インテルのパット・ゲルシンガーCEOは米政府からの補助金をてこに積極投資する方針
を示してきた=ロイター
【シリコンバレー=清水孝輔】
バイデン米政権は26日、米インテルが米国の複数の州で投資する半導体工場への補助金が最終決定したと発表した。
支給額は最大78億6500万ドル(約1兆2000億円)で、当初想定していた最大85億ドルから減額した。インテルは業績低迷からの立て直しに向けて早期に補助金を受ける重要性が高まっていた。
補助金はCHIPS・科学法に基づくもので、米政府は3月にインテルへの支給方針を発表していた。インテルはアリゾナ州やオハイオ州など米国内の複数の州に合計で900億ドルを投資する計画だ。
補助金の金額は3月時点の想定に比べ6億ドル以上減った。米政府はインテルに対し、9月に別の枠組みで追加で最大30億ドルの補助金を拠出すると決めた。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は政府高官の話として、この追加拠出を減額の理由として挙げた。
バイデン政権はトランプ次期政権が25年1月に発足する前に補助金の支給を確定させようと急いでいる。
15日には半導体世界大手の台湾積体電路製造(TSMC)がアリゾナ州で建設する新工場への66億ドルの補助金支給を最終決定したと発表した。
インテルは半導体の製造と設計をともに手がける米国の唯一の企業だ。
米政府の後押しを受けて米国内の製造能力を強化してきたが、先行投資がかさむ中で補助金の支給の遅れが懸念材料となっていた。
インテルは業績が低迷し、9月には米クアルコムから買収の打診を受けたことが明らかになった。
ただインテル全体を買収するのはハードルが高く、米ブルームバーグ通信は25日に「クアルコムがインテル買収をめざす関心が後退している」と報じた。
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日経記事2024.11.27より引用