雨、ふるよねぇ~! どうも、みなさまごきげんよろしゅうございますか。そうだいです。
今朝はどうにも不思議な感じで、ラジオを生放送している東京のスタジオでは「予報は晴れときどき曇り」とか「今日も暑くなりそうですね!」などと言っているのに、千葉の私の家の窓から見える風景はもうザンザン降り、スコールのようなはげしい雨音に目が覚めてしまったあんばいです。
そうこうしているうちに、今度は雨雲が去って高い青空が見えてきましたねぇ。
入道雲はいいですよね。なにがいいって、雲の高度がたかいから、「青空の高さ」が立体的に見えてくるんですよね。ふだんはただ「青いなぁ。」というだけの印象なのに、入道雲の、青空との境界線に見える複雑な造作を見ていると「雲でっけぇ! 青空遠くて広い!」ということがよくわかるからおもしろいんだなぁ。
(リアルタイムでの出来事です)
うわっ、びっくりしたなぁもう! そんなことをタッタカターとうっていたら、ラジオ番組のリクエストで『天空の城ラピュタ』の主題歌『君をのせて』がかかったゾ。ちきゅう~は ま~わ~る~。
もう、最高。空と雲といえばコレよねぇ~。私、なんっかい観てもラスト30分のアクションシーンつるべうちのところで自分の手のひらが汗でぬるぬるになるんですよ。まさに、手に汗にぎる展開よね~。
青空に入道雲ときたら、甲子園ですよね~! なんか、年をとるごとに甲子園を観たい欲求が高まってくるねぇ。昔イノセントなガキンチョだったころは、実家の茶の間で地元県でもないチーム同士の試合中継をず~っと観ている祖父をながめては、
「なにがそんなにおもしろいんだろう? プロでもない知らない選手しか出てこないのに。」
「もう、ニュースで結果だけ見たらいいじゃないの~。お昼だから早く『あなたの知らない世界』見せてよ~!」
といった不平しか持っていなかったのですが。
ガキだね~!! いや、ガキだったんですけど。
今だからこそよくわかる祖父のたのしみ。スポーツというものは本来そうやって楽しむものなのかもしれない。そう考えるようになったのはつい最近のことでした。
つまり、そうだい少年があさはかにも当時の「おもしろい、おもしろくない」の基準にしていた、「登場人物の能力の高さ」や「パッと見ですぐにわかるスターがいるかどうか」、そして「自分の応援しているチームが勝ったか負けたか」という部分。それだけじゃない! それ以外の部分にも楽しみはあるのではないかと。
もちろん、たとえばプロ野球の世界では選手のスター性やペナントレースの順位表という部分も充分に楽しむ要素になるわけなのですが、もっとも人の心を動かす要因になるのは、
「いろんな人生のいきさつがあって、その結果としてその日その時のその試合に出場している人たちが、どんな団結を見せてひとつのチームとなるのか?」
そこなんじゃなかろうかと。つまり、実状は知らなくてもいいとして、その子がどんな心境で白球を投げていて、あの子がどんな思いを込めてバットを振っているのか、なぜこの子はそんなに汗だくになり、涙目になりながらポンポンを上げ下げしているのか、そこに観るものの思いをはせさせてくれるそれぞれの「熱量」こそがスポーツの、いやさ、「人のいとなみ」のすばらしさなんじゃなかろうかと思うんですなぁ。今、おっさんになりつつある私は。
……ちょっと話が大きくなりすぎたね。
まぁ、結局ですね! この「ざっくりすぎるアイドルグループ史」にあらわれては消えていったさまざまな面々。当然ながら変転はげしい芸能界の荒波の中で、国民的なブレイクをはたしたグループもあれば一瞬にして退場していったグループもあり、「ほとんど運だな、この人……」という方もあれば「こんなにかわいくて歌もうまいのになぜパッとしない……時代がいけなかったのか?」という方もいらっしゃいました。
私のざっくりしたまとめにさえ入るほどの知名度を得た彼女たちは、「アイドル」というジャンルの中ではまごうかたなきトップエリート。プロ中のプロであるわけなのですが、そもそも「アイドル」というジャンルそのものが、「プロらしくない未熟感」や「これからビッグになっていくんじゃないか感」も強い魅力のひとつに組み入れているわけでしたので、少なからず「プロ野球」的だけではない「甲子園球児」的な魅力も必要な世界であるはずなのです。
そこでいよいよ! 約1週間ぶりにモーニング娘。の話題でございます。
2007年6月。
第5代リーダー・ミキティのあっという間の「脱退」さわぎによって不安の視線をあびながら発足した、当時20歳の第6代リーダー・高橋愛の新体制モーニング娘。
しっかし! 前回の資料をご覧いただいてもおわかりの通り、高橋リーダー時代は今年秋に予定されている勇退までに実に4年半の長きにわたって続く長期体制となりました。もちろんこれは歴代リーダー史上最長です。
4年半ですよ、4年半。もしかしたら「そんなに長くないじゃん?」と感じる方もおられるかもしれないのですが、なぁ~にいってんのよあぁた。
「アイドル業界での4年半」なんてものは、はっきり言って「世代2つぶん」くらいの長さでしょ? まずは4~5年アイドルであり続けるということが至難の業なんですよ。
1997年の秋に産声をあげたモーニング娘。だったわけなのですが、それから14年の時をへようかとしている2011年現在の彼女たち。その血肉の大部分をしめているのは、間違いなくこの高橋リーダー時代の空気を呼吸してきたメンバーの経験であり、業績です。
とはいえ、実はテレビなどでの「露出度」や「CDセールス」という点では、残念ながら高橋時代はそれ以前とくらべてかなりの不遇をしいられており、ど~しても! 中澤リーダーやなっちやごっちん、辻ちゃん加護ちゃんにチャーミー・よっすぃ~ペアがいた時代のモーニング娘。ほどの強いインパクトは持てていない、というのが世間の大部分でのイメージなのではないでしょうか。だからこそ、ドリームモーニング娘。という「蜃気楼」も発生するわけね。
でもねぇ、これももしかしたらひとつの戦略だったのではないか? と思えなくもないの。
CDセールスの問題はもう、モーニング娘。の楽曲がどうとかアイドルブームがどうとかいう話ではない全体的な需要の落ち込みが起因しているので、昔のようにポンポンとミリオンヒットが出ないこともしょうがないのですが、「露出の制限」は間違いなく、モーニング娘。のスキルアップ、そして「他のグループとはひと味ちがう娘。」づくりを狙ったコンサートスケジュール中心の修行期間だったのではないかと。前の「ざっくりすぎるアイドルグループ史」でも、私は「時間が流れて成長を始めたモーニング娘。」という言い方でそのあたりに触れた……よね?
まぁこんな方針転換もあったわけなので、モーニング娘。の最近の動向を知らない方が高橋時代をさして、
「モーニング娘。って、今なにやってるの?」
と思われることもあるのかもしれませんが、そりゃああなた、
歌、唄って踊ってたんだよ!!
としか言いようがないですよね。
ちょっとでも高橋時代の曲を聴いてPVを観ていただいたらわかります。モーニング娘。はとてつもないレベルの高さのアイドルグループになっています。
いや、ここまで歌唱力もパフォーマンス力(ダンスから表情、立ち姿まで!)もガン上がりになってしまうと、もはやアイドルではないのでは……そんな考えもよぎってしまうほどの世界に、2010年いっぱいまでの彼女たちはのぼりつめていってしまいました。
思えばモーニング娘。は、1997年には当時の時流にのって「ヴォーカルダンスグループ」として結成され、ごっちんや辻ちゃん加護ちゃんという互換性のきかないスターが登場したことによって新世紀の「アイドルグループ」に変容していくこととなりました。
そして、ほとんどメンバーの異動しなかった約4年間の高橋時代は、そのストイックなレベルアップによって、さらに「モーニング娘。」としか言いようのない1ジャンルを築くプロ集団になってしまったのです!
「ンなおおげさな!」とおっしゃる方もおられるかもしれませんが、私は山口百恵さんがアイドルでも国民的歌手でもない「山口百恵」というジャンルを創造したような域に、2010年時点のモーニング娘。もイッちゃったんじゃないかと考えているんですね。もういぶし銀よ~。
ここらへんはもう、多分に「バラエティ」よりも「歌手」のほうにウェイトをおいていた高橋リーダーの背中を見てメンバーがついてきた、という空気があったんじゃないかなぁ。
もちろんのこと、高橋リーダーとともに「10年間アイドルであり続ける」という『プライベート・ライアン』なみの戦場をかいくぐってきた現サブリーダー・新垣里沙さんの存在も忘れるわけにはいきません。
名コンビだね。たぶん、『太陽にほえろ』の石原裕次郎と露口茂みたいな1・2トップだったんじゃないかしら。じゃあ、田中れいなは松田優作? ショーケン? まだ殉職してないけど。
ここで、ばびょ~んっと話がとびます。
先日、いつものようにラジオを聴いていたら、パーソナリティの爆笑問題とゲストのももいろクローバーとのあいだでこんな会話がありました。
田中 「たとえばどんな先輩アイドルをめざしてるの?」
全員 「モーニング娘。さん!」
田中 「あぁ、やっぱりそうかぁ。」
百田 「でも、ももいろクローバーを結成してしばらくたった時に、私たちはモーニング娘。さんとは違うなぁ、と思ったんですよ。」
太田 「どこらへんが?」
百田 「だって私たち変なこといっぱいやるんですよ、ふりつけでコマネチやったりしてるし……」
太田 「えぇ? モーニング娘。だってそんなこといっぱいやってたよ?」
田中 「ウー!ハー! とか、セクシービーム! とかってねぇ。」
百田 「いや、今のモーニング娘。さんは……」
いちいち録音していたわけではないので多少言い方は違っていたかもしれませんが、だいたいこんな感じだったんですよ。
端的ですね~! つまりは、世間の記憶に残っているモーニング娘。を代弁する爆笑問題と、「同じ業界の現役の大先輩」としてのモーニング娘。をリアルタイムに肌身で感じているももクロちゃんとでは、同じグループのことを話題にしているとはとても思えない「イメージの食い違い」が生じていたんですなぁ。
まぁこんなわけで、ミキティリーダー時代以前とは一線を画する新境地を開拓したモーニング娘。だったのですが、ついに今年2011年、新たなる夜明けが始まるさまざまな予兆が!
1月に発表された、4年ぶりの新メンバー「第9期」4名の追加加入! そして、現リーダー高橋愛の今年秋での卒業。驚くべきことに、今は次なる「第10期メンバー」のオーディションが開催されているというあわただしさ。
「10年間モーニング娘。だった」という、今までのモーニング娘。をまさに体現する存在だった高橋さんが卒業し、一気に新しいメンバーが多数入ってくることとなり、モーニング娘。は「熟達したベテランの安心感」から、ふたたび「新鮮なにぎわい」を売りとするアイドルグループにかえるかのような方向をめざしつつあるようです。私としては、名前が南国っぽいのに明治時代の美人写真にうつっていてもおかしくないような純和風顔の譜久村さんと、保田圭・小川麻琴といったいろものレジェンド(でも信頼できる実力派)たちの後継者となる雰囲気たっぷりの鈴木さんに大いに期待したいところです。
しかし! 今年いっぱいで高橋さんがいなくなったとしても、次期リーダーだと目される新垣さんやエース田中さんたちはもちろん健在。高橋時代の気風がすべてリセットされることにはならないでしょう。
新メンバーのフレッシュさと先輩メンバーの経験とがどう融合していくのか? うまくいけば、それこそまさに「人気」と「実力」、世阿弥のいうところの「時分の花」と「まことの花」とがガッチリコンとドッキングした「史上最強のアイドルグループ」になることは間違いありません。
さぁ、どうなるかしらねェ~!?
とにかく、高橋リーダーの勇退と第9期の成長、そして第10期の顔ぶれまでもがまだ「これからのこと」になっている現時点でモーニング娘。をあつかう項目をしめなければならないのが実におしいです~!
高橋リーダーの卒業コンサート、行きたいね~!! 「ざっくりすぎるアイドルグループ史」なんてのを3ヶ月もやってる私なんだぜ!? 行かぬわけにはいかないでしょ~。
結論。
AKB48だももクロちゃんだぱすぽ☆だスマイレージだとにぎやかな昨今ではございますが。
『長岡京エイリアン』は、モーニング娘。を応援します!!
オイオイオイそうだい、まだ肝心のAKB48の現在をあつかっていないくせに結論が早いじゃねぇか! と思われる向きも多いかと存じます。
AKB48とモーニング娘。が、「たたかうフィールド」のまったく違うアイドルグループであることは前にもふれましたが、先に結論から言ってしまうと、
私はモーニング娘。のあり方のほうが、好き。
こういうことです。
じゃあその一方で、現在、あのような見事なまでの帝国を築きあげてしまったAKB48のあり方とはなんなのか。
そのへんを次回以降はあつかっていくことにいたしましょう。こっちはこっちですごいんですよ~!? そりゃあ言われなくともご存じですよね。
……モーニング娘。の章、終わったね。ここだけで1ヶ月かかったわ。はひ~。
蛇足ですが、『長岡京エイリアン』はドリームモーニング娘。も応援します。
世間では「昔の栄光ひきずって!」とか「現役モーニング娘。の足をひっぱるだけじゃない?」などという批判的な意見も多いのですが。
いいじゃないですかぁ! 中澤リーダーはアラフォーアイドルなんだぜ!? グループのメンバーに母子ほどの年齢差があるんだぜ!?
かつての現役時代に必要不可欠な存在だったごっちんや辻ちゃん加護ちゃんがいない。その時点で「う~ん……」とおっしゃる方もいるでしょう。よくわかります。
しかし!!
私は、そうだいは!
特撮作品によく出てくる、「前にあんなに強かった敵怪獣や敵キャラが、復活したらめっちゃくちゃ弱くなってる。」というシチュエーションが大好きなんだー!!
わっかるかなぁ~? わっかんねぇだろうなぁ~。
あのしょこたんは、「特撮ヒーローが窮地におちいり、致命的なダメージを受けて変身を解除してダウンする。」というシチュエーションが大好きなのだと発言しています。まぁ、そんな感じ。
もーう大好きなの! 理屈上は「改造されて強くなっている」はずなのに、ぬいぐるみもクッタクタになってたりデザインの再現がうろ覚えでテキトーだったりしてぜんぜんかっこよくないの。
『ウルトラマン』の再生ドラコ。『ウルトラセブン』の改造パンドン。『帰ってきたウルトラマン』の2代目ゼットンに『ウルトラマンエース』の2代目ムルチ!
『ウルトラマンタロウ』の、改造巨大ヤプールと改造ベムスターと改造サボテンダーと改造ベロクロン2世がこぞって出てきた回はもう、最高だね。1人としてかっこよくない「怨念だけがオレたちのアイデンティティだ!! レッツゲッツうしろむきトゥモロー!」のダメダメ軍団なんだもの~。
フリーザ様もそんなあつかいを受けてましたよね。
だから、ドリームモーニング娘。大好き! たとえるのも失礼なものにたとえてしまった……おゆるしを~。
でも、本当に好きなんです。どうしたって現役時代に追いつけない。それでもなにかがあって、なにかを見つけたくてがんばってる。その姿勢が。
がんばってくださ~い。映画『篤姫ナンバー1』、絶対に観に行きます。
今朝はどうにも不思議な感じで、ラジオを生放送している東京のスタジオでは「予報は晴れときどき曇り」とか「今日も暑くなりそうですね!」などと言っているのに、千葉の私の家の窓から見える風景はもうザンザン降り、スコールのようなはげしい雨音に目が覚めてしまったあんばいです。
そうこうしているうちに、今度は雨雲が去って高い青空が見えてきましたねぇ。
入道雲はいいですよね。なにがいいって、雲の高度がたかいから、「青空の高さ」が立体的に見えてくるんですよね。ふだんはただ「青いなぁ。」というだけの印象なのに、入道雲の、青空との境界線に見える複雑な造作を見ていると「雲でっけぇ! 青空遠くて広い!」ということがよくわかるからおもしろいんだなぁ。
(リアルタイムでの出来事です)
うわっ、びっくりしたなぁもう! そんなことをタッタカターとうっていたら、ラジオ番組のリクエストで『天空の城ラピュタ』の主題歌『君をのせて』がかかったゾ。ちきゅう~は ま~わ~る~。
もう、最高。空と雲といえばコレよねぇ~。私、なんっかい観てもラスト30分のアクションシーンつるべうちのところで自分の手のひらが汗でぬるぬるになるんですよ。まさに、手に汗にぎる展開よね~。
青空に入道雲ときたら、甲子園ですよね~! なんか、年をとるごとに甲子園を観たい欲求が高まってくるねぇ。昔イノセントなガキンチョだったころは、実家の茶の間で地元県でもないチーム同士の試合中継をず~っと観ている祖父をながめては、
「なにがそんなにおもしろいんだろう? プロでもない知らない選手しか出てこないのに。」
「もう、ニュースで結果だけ見たらいいじゃないの~。お昼だから早く『あなたの知らない世界』見せてよ~!」
といった不平しか持っていなかったのですが。
ガキだね~!! いや、ガキだったんですけど。
今だからこそよくわかる祖父のたのしみ。スポーツというものは本来そうやって楽しむものなのかもしれない。そう考えるようになったのはつい最近のことでした。
つまり、そうだい少年があさはかにも当時の「おもしろい、おもしろくない」の基準にしていた、「登場人物の能力の高さ」や「パッと見ですぐにわかるスターがいるかどうか」、そして「自分の応援しているチームが勝ったか負けたか」という部分。それだけじゃない! それ以外の部分にも楽しみはあるのではないかと。
もちろん、たとえばプロ野球の世界では選手のスター性やペナントレースの順位表という部分も充分に楽しむ要素になるわけなのですが、もっとも人の心を動かす要因になるのは、
「いろんな人生のいきさつがあって、その結果としてその日その時のその試合に出場している人たちが、どんな団結を見せてひとつのチームとなるのか?」
そこなんじゃなかろうかと。つまり、実状は知らなくてもいいとして、その子がどんな心境で白球を投げていて、あの子がどんな思いを込めてバットを振っているのか、なぜこの子はそんなに汗だくになり、涙目になりながらポンポンを上げ下げしているのか、そこに観るものの思いをはせさせてくれるそれぞれの「熱量」こそがスポーツの、いやさ、「人のいとなみ」のすばらしさなんじゃなかろうかと思うんですなぁ。今、おっさんになりつつある私は。
……ちょっと話が大きくなりすぎたね。
まぁ、結局ですね! この「ざっくりすぎるアイドルグループ史」にあらわれては消えていったさまざまな面々。当然ながら変転はげしい芸能界の荒波の中で、国民的なブレイクをはたしたグループもあれば一瞬にして退場していったグループもあり、「ほとんど運だな、この人……」という方もあれば「こんなにかわいくて歌もうまいのになぜパッとしない……時代がいけなかったのか?」という方もいらっしゃいました。
私のざっくりしたまとめにさえ入るほどの知名度を得た彼女たちは、「アイドル」というジャンルの中ではまごうかたなきトップエリート。プロ中のプロであるわけなのですが、そもそも「アイドル」というジャンルそのものが、「プロらしくない未熟感」や「これからビッグになっていくんじゃないか感」も強い魅力のひとつに組み入れているわけでしたので、少なからず「プロ野球」的だけではない「甲子園球児」的な魅力も必要な世界であるはずなのです。
そこでいよいよ! 約1週間ぶりにモーニング娘。の話題でございます。
2007年6月。
第5代リーダー・ミキティのあっという間の「脱退」さわぎによって不安の視線をあびながら発足した、当時20歳の第6代リーダー・高橋愛の新体制モーニング娘。
しっかし! 前回の資料をご覧いただいてもおわかりの通り、高橋リーダー時代は今年秋に予定されている勇退までに実に4年半の長きにわたって続く長期体制となりました。もちろんこれは歴代リーダー史上最長です。
4年半ですよ、4年半。もしかしたら「そんなに長くないじゃん?」と感じる方もおられるかもしれないのですが、なぁ~にいってんのよあぁた。
「アイドル業界での4年半」なんてものは、はっきり言って「世代2つぶん」くらいの長さでしょ? まずは4~5年アイドルであり続けるということが至難の業なんですよ。
1997年の秋に産声をあげたモーニング娘。だったわけなのですが、それから14年の時をへようかとしている2011年現在の彼女たち。その血肉の大部分をしめているのは、間違いなくこの高橋リーダー時代の空気を呼吸してきたメンバーの経験であり、業績です。
とはいえ、実はテレビなどでの「露出度」や「CDセールス」という点では、残念ながら高橋時代はそれ以前とくらべてかなりの不遇をしいられており、ど~しても! 中澤リーダーやなっちやごっちん、辻ちゃん加護ちゃんにチャーミー・よっすぃ~ペアがいた時代のモーニング娘。ほどの強いインパクトは持てていない、というのが世間の大部分でのイメージなのではないでしょうか。だからこそ、ドリームモーニング娘。という「蜃気楼」も発生するわけね。
でもねぇ、これももしかしたらひとつの戦略だったのではないか? と思えなくもないの。
CDセールスの問題はもう、モーニング娘。の楽曲がどうとかアイドルブームがどうとかいう話ではない全体的な需要の落ち込みが起因しているので、昔のようにポンポンとミリオンヒットが出ないこともしょうがないのですが、「露出の制限」は間違いなく、モーニング娘。のスキルアップ、そして「他のグループとはひと味ちがう娘。」づくりを狙ったコンサートスケジュール中心の修行期間だったのではないかと。前の「ざっくりすぎるアイドルグループ史」でも、私は「時間が流れて成長を始めたモーニング娘。」という言い方でそのあたりに触れた……よね?
まぁこんな方針転換もあったわけなので、モーニング娘。の最近の動向を知らない方が高橋時代をさして、
「モーニング娘。って、今なにやってるの?」
と思われることもあるのかもしれませんが、そりゃああなた、
歌、唄って踊ってたんだよ!!
としか言いようがないですよね。
ちょっとでも高橋時代の曲を聴いてPVを観ていただいたらわかります。モーニング娘。はとてつもないレベルの高さのアイドルグループになっています。
いや、ここまで歌唱力もパフォーマンス力(ダンスから表情、立ち姿まで!)もガン上がりになってしまうと、もはやアイドルではないのでは……そんな考えもよぎってしまうほどの世界に、2010年いっぱいまでの彼女たちはのぼりつめていってしまいました。
思えばモーニング娘。は、1997年には当時の時流にのって「ヴォーカルダンスグループ」として結成され、ごっちんや辻ちゃん加護ちゃんという互換性のきかないスターが登場したことによって新世紀の「アイドルグループ」に変容していくこととなりました。
そして、ほとんどメンバーの異動しなかった約4年間の高橋時代は、そのストイックなレベルアップによって、さらに「モーニング娘。」としか言いようのない1ジャンルを築くプロ集団になってしまったのです!
「ンなおおげさな!」とおっしゃる方もおられるかもしれませんが、私は山口百恵さんがアイドルでも国民的歌手でもない「山口百恵」というジャンルを創造したような域に、2010年時点のモーニング娘。もイッちゃったんじゃないかと考えているんですね。もういぶし銀よ~。
ここらへんはもう、多分に「バラエティ」よりも「歌手」のほうにウェイトをおいていた高橋リーダーの背中を見てメンバーがついてきた、という空気があったんじゃないかなぁ。
もちろんのこと、高橋リーダーとともに「10年間アイドルであり続ける」という『プライベート・ライアン』なみの戦場をかいくぐってきた現サブリーダー・新垣里沙さんの存在も忘れるわけにはいきません。
名コンビだね。たぶん、『太陽にほえろ』の石原裕次郎と露口茂みたいな1・2トップだったんじゃないかしら。じゃあ、田中れいなは松田優作? ショーケン? まだ殉職してないけど。
ここで、ばびょ~んっと話がとびます。
先日、いつものようにラジオを聴いていたら、パーソナリティの爆笑問題とゲストのももいろクローバーとのあいだでこんな会話がありました。
田中 「たとえばどんな先輩アイドルをめざしてるの?」
全員 「モーニング娘。さん!」
田中 「あぁ、やっぱりそうかぁ。」
百田 「でも、ももいろクローバーを結成してしばらくたった時に、私たちはモーニング娘。さんとは違うなぁ、と思ったんですよ。」
太田 「どこらへんが?」
百田 「だって私たち変なこといっぱいやるんですよ、ふりつけでコマネチやったりしてるし……」
太田 「えぇ? モーニング娘。だってそんなこといっぱいやってたよ?」
田中 「ウー!ハー! とか、セクシービーム! とかってねぇ。」
百田 「いや、今のモーニング娘。さんは……」
いちいち録音していたわけではないので多少言い方は違っていたかもしれませんが、だいたいこんな感じだったんですよ。
端的ですね~! つまりは、世間の記憶に残っているモーニング娘。を代弁する爆笑問題と、「同じ業界の現役の大先輩」としてのモーニング娘。をリアルタイムに肌身で感じているももクロちゃんとでは、同じグループのことを話題にしているとはとても思えない「イメージの食い違い」が生じていたんですなぁ。
まぁこんなわけで、ミキティリーダー時代以前とは一線を画する新境地を開拓したモーニング娘。だったのですが、ついに今年2011年、新たなる夜明けが始まるさまざまな予兆が!
1月に発表された、4年ぶりの新メンバー「第9期」4名の追加加入! そして、現リーダー高橋愛の今年秋での卒業。驚くべきことに、今は次なる「第10期メンバー」のオーディションが開催されているというあわただしさ。
「10年間モーニング娘。だった」という、今までのモーニング娘。をまさに体現する存在だった高橋さんが卒業し、一気に新しいメンバーが多数入ってくることとなり、モーニング娘。は「熟達したベテランの安心感」から、ふたたび「新鮮なにぎわい」を売りとするアイドルグループにかえるかのような方向をめざしつつあるようです。私としては、名前が南国っぽいのに明治時代の美人写真にうつっていてもおかしくないような純和風顔の譜久村さんと、保田圭・小川麻琴といったいろものレジェンド(でも信頼できる実力派)たちの後継者となる雰囲気たっぷりの鈴木さんに大いに期待したいところです。
しかし! 今年いっぱいで高橋さんがいなくなったとしても、次期リーダーだと目される新垣さんやエース田中さんたちはもちろん健在。高橋時代の気風がすべてリセットされることにはならないでしょう。
新メンバーのフレッシュさと先輩メンバーの経験とがどう融合していくのか? うまくいけば、それこそまさに「人気」と「実力」、世阿弥のいうところの「時分の花」と「まことの花」とがガッチリコンとドッキングした「史上最強のアイドルグループ」になることは間違いありません。
さぁ、どうなるかしらねェ~!?
とにかく、高橋リーダーの勇退と第9期の成長、そして第10期の顔ぶれまでもがまだ「これからのこと」になっている現時点でモーニング娘。をあつかう項目をしめなければならないのが実におしいです~!
高橋リーダーの卒業コンサート、行きたいね~!! 「ざっくりすぎるアイドルグループ史」なんてのを3ヶ月もやってる私なんだぜ!? 行かぬわけにはいかないでしょ~。
結論。
AKB48だももクロちゃんだぱすぽ☆だスマイレージだとにぎやかな昨今ではございますが。
『長岡京エイリアン』は、モーニング娘。を応援します!!
オイオイオイそうだい、まだ肝心のAKB48の現在をあつかっていないくせに結論が早いじゃねぇか! と思われる向きも多いかと存じます。
AKB48とモーニング娘。が、「たたかうフィールド」のまったく違うアイドルグループであることは前にもふれましたが、先に結論から言ってしまうと、
私はモーニング娘。のあり方のほうが、好き。
こういうことです。
じゃあその一方で、現在、あのような見事なまでの帝国を築きあげてしまったAKB48のあり方とはなんなのか。
そのへんを次回以降はあつかっていくことにいたしましょう。こっちはこっちですごいんですよ~!? そりゃあ言われなくともご存じですよね。
……モーニング娘。の章、終わったね。ここだけで1ヶ月かかったわ。はひ~。
蛇足ですが、『長岡京エイリアン』はドリームモーニング娘。も応援します。
世間では「昔の栄光ひきずって!」とか「現役モーニング娘。の足をひっぱるだけじゃない?」などという批判的な意見も多いのですが。
いいじゃないですかぁ! 中澤リーダーはアラフォーアイドルなんだぜ!? グループのメンバーに母子ほどの年齢差があるんだぜ!?
かつての現役時代に必要不可欠な存在だったごっちんや辻ちゃん加護ちゃんがいない。その時点で「う~ん……」とおっしゃる方もいるでしょう。よくわかります。
しかし!!
私は、そうだいは!
特撮作品によく出てくる、「前にあんなに強かった敵怪獣や敵キャラが、復活したらめっちゃくちゃ弱くなってる。」というシチュエーションが大好きなんだー!!
わっかるかなぁ~? わっかんねぇだろうなぁ~。
あのしょこたんは、「特撮ヒーローが窮地におちいり、致命的なダメージを受けて変身を解除してダウンする。」というシチュエーションが大好きなのだと発言しています。まぁ、そんな感じ。
もーう大好きなの! 理屈上は「改造されて強くなっている」はずなのに、ぬいぐるみもクッタクタになってたりデザインの再現がうろ覚えでテキトーだったりしてぜんぜんかっこよくないの。
『ウルトラマン』の再生ドラコ。『ウルトラセブン』の改造パンドン。『帰ってきたウルトラマン』の2代目ゼットンに『ウルトラマンエース』の2代目ムルチ!
『ウルトラマンタロウ』の、改造巨大ヤプールと改造ベムスターと改造サボテンダーと改造ベロクロン2世がこぞって出てきた回はもう、最高だね。1人としてかっこよくない「怨念だけがオレたちのアイデンティティだ!! レッツゲッツうしろむきトゥモロー!」のダメダメ軍団なんだもの~。
フリーザ様もそんなあつかいを受けてましたよね。
だから、ドリームモーニング娘。大好き! たとえるのも失礼なものにたとえてしまった……おゆるしを~。
でも、本当に好きなんです。どうしたって現役時代に追いつけない。それでもなにかがあって、なにかを見つけたくてがんばってる。その姿勢が。
がんばってくださ~い。映画『篤姫ナンバー1』、絶対に観に行きます。
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