あちこち散歩みち

近畿圏内を小さくあちこち歩き・たまに寺社めぐり・日々のとりとめない暮らしなどを書いています

ヤマトタケル

2020年11月13日 | 

いま読んでいる本がおもしろいのです。

 

「古事記」のなかでは、ヤマトタケルは

父帝である景行天皇から疎まれて、王権の中心から疎外され、

辺境に追いやられ続けています。

悲劇的な英雄として文学的な表現で描かれているそうです。

 

ヤマトタケルの暴力性は、兄のオオウスノミコトを

殺してその手足をもぎとり、薦(こも)に包んで投げ捨てたりで、

そんな反秩序的な態度が、周縁に追いやられる原因となったようです。

 

父の命令を受けたヤマトタケルは、西国のクマソタケルを討伐したり、

東国の荒ぶる神を鎮めるようにと、休む間もなく派遣され続けます。

 

クマソタケルの兄弟を討つあたりの描写は特によくて、

美しい童女になりすまして、討ち果たす箇所は、悲惨なのだが

悲惨さは感じないほど、おもしろい表現です。

痛快な部分だと思います。

 

父帝から見捨てられた悲劇の主人公として、

強いられた孤独のヤマトタケルとして、文学的に描かれているのです。

 

古代のお話っておもしろいですね

 

「日本書紀」では、違うのですね。

景行天皇に忠実な皇子として描かれているみたいです。

父帝の信頼を受けつつ、行動している様子が描かれているそうです。

 

こうした、いにしえの『古事記』と『日本書紀』との

描き方に違いがあるのも、理由があるそうですよ。

 

コメント
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