路地猫~rojineko~

路地で出会った猫と人。気付かなければ出会う事のない風景がある。カメラで紡いだ、小さな小さな物語。

ねずみの国(後編)

2008-07-21 | ★アトリエ
      
             ~ねずみの国(前編)から読む~



ねずみはとてもスッキリしました。そして、ホッとしました。
その事を次の日、工場で働く仲間に話したのです。

「僕は具合が悪かったけれど、掘った穴に話したらスッキリしたよ」

それを聞いた仲間のねずみは自分もスッキリしたいと思い、真似をしました。
穴を掘り、穴に話す。
ねずみの国では、ほとんどの者達がそれを繰り返しました。


ねずみの掘った穴はモグラの穴に繋がっていて、
それは世界中のモグラの穴に通じていたのです。
しかし、地中のモグラ達はねずみ語が全く解かりません。
自分達と違う国の言葉は不思議な響きを持つ音楽のようで
目が見えないモグラの楽しみでもありました。

モグラ達の間で、解からない言葉を解からないまま、
歌うように伝言ゲームが大流行。
ねずみの言葉は、地中を行ったり来たりです。


いつもお城のてっぺんにいる王様は、地上でモグラに聞いた
ねずみ語で歌う鳥のさえずりを、
王冠に隠した大きな耳で、確かに聞く事になるのです。

♪~王様の耳は猫の耳だ~♪

秘密を知られた王様は慌てふためきます。
目は見開き、毛は逆立ち凄い形相です。
…まるで猫のよう…いいえ、猫だったのです。

その時です。
ねずみ達の愚痴や不満でパンクしそうに膨らんだ地面が
パンッと弾けたのです。


誰もがねずみだと思っていた猫の王様が治めたねずみの国は、
地中が発酵したきな臭い匂いを残し、シャボン玉のようにアッと言う間に
跡形もなく消えて無くなりました。




          ーーおしまいーー





   あははは。未来のないお話ですいません。
   落書きついでの戯言ですので、あしからず。



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コメント (8)
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