前日比700円超上げ、終値で4万0281円をつけた日経平均株価(27日、東京都中央区)
27日の東京株式市場で日経平均株価は3日続伸し終値は713円(1.8%)高の4万0281円となった。終値の4万円台は7月19日以来ほぼ5カ月ぶり。この日の取引から受け渡し日が2025年になる実質的な新年相場となった。
新NISA(少額投資非課税制度)の25年分の非課税枠で買える初日でもあり、個人投資家が買いに動いた。
「新年のNISA枠を使って個人投資家が買いに動き始めたようだ」。松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストはこう話す。
松井証券の顧客による午前の取引では、NISAの25年の枠を使った日本株の購入額は19億円だった。24年の枠で買える初日だった23年12月28日の午前の購入額18億円を上回る。前日の24年枠での購入額は終日で10億円だった。
買い付け上位はJT(日本たばこ産業)や三菱商事、ホンダだった。
初日からNISA枠を使おうとする個人は多い。大手生保に勤務する40歳代の男性は、ソフトバンクやJTなど値動きが安定した高配当銘柄を買おうと、朝から相場を眺めている。
昨日は課税口座で購入して含み損を抱えていたRIZAPグループ株を売却し、24年の枠で買い直したばかり。NISA枠をフル活用しようと工夫する。
一方、神奈川県在住の50代の男性は「トランプ次期米大統領が就任するまでは買いは様子見」と話す。この日は、優待の権利を取得し終えた楽天グループ株などの売却のみで早々に取引を終えたという。NISA経由の買いはじわじわ広がっていくとみられる。
NISA枠の使い方は多様だ。新たな枠を使って新規投資をする個人だけでなく、前日までに課税口座で買っていた株を売却し、今日からNISA枠で買い直す動きもある。
年末にかけて含み損を抱えた銘柄を売却して売却益を抑える「節税売り」が目立っていたが、買い直しの動きもある。
27日、個人の買い意欲を映したのが東証グロースの上場銘柄や新規上場株だ。東証グロース250は前日比2%上げ、約1カ月ぶり高値を付けた。
27日に東証グロース市場に上場した主婦層向け求人サイト運営のビースタイルホールディングス株の初値は公開価格(2070円)を61%上回る3325円だった。
ニデックが工作機械大手の牧野フライス製作所にTOB(株式公開買い付け)を提案すると発表したことも注目を集めた。発表を受けて牧野フ株は制限値幅の上限(ストップ高)の水準まで気配値を切り上げている。
著名個人投資家、夕凪さん(ハンドルネーム)は「新年相場でも『TOB合戦』は増えていく」と期待し「割安でかつ事前報道があるような銘柄は今後も積極的に狙っていくつもり」と話す。この日の牧野フ株については「前日までに報道がなく買うチャンスはなかった」と悔しさをにじませた。
楽天証券の窪田真之チーフ・ストラテジストは「NISAを利用した個人の月額の積み立て投資金額はどんどん増えている」と指摘する。新年は、個人マネーが日本株にとっていっそう重要な年となりそうだ。
馬鹿につける薬なし!!! ミジンコ。