごわいゲスト敵キャラ」マアムに一蹴されて現実の世界に戻ってきた「ドキドキ!組」。なんとか眠り続けていた愛乃めぐみ(キュアラブリー)を連れ戻すことには成功したものの、残された他の子どもたちをどうやって夢の世界から救出するのか? なんら打つ手のないまま日は暮れてしまいます。
ところが! グレルとエンエンがうっかり夢の世界に取り落としてきてしまった「プリキュア教科書」を拾ったマアムは、これ以上プリキュアたちに介入させないためにも、教科書に記載されていた各メンバーの個人情報を元に、その夜に日本各地ですやすやと眠っていたプリキュアオールスターズの面々を事前に1人のこさず夢の世界に封印してしまうのでした。これはものすごい先手に出ました!!
キュアブルームである日向咲は連日行列のできる「ベーカリー PANPAKAパン」のパン職人。キュアドリームである夢原のぞみは学校教師。キュアミントである秋元こまちは文学賞を受賞する人気小説家。キュアピーチである桃園ラブは大会で優勝するダンスチーム「クローバー」のリーダー。キュアブロッサムである花咲つぼみは植物学者。キュアハッピーである星空みゆきは絵本作家。そしてキュアハートである相田マナは日本の内閣総理大臣!!
おのおのの「夢をかなえた夢の世界」の中で、満ち足りた日々をあゆみ始めるオールスターズたち……もはや、現実世界に残って子どもたちを救ってくれる存在はいなくなってしまったのだろうか!?
私はここの展開を観ながら、オールスターズの中でひとりくらいは「徹夜して寝てないプリキュア」がいたらおもしろいのにな……と思ったりもしたのですが、さすがは良い子の観るアニメの主人公であるみなさんです。夜更かしする方は33名中ひとりもおられなかったようで。なんかイメージ的には月影ゆり(キュアムーンライト)さんなんか寝てなさそうなんですけどね、よくわかんないけど。
しかし、ここが私が感じた脚本家の成田良美さんの「いいお仕事パート1」でして、プリキュア教科書に最新の「ハピネスチャージプリキュア!組」がまだ記載されていないという冒頭の伏線がみごとに奏功し、生還したばかりのめぐみと白雪ひめ(キュアプリンセス)の2人は奇跡的にマアムの魔手から逃れることができていました。うまいもんだねぇ~。
ところが、めぐみとひめの「ハピネス組」は言わずと知れた新米プリキュアであり、堂々たる善戦を見せた「ドキドキ!組」でさえ全く歯が立たなかった無敵のマアム世界に対して、まだまだヒヨッコの2人がいったい何をできるというのか!? しかしここで、
「なんだかわかんねぇけど、このまま泣き寝入りしてちゃあ夢見が悪くってしかたねぇや! とにかくまた行ってみようじゃねぇか、相棒!!」
という主旨の闘志を発揮し、プリカード「変装」の「忍者」を利用して再び夢の世界に忍び込む2人と妖精たち。さすがは伝統ある「アホピンク」の正統なる後継者。足りない知性は決断の速さと行動力でカバーだ!
ところが、そんなハピネス一行もまた、「私の世界なんだから、入ってきたらすぐにわかるんだってば……」と呆れ顔のマアムにすぐに見つかって岩屋の檻に監禁されてしまいます。この流れの中で、どうやら2人はいちおうプリキュアに変身してマアムに戦いを挑んだらしいのですが、バトルシーンは完全にカットされて投獄されてしまいました……なんというどS編集か!!
ところで、このシリーズ最新作『ハピネスチャージプリキュア!』は、放送開始当初から単純明快なキャラクターデザイン、特に主要ヒロイン陣の「顔だちの単純化」などから、なにかと古くさい、ダサい、1980年代後半~90年代前半のアニメみたい、などと評されることが多いらしいのですが、これはやっぱり製作スタッフ陣があえて選択した戦略なのであって、実際に放送回が積み重なっていき、ストーリーやキャラクターたちの個性に深みが生まれていくにつれて、じょじょに「そこがイイ」という追い風に変わりつつあるような気が、私はしています。やっぱり、こういう単純なデザインがいろんな衣装にフォームチェンジするっていうのは子どもうけしますよね、わかりやすいから!
ともあれ、私がそこらへんの製作スタッフの「古さで攻める!」という決意を今回の『 NS3』の中で最も強く感じ取ったのは、まさしくここでの、茶番としか言いようのないハピネス組の忍者コントの実になさけないくだりで、ここがもう、まんま『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』(1986~92年)内の名物ドラマコントコーナー『 THE DETECTIVE STORY(探偵物語)』での潜入捜査シーンのノリなんですよねぇ! オッサンの私にとっては、もうこの軽くてバカバカしい「どうせ捕まるんだろうな」感がうれしくてうれしくて! よもやプリキュアの立場でありながら志村けんをほうふつとさせる逸材が登場しようとは!! ここで2人のとなりに荻野目洋子さんか松本伊代さんあたりがいてくれたら完璧だったんですけど、そこまで要求するのは無いものねだりというものでしょう。ていうかプリキュアだし。
いいよいいよ~、ハピネス組、今までのシリーズ作にはなかった新機軸を打ち出せてるよ~! その軽さで、「顔芸の宝庫」とも言われている強豪ぞろいの先輩オールスターズに負けない伝説を創っていきましょう。
《途中はラブじゃない!》