穴にハマったアリスたち

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(第16話)トロピカル~ジュ!プリキュア「魔女の罠!囚われたローラ!」感想

2021年06月13日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■(第16話)トロピカル~ジュ!プリキュア「魔女の罠!囚われたローラ!」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第16話より)

山を登ったり川を下ったりする日々の中、ローラはあてどなくモンヤリ気分。
彼女の目標は「人魚の女王になる」こと。だけれど地上で過ごす内に、今までになかった気持ちも沸き上がり…。

アンデルセンの「人魚姫」は、人魚好きとしては若干ひっかかる点がある。あの物語は、人間世界を至上としています。
そのため「多数派に受け入れてもらうには、代償を払わねばならない」ネガティブな側面を抱えてしまっている。
人魚からすれば海中こそがメインの世界なんですから、「人間になる」=「幸せ」はホモサピエンスの傲慢です。

水族館の館長さんも語ったように、地球の表面積の7割は海。しかも立体的に活用できるので、生物が生息できる「体積」で考えると地上の2倍どころではありません。世界の中心は海だ。地上世界など辺境のごくごく一部に過ぎない。

みのりん先輩の「人魚姫」の解釈も前向きです。
「受け入れてもらうために譲歩する」話ではなく、「やりたいことのために努力する」話。つまりは勉強のために遊ぶ時間を失うのと同じ。
「テストのために勉強するのは、遊びを後回し(犠牲)にしているのか」問題に言及してくれました。
なるほど、「人魚」のハイブリッド性をこういう形でテーマに絡めるのか。

一方、夏海さんは「女王でも部活でもなんでも応援する」とおっしゃっている。言い回しが微妙です。「両方やったらいいよ」の意味なのか、「どちらを選んでも応援するよ」の意味なのか…。
魔女陣営の皆様の愚痴も示唆的です。口々に「本職は違うのに、やる気パワー集めをさせられている」と述べている。が、だからといって手を抜きもしていない。事実、今回は見事に作戦を成功させています。

これらの流れを見ると「代償を払ってでもチャレンジする」方向なのか、「代償など不要。両立できる」の方向なのか。どちらなんだろう。
言い換えると「(楽しいことや大事なことを)後回しにしてでも挑むべきことがある」なのか、「すべてのことは目的のために活用できる。後回しなどない」なのか。
ローラは「遊び(=無駄なこと)などない」とも発言していますから、どちらかといえば後者なんだろうか。

来週、ローラがプリキュアになるとして、考えてみれば変身前は人魚のままなんだろうか。そうだとすれば「部活を一緒にやる」等はいずれにせよ果たせません。いやプリキュア姿でやればいいのだけど。
たぶんテーマへの解答にも直結するはずで、非常に気になる。「人魚」ギミックをここまでテーマに組み込んでくるとは思わなかった。さすがプリキュアさん。

【ハイブリッド】

西洋式のマーメイドは伝統的に鏡と櫛を手に持っています。今回もローラは鏡を覗いている。
元々マーメイドは、キリスト教的には聖職者を惑わすサキュバス同然の扱いからスタートしたため、虚栄や性アピールのために鏡等を持たせていたらしい。
それが時代を経るにつれ、家庭的とか清純さのモチーフにも変遷したそうです。完全に逆転している。

今回のマニュキュアのシーンも、「子供らしい」のか「背伸び」なのか、「健全」なのか「華美」なのか、見方によって色々と変わる。
家庭らしさと虚栄等が相反するものか等々は横に置くとして、「人魚」は矛盾や対立を多々含んでいるので、今作のテーマに物凄くマッチしていそう。

【魔女様】

あとまわしの魔女様は「人魚が人間の手助けをしている」と認識されていた。
もともと「グランオーシャンが危機なので、プリキュアを得るために人間とコンタクトを取った」と思っていたのですが、何か経緯が違うような?
第1話冒頭を見返してみると、女王様は次のようにおっしゃっている。

「またいつ敵が現れるかわかりません」
「あとまわしの魔女の手が人間の世界にも伸びようとしています」
「世界を守るのです」

これにローラは「なんで人間なんかの助けを?」と答えています。
私はてっきり「なんで人間なんかの助けがいるのか」だと思ったのですが、「なんで人間を助けるのか」の意味だったんだろうか。
どちらにも取れる絶妙の言い回しをあえてしているような気すらしてきた。
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(第15話)トロピカル~ジュ!プリキュア「みのりがローラで、ローラがみのり!?」感想

2021年06月06日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■(第15話)トロピカル~ジュ!プリキュア「みのりがローラで、ローラがみのり!?」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第15話より)

不慮の事故により、みのりん先輩がアクアポットに吸い込まれました。
察するに「くるるんが文鎮替わりに置かれていたことで、横断幕が「くるるんの所持物」とみなされ、それに巻き込まれた」と思われます。
ポットの中は海水。溺死の危機。
しかしながら幸か不幸か、一緒に突入したローラのおかげかすぐに排出されました。結果、みのりん先輩とローラの精神が入れ替わりましたが。

入れ替わったローラは文字通りに跳ね回り、地上の世界を謳歌します。
同様に、みのりん先輩も海を目指して飛びたっていく。
大変に愉快で楽しい一幕なのですが、「人魚に地上を満喫させる」のは古来より厄介な問題をはらんでいます。

先日ローラは「堂々と顔を出せない」ことを嘆いていました。
でも現実には単純で簡単な方法がある。車いすを使えばいい。戸籍等の問題をクリアできるなら、たったそれだけで登校も可能です。
(参考までに、映画「恋の人魚(Miranda:1948年公開)」は人魚が車いすで地上を出歩く)

ですが、この描写はできない。ローラが足を生やす予定があるなら猶更です。

(1)歩けないことが「悪」かのように映ってしまう。
「車いすだと楽しめない」「足が生えたので解決」のような展開にすると、かなり大きな誤解を招く。

(2)ローラの「尾びれ」はハンデではない。彼女は海中生活に適応している。海中であれば、人間の足こそが不利だ。
これらをデメリットとしてしまうのは、異なる文化の否定につながる。

アンデルセンの「人魚姫」はもちろん、アラビアンナイトやそれ以前から、「人魚」は「異なる存在」をテーマに抱えています。(故に、身体障碍者やLGBTのシンボルにしばしば「人魚」は採用されている)

「人魚姫」の「代償を払って足を生やす」ストーリーも、見方によって意味あいが強烈に変わります。
「主要世界に受け入れてもらうには巨大な代償を払わねばならない」受動的な忍従の話なのか、「リスクを恐れず新世界に飛び込んでいく」積極的なチャレンジの話なのか。
実際にディズニーの「リトル・マーメイド」はジェンダー問題に巻き込まれています。

斯様に「人魚さんに足を生やす」のは難しい課題なので、人魚さんは人魚さんとしての矜持を胸に、尾びれを大切にして欲しいのですが、逆に言えばこの問題に向かい合わないなら、登場人物として人魚を採用する意味が半減するとも。

これまでのローラの描写から「海中より地上が良い」のような方向はなさそう。
ローラが地上を楽しんでいたのは、「今までが不幸だったから」というより異郷への好奇心のように思えます。確かに「不便だった」とは語っていますが、例えるなら「旅先で現地語を知らないせいでストレスが溜まっていたところ、急に言葉が分かるようになった」ような状態というか。

先輩側も、人魚になった機会を活かし「海の中で感動する」描写があったのは嬉しいです。人魚さんは罰ゲームじゃない。
ただ「ローラと比べ、みのりん先輩はそこまででもなさそう」なのが引っかかります。先輩は感情が表に出てこないので、判断が難しいですが。
ラストシーンで「尾びれを見つめるローラ」も何を思ってるのか悩ましい。プラスの感情なのか、マイナスの感情なのかも読めません。

過去の入れ替わり事例「パインとタルト」「ハッピーとキャンディ」と違い、「入れ替わったままでは変身できない」のも気になります。
「肉体と精神がセットで自分」とか、そういう感じだろうか。その観点でいえば、あの状態のローラ(中身は先輩)が試みても変身できなかったんじゃないかな。
そう思うと、上記の諸々の「人魚ならでは」の問題を意識されてるっぽい。

今のところ「ローラに足が生える」ことと「今一番大事なこと」がどうリンクするのかもはっきり分からない。
これまで丁寧に扱ってくれているので、次回や次々回が楽しみです。
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(第14話)トロピカル~ジュ!プリキュア「おまかせ!保育園でトロピカ先生!」感想

2021年05月30日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■ (第14話)トロピカル~ジュ!プリキュア「おまかせ!保育園でトロピカ先生!」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第14話より)

顧問の先生の紹介で、保育園の保育体験をすることになりました。
この先生、ぼんやりして見えるけど密かに優秀なのかもしれない。
保育士体験は毎年の恒例とのことなので、おそらくは例年の手順(希望者を募るといった)があったはず。それを「部の活動に良さそう」と引っ張ってきた。
これまでの「備品持ち込みの許可」といい「サンドアート大会の段取り」といい、常人にはいまいち分かりにくいトロピカる部の活動に、やたらと理解があります。夏海さんも成人したら、あんな感じの方になるのかもしれない。

保育体験そのものは、特にはイレギュラーもハードルもなく、和やかに大成功。
「ローラが問題なく受け入れられている」ことは特筆したい。
劇中では全く描写されていませんが、おそらくローラは「歩けない人」と認識されたと思われます。そしてそれが問題視もされないし、イベント事になるでもない。わざわざ言及するまでもなく、騒いだり認めたりすることでもなく、ごく普通に溶け込んでいる。
今回の舞台であれば、「ローラお姉ちゃんは何で歩けないの?」みたいな疑問をぶつけられる展開もおかしくはなさそうですが、今ではもう時代遅れなんだと思う。そういう個々の事情は当たり前に日常にある。

改めて考えてみれば、ローラは影に隠れる必要が全くないんだな。さすがに学内だと在校生でないことが問題になってしまいますけど、外であれば尾びれを隠せば「歩けない」ことは障壁にならない。
以前の変装の際には「無理に歩く」ことを試みていたのが、今回は素直に「飛び跳ねて」移動しているのも、何か良いです。あの時は「「歩けない生徒」の存在は風紀委員の目をごまかせない」と思い頑張ったのか、それとも後から「歩けなくてもトラブルにはならない」と気づいたのか。

そうして保育に参加したローラは、見事なお仕事ぶりを発揮します。「女王様候補が保育士体験」となると、思うようにいかず壁にぶつかるようなストーリーになりがちな気がするのですが、そうはならない。「お仕事ぶり」というか、素の彼女が人を率いるに向きまくってるのだと思う。いやもう何か、回を重ねるごとに「確かにこれは女王候補だ」と納得しまくりです。
虫にせよ「地上の姫の作法」にせよ、人魚としての矜持は持ちつつ、地上文化を先入観を持たずに吸収しまくってます。「誰かと遊ぶ暇なんてない」と豪語なされていたのも、彼女にとってはすべてが女王となるために必要なことであり、女王の職務に活かせるとの自負故だと思います。いや過剰評価してる気がするけど。サカナへの高評価が止まらない。

現女王様は案外あとまわしの魔女はどうでもよくて、研修の一環として送り出してるだけだったりしないだろうか…。冷静に考えてみれば、戦力が揃ったんだから王国の防衛に戻す方が自然なはずなのに、その素振りが全くない。地上に来る敵を迎撃しているだけなので、このままだと戦いが終わる日が来ません。ローラはその辺、どう認識してるんだろう?

虫少年の価値観を否定しないのも、友達と遊ぼうを殊更に強調しないのも、時代を反映していると共に、ローラの背景にも沿ってるように思う。その上で虫少女との出会いを好意的にとらえているのも、とても良い。

トロプリのキーフレーズ「今一番大事なこと」を、第6話時点では「タイミングが限定され、先々に活きること」「将来を見据えた上で、優先順位や機会損失や適切さや妥当性を、適時判断して行動せよ」だと受け取ったのですが、相羽さん(Twitter)がもっとビシッと言葉にされていたので引用したい。

[引用]
1000の問題の解決策のコアになるようなエッセンス的な対処能力が身につくAct(行動)
[引用終]
「トロピカる」というAct(行動)の質の向上~『トロピカル~ジュ!プリキュア』第1クールのエッセンス

園児の皆々様はまさしくそれを身につける大事な時間を歩み始めているわけで、保育士体験はド直球です。改めて顧問の先生が優秀すぎる。部のポリシーを(たぶん夏海さん本人よりも)理解しきってないか。

虫が大好きなあの少年少女が、直接的に虫に関する仕事をするのかはわからない。無関係な職についたり世間一般と同様な虫嫌いになったりすることの方が多そうだし、二人の関係も卒園とともに疎遠になり、やがてお互いの存在すら忘れてもおかしくない。でもそれとは別に、興味のある分野を調べるとか、それを分かってもらえた嬉しさとかは、人格形成の根っこになるはず。

あの子らはサナギを気にして避難が遅れた。リアルでいえばこれは極めて悪手です。火事の最中に、玩具を取りに戻るようなものだ。
ですがテーマとしては分かります。あの子たちの根っこの大事な部分であり、幼いながらも必死に守ろうとしている。そしてそれを守るものこそ、プリキュアだ。おぉ…、ここにきて、人魚さんに押されがちだった「プリキュア」の存在感がでてきた。

「子供を守って戦う」図はこれまでも何度も出てきましたけど、「トロプリ」さんは例年以上にメッセージを感じます。
エルダの出撃の背景が「分かってもらえなかったこと」だったりするのも対比になってるように思えるし、何かトロプリ熱が止まりません。まだ14話でこれとは、今後どういう展開になるんだろう?
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(第13話)トロピカル~ジュ!プリキュア「ドタバタ校内放送!響け、人魚の歌!」感想

2021年05月23日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■(第13話)トロピカル~ジュ!プリキュア「ドタバタ校内放送!響け、人魚の歌!」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第13話より)

人魚さんといえばお歌。
太古の昔から歌声一つで船を沈めてきた勇壮なる歴史に、夏海さんも興味津々。
ねぇねぇローラも船沈めたことあるー?魂とか抜くよねー?

しかしながらローラの反応は意外に冷たく。曰く、そんなことはしないそうです。
我々の史実に基づくなら、「人魚が歌う」のイメージはギリシア神話のセイレーンによるらしい。セイレーンが何故歌うかといえば、元々鳥の化け物だから。鳥だから歌う。
それが姿かたちが人魚に変化した後も特殊能力「歌」は残ったままだったので、「人魚=歌う」のイメージがついたと思われます。
したがって、ローラが歌で魂抜いたりしないのはリアルです。人魚さんからすれば風評被害もいいところ。

ただ歌うこと自体はお好きな様子。海の中って水圧のせいで娯楽や技術に制約あるものな。歌が娯楽として進歩するのは納得できる。
同じ理由で武器としても発展しそう。現にクジラ等々、音響兵器を実装しています。やっぱり魂抜いたりするんじゃないかしら。物理的に。

さて夏海さんらは昼の校内放送に出演することになりました。
この過程のドタバタぶりが凄まじい。

たまたま廊下で放送部に遭遇する。
みのりん先輩のクラスメイトの縁もあり、出演を希望。
本番前に現場を見学。
その最中に放送部員がダウン。
急遽台本を引き継ぎ、生出演。
台本読めない。放棄。
虫襲来。
夏海さん一時離脱。
「声しか聞こえない」ことを逆手にとり、ローラも参加。

めくるめく急展開。夏海さんは3秒先すら考えていない。今を生きすぎる女。あの子、脊髄反射だけで生きてないか。
テーマ「今一番大事なこと」をひしひしと感じます。計画どおりにはいかない、やりたいことだけやっててもダメ。その場その場で最善を目指すんだ。
あと、ちゃんと出番に備えてスカートを自作するとか準備も大事。マーメイドが履くからマーメイドスカート。
すぐに退場なされた放送部の方も、「台本を全員分用意する(今日は見学の予定なので、本来ならなくても問題ない)」と地味に準備を頑張ってます。たぶん、放送に興味を持ってくれて嬉しかったんだと思う。

夏海さん以外の面々も相も変わらずでよいです。
コスメ好きで売ろうとして、虫女として周知されたと思しき涼村さん。段々、立ち位置を確立してきた気がする。

色々あった末に、最後の最後でいよいよローラのお歌。
人魚といえば歌。ずっと「歌う」「歌わない」と引っ張りに引っ張り、ついにお披露目された歌。
良いお歌です。「次期女王」の政策理念も感じる。

しかも歌詞に「歩幅を合わせ登ったら」とあります。人魚やアザラシに歩幅はないでしょうから、この歌は陸に来てから、陸棲生物向けに作った新曲もしくはアレンジと思われる。まぁタコとかをイメージした歌だったりするのかもしれませんが。
いずれにせよ聴き手を想定したチョイスなわけで、ローラの心配りが垣間見えます。

今回のお話もそうですが、トロプリさんは「人魚」と「トロピカる部(および夏海さん)」が上手く機能しまくってて、毎回楽しいです。
色々なことに首を突っ込む動機があり、その色々な場面に「人魚がいたら」のシチュエーションでお話がガンガン進む。逆も然りで、「あの状況に人魚さんを放り込もう」というネタを、トロピカる部はザクザクと実現できる。
やっぱり人魚さんは素晴らしい。「謎生物」「引率キャラ」を姿を変えることなく一人二役しつつ、今までのシリーズでいうところの「料理」とか「ファッション」のような物語の下敷きとなるジャンルまで引き受けてくれてる。

今作は「プリキュア」というより、良い意味で「人魚モノにプリキュアがいたら」感があります。プリキュアというより、人魚さん。
そろそろプリキュア卒業かと思ってたうちのお子様も、かつてない勢いで視聴してます。この基軸は大成功だと思う。
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(第12話)トロピカル~ジュ!プリキュア「没収!アクアポットは校則違反!?」感想

2021年05月16日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■(第12話)トロピカル~ジュ!プリキュア「没収!アクアポットは校則違反!?」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第12話より)

トロピカる部が風紀委員に目を付けられました。罪状は「最近話題の人魚騒動」。
学内は今、謎の人魚で大混乱。アザラシ的な何かを携えて跳梁跋扈する様が、各所から。
曰く実害も出ているとかで、疑心暗鬼が空気を澱ませていく…。

風紀委員としては事態の収拾を図るのは当然のこと。
トロピカる部を疑うのも真っ当です。最初から決めつけていたのではなく、抜き打ちで検査したら妙なリアクションだった。だから監視レベルを上げたところ、やっぱり何かおかしい。
事実、夏海さんらが犯人ですし、挙動不審になったのは人魚を隠蔽しようとしたからなので、風紀委員はすこぶる優秀です。限られた情報で、よく見抜いたものだ…。
描写はされていませんが、トロピカる部のドッキリ企画とでも誤解してそう。正体不明の部活内容も、先日のサンドアート大会から考えるに「校内イベント部」のようにも受け取れますから、人魚騒動をでっちあげて後でネタ晴らしとかは、いかにもやりそうな気がする。

そんな経緯でアクアポットも没収されました。つくづく勘の良い方です。校内が騒ぎになっているのは事実なのだから、彼女の行動は何ら間違っていない。
むしろ「こうなったら正体を明かそう」に行きつかなかったのが不思議です。ローラは隠れることに屈辱感を覚えている(本心をごまかすのを良しとしないのだと思う)ようなので、堂々と取り返しに行きそうにも思えたのですが…。そこは矜持を曲げてでも穏便に乗り切ろうとしたあたり、ローラも何か成長なされたんだろうか。


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第12話より)

諸々ごまかすにあたり、尾びれの先っぽに片方ずつ靴を履き、二足歩行を再現してみた。
ところで、サカナやジュゴンにこれはできるんだろうか?
聞きかじった程度の知識しかなく、正確なところが分からないのですが、サカナのひれ部分には筋力はない?のであんな立ち方はできない?ジュゴンやクジラの「尾びれ」は「しっぽ」?ですから左右を別々に動かすのは無理?
つまりはこの動きができたということは、やっぱりアザラシやアシカの仲間なんじゃないかしら。

最近読んでる「人魚の文化史」(リンク)によれば、キリスト教圏でのマーメイド像は「尾を二股に分けている」デザインだったとか。要は「聖職者を惑わす、大きく股を開いた怪物」が発端のイメージ。いわれてみればスターバックスのロゴデザインの人魚もそうです。魚部分を二股に分けて、片手ずつで持ち上げてる。
私的には人魚=サカナであって欲しいと思うのだけど、「下半身がサカナ」ではなく「脚部に鱗が生えている生物」と考えた方がいいのかもしれない。なので二足歩行もどきができたのも、それほど驚くところではないのかも。

それはともかく、従来の謎生物のように「ぬいぐるみの真似をする」とか「鞄に隠れる」とかができないだけで、何かやたらに楽しいです。
くるるんが本当に何の仕事もしていない点も含めて、今年の謎生物枠は最高すぎる。人魚さんはやっぱり素晴らしい。
せっかくの特徴を活かすためにも、これからもずっとサカナのままでいて欲しい。

あと「何の仕事もしていない」という意味では、涼村さんもすこぶる良いです。居ても居なくてもストーリーが変わらない。素晴らしい。
夏海さんもあすか先輩も、結果的には何も貢献できておらず、みのりん先輩だけで部が回ってるのがなかなか奇妙で面白い。この絶妙のバランスはどこまで続くんだろう。
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(第11話)トロピカル~ジュ!プリキュア「もりあがれ!海辺のサンドアート!」感想

2021年05月09日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■ (第11話)トロピカル~ジュ!プリキュア「もりあがれ!海辺のサンドアート!」


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第11話より)

先週、惨憺たる試験の結果に悶絶した夏海さんでしたが、何をどうやったのか追試はどうにか乗り越えられました。多分、先生方の温情テストだったんだと思う。先生も補習とかやりたくないだろうし。

晴れて釈放されたので校内企画「サンドアート大会」を開くことに。創立して間もないのになかなかに活動的です。
迎えた当日、参加したのは5サークル。意外に多いというかリアルな数字です。
察するに美術部はアートイベントだから。料理部は先日の調理室の際にコネができたのか。園芸部は土つながりでしょうか。
野球部と柔道部はよくわかりません。休日2日を使う気合の入ったイベントなので参加しづらそうですが、勝手な想像と先入観でいえば「女子4名の部活」に興味を惹かれたんだと思う。そりゃ参加したい。トロピカろう。

和気あいあいと盛り上がる一同を横に、ローラは終始不満げ。砂をいじって何が楽しいのか。
彼女は決して好奇心が低いのではない。今回も空飛ぶグライダーには興味津々で、後の雨の際にすぐに思い出し、活用しています。
今までの傾向を見るに、「海の中でできないこと」に強く惹かれてるんだろうか。


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第11話より)

ところで、ジュゴンの造形のアドバイスに自分の尾びれを見せていましたが、人魚さんの尾びれはジュゴンのそれに相当するんだろうか。
ジュゴンは「足は退化して胴にめり込み、尾が尾びれに変化した」生き物です。間違ってたらごめんなさい。
もしも人魚さんがジュゴン(海牛類)ならば、ローラの尾びれは足ではなく尾です。
個人的にはローラには歩いて欲しくないのですけど、伝統的なマーメイド像にのっとり、尾びれが足に変化するのだとしたらアシカやオットセイ(鰭脚類)の仲間だと思う。

途中で雨が降ったり、やる気のない方の襲撃を受けたりもしましたが、イベントは盛況のうちに終了。

夏海さんの描いた設計図は、思いの迸りは分かってもそれだけでは先に進めない。
手直して目標をはっきりさせて動き出したが、やりながらより良い工夫が見つかった。
イレギュラーによる変更もありつつ、出来上がったのは計画とは違ったもの。でもとても良い物になった。
トロピカる部の創設時の経緯等々と同じ発想です。好きなだけではダメ。計画だけでもダメ。方向性を決めた後にその場その場で臨機応変に動く。

思えばローラの散歩もそれに通じます。
「外を出歩くな」と言われたのに勝手に出歩く…のは謎生物の定番ですが、今回のローラは全く問題を起こしていません。見つかっててんやわんやとか、迷子になって迷惑かけるとかはない。
それどころか興味をもって撮影していたことが、雨天時の解決策に繋がっている。「言いつけを守らなかった」ことがプラスになってる稀有なエピソードで、これも臨機応変さや「今一番大事なこと」に思えます。
(ところでローラは、あすか先輩の写真を撮っていません。事前評価はすごく高かったのに、割とガチで険悪なムード。今までにないパターンでとても良い)

参加した各部の皆様も同様です。序盤の序盤にして、周囲にまで「今一番大事なこと」が浸透してしまった。
テーマらしきものがこんなに繰り返し強調されるとなると、どんでん返しがあるんだろうか。逆に不安になってきた。楽しみです。

【スポンサー様】


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第11話より)

今回はマリングミおよびグミケースの大盤振る舞い。
スタプリのララさんの、常にグミケースを持ち歩く販促優等生ぶりは記憶に新しいところですが、夏海さんも頑張っていらっしゃる。

参考までにグミケースは3種類あり、今回のスタンダードモデルの他、ローラやくるるんモデルがある。(参考:トロピカル〜ジュ!プリキュア マリングミケース [全3種セット]
うちの子はローラモデルを使ってます。派手なくるるんモデルと違い、シルエットが刻印されているデザインで、意識しないとローラだと分かりにくいんですが、「マーメイド」という強力なビジュアルのおかげでとても素敵。やっぱりローラは人魚のままでいるべきだと思う。


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第10話より)

ちなみに前回のお勉強シーンでもしっかり食べてます。良い子だ。

そんな苦労も知らず、ローラはあろうことか「もっとしっとりしたものが良い」とケチをつける始末。ワンダフルジューシーグミより「しっとり」したお菓子があるとでも。海の中のびしょぬれお菓子とは違うんです。
まだまだ地上の仁義が分かっていないらしい。
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(第10話)トロピカル~ジュ!プリキュア「やる気重ねて!プリキュア!ミックストロピカル!!」感想

2021年05月03日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■ (第10話)トロピカル~ジュ!プリキュア「やる気重ねて!プリキュア!ミックストロピカル!!」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第10話より)

夏海さんは悟った。試験勉強はトロピカらない。
今の今まで気づいてなかったところを見るに、小学生時代は試験を意識していなかったらしい。自由人。
かくして極めて自然な帰着として、夏海さんの成績は惨憺たる有様に。

従来であれば、みんなで試験勉強に励んだり、謎生物どもが勉強の邪魔をしたりしそうですが、トロプリさんはその辺の距離感が心地よいです。試験に全く興味ないローラがとても良い。くるるんの、ただの動物感もとても良い。協力はしないが邪魔もせず、楽しくボール遊び。のんびり日向ぼっこ。良い光景です。

そんな危機の中、あとまわしさんらは新兵器を携えてやってきた。ゼンゼンヤラネーダ。ここまで「恐ろしさ」と「役に立たなさ」を両立したネーミングはなかなかない…。
これにより夏海さんはやる気を根こそぎ奪われぐうたら。だけど仲間や魚の奮闘に奮起され、新たなるやる気を生み出されました。
でも悲しいかな、そのやる気は試験勉強には発揮されず、結果は赤点。次週の追試をクリアしないと、部活動は停止とのこと。これ幸いと喜ぶローラが相変わらず良いです。部活動とか、何なら学校とかそういうのいいから、プリキュアとして働こうそうしよう。

【あとまわし】

なぜ夏海さんは試験勉強にトロピカらないんだろう?
勉強は「今しかできない」「未来に役立つ」ことですから、トロピカの定義に合致してるように思う。
現に、赤点をとったせいで部活動が停止の危機。何やらちょっと不可解です。

ありそうなのは「他人と関わることかどうか」かしら。
先日のペンギンオブジェの件も、卒業生同士で他者とのつながりがポイントになってる。
そう思うと、夏海さんが一人で勉強しているのも物語上の必然なのかもしれない。お勉強会をやった場合、トロピカってしまうのかも。
ただ「赤点取ったらつながり(部活)が切れる」のだから、他者も関わってはいそうに思うけれど…。「やればプラス」には燃えるが、「やらないとマイナス」には燃えない性質なのかな。

「他人のためなら頑張れる」という意味では、汚水に飛び込むローラもそうです。
あの時の彼女の中にあったのが「女王になるために必要」なのか「夏海まなつのため」なのかははっきりしませんが、いずれにせよ彼女は夏海さんを見捨てなかった。
なお彼女は人魚であり、水中で呼吸しますから、あの汚水は我々の思う以上にえげつない。実質飲んでる。多分えらが汚物まみれでひどいことになってるはず。まぁ息止めて、水面に上がってから呼吸してたのかもしれませんが…。

「他人のため」でいえば、チョンギーレも同様。面倒くさくても魔女様のためなら優先的に動いています。
ただ結果だけを見るなら、「料理」を優先して「戦闘」を後回しにした結果、敗北した。
「料理」も「戦闘」も魔女様のためなので怠慢やおごりが原因ではない。ではどこが間違いだったんだろう?

①チョンギーレとしては「料理」がやりたいことで、「戦闘」はやむなくやってること。夏海さんにとっての「トロピカること」と「試験勉強」に相当する。
とりあえず魔女様のために「戦闘」を行いはしたものの、彼のやりたいのは「料理」なので理由があれば「料理」を優先してしまった。だから負けた。
「試験勉強」から逃避してしまった夏海さんが、赤点だったのと同様。

②夏海さんのやる気には、周囲が応えてくれた。
しかしチョンギーレのやる気に魔女様は応えてくれず、料理は無駄になった。だから負けた(時系列的には敗因ではないですが、テーマ的な意味で)。

「あとまわし」は「それがまずいことは分かるが、どの選択が正しいかの判断が困難」で、テーマとして面白い。
今回の話も①の観点だと「主人公が敵と同じ理由で敗北した回」とも言えそう。

【蛇足】

先週の予告以来、うちの子は「ゼンゼンヤラネーダ」を大層気に入り、1週間楽しみにしまくってた。
あと、くるるんの評価が極めて高く、放送終了後「ひなたぼっこしてた、くるるん可愛かった」と繰り返してる。
今年のプリキュアさんは、今までにない軸で大ヒットしてる気がする。
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(第9話)トロピカル~ジュ!プリキュア「メイクは魔法?映画でトロピカる!」感想

2021年04月25日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■(第9話)トロピカル~ジュ!プリキュア「メイクは魔法?映画でトロピカる!」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第9話より)

あおぞら中で映画の撮影がなされることになりました。そして主演俳優を捕縛しました。
聞けばそれまでのキャライメージと異なる役柄に戸惑っているとのこと。
トロピカるな面々も色々と協力してみるものの、いまいち効果は出ず。先日の女王様レッスンをもっと真面目にやっておくべきだった。まさかこんなすぐに役立つ局面がやってくるとは…。
こうなったらいっそプリキュアにしてしまおう。みのりん先輩という前例があるし、たぶん性格も変わる。

そんな折、たまたま涼村さん家でやってた着ぐるみ販促を見て、俳優さんは何かをつかみました。
自分と似た大人しそうなタイプの娘こと凉村さんも、着ぐるみ着てはっちゃけていらっしゃる。

かつてハートキャッチの来海さんはおっしゃった。
「性格を変えるのは難しいけれど、服を変えれば気持ちも変わる。単純だけどそれでいいと思うんだよね」。
今回もそれと同様の話…ではあるのだけど、「メイク作戦は過去に失敗している」のが気になります。

涼村さんも「顔が隠れたので性格が変わった」のではなく、「表に出す機会がなかった」。
最初のメイク作戦が失敗したのは「本人が、別の自分を表に出すのに抵抗があったから」だろうか。意識的に抑え込まれたら外見を変えても振る舞いは変わらないし、変わってしまっても困る(じゃあ、みのりん先輩のアレは何なんだろう…。プリキュアには何か怖い興奮成分でもあるんだろうか…)。

言い換えると「やる気がないなら、お膳立てしてもどうにもならない」なのかもしれない。
メイクをしても、本人にやる気がなければ効果がない。
さてそうすると、あとまわしの魔女様から新兵器をお膳立てされた敵幹部様は、来週どうするのだろう?

【次回は追加玩具】

追加玩具に関連して、個人的には「ローラはプリキュアにならない」と予想してる。

まずビジュアル的に人魚姿は強烈です。
販促用の集合絵等で「人魚」が映っていれば、舞台背景がなんとなくわかるし、目にもつく。
プリキュアに変身してしまうと、せっかくの強みが消えます。

ストーリー上も「人間」と「謎生物」の両方の役割をまとめてできるのは面白い。変身して切り替わるココナツやハリーの前例はありますが、素のままで両立してるのは何気にレア。
くるるんを雑に扱える(そしてそれがとても楽しい)のも「ローラが人魚なので、役割を一手に引き受けられるから」の面があると思う。
ですが、変身して二足歩行できるようになってしまうと、せっかくの特殊性が失われます。次回予告のラストにあった「地面をはいずって水を目指す」とかやりづらい。

ローラ自身もプリキュアになる気はないようですが、今回の話「求められているイメージからの脱却」を見ると、どちらに転ぶでもおかしくはなさそう。
今回、ローラは終始「メイクは裏方の仕事」として興味を示していません。まぁ彼女はメイク云々と関係なく自分を出せばよいと思っている上に、そもそも悩んでいた役柄はローラの性格に近い気がするので、何を悩んでるのか理解の外だったのかもしれない。俳優さんが知る由もありませんが、あの役が似合うのはあすか先輩ではなく、ローラだ。

【蛇足】



(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第9話より)

夏海さんが左の中指にしてる指輪、よくよく見れば微妙に付け替えてるんですね。落ち着きのない子だ。
その内うっかり薬指につけたりとかやらかしそう。
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(第8話)トロピカル~ジュ!プリキュア「初めての部活!お弁当でトロピカっちゃえ!」感想

2021年04月18日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■(第8話)トロピカル~ジュ!プリキュア「初めての部活!お弁当でトロピカっちゃえ!」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第8話より)

夏海さんの白米お弁当事件をきっかけに、トロピカる部は「弁当を作る」ことになりました。
「そうか、自分で作ってもいいんだ」とは夏海さんの弁。この子、自活能力高めな気がしてたんですが違ったらしい。
ついでに涼村さんやみのりん先輩も料理はいまいちだった。涼村さんの存在感がどんどん薄くなっていく…。

調理室を早速借り、あすか先輩に指示いただいて楽しいお弁当作り。
「お弁当」とは「後で食べる」ための料理。それは「後回し」なのか「今一番大事なこと」なのか。
涼村さんの作ってた「可愛さに集中」も、みのりん先輩の「栄養価」も正解ではなく、それらを両立して料理する。

その後の、

・「好きなものを最初に食べる」「最後に食べる」
・「せっかくなので楽しい場所で食べる」「食事を優先する」

等々、目まぐるしく状況が変わります。「今一番大事なこと」は何なのか。
先日「計画を立てる」も正解ではないとされていましたが、今回はまさにそう。良い場所で食べるのも大事なので我慢したが、必要ならば今食べる。
逆に敵幹部は「食事を氷漬けにして保存する=計画外が起きたら困る」方向に向かってるのも象徴的。

明確に描写されていないところもあちこち気になります。
冒頭の「白米+白米」弁当にて、おかずを分けてもらった夏海さん、あろうことかおかずを即行で食い切っています。常人ならば、貴重なおかずをちびちびと食べながら白米に向き合うところなのに…。「今一番大事なこと」を見失ってる感と、ラストシーンで「好きなものを後から食べてみようか」に変化してるのも面白い。

人魚さんの扱いも最高です。


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第8話より)

びちびちと跳ねる調理台の上の人魚。様式美。

上半身の人間部分でごまかすより、下半身の魚部分でごまかすのは良いですね。はからずも夏海さんの本音が出た。彼女はローラのことを「魚」と認識していらっしゃる。

ローラからすれば調理スキルより筋力を上げて欲しい。ほらこの間みたいな砂浜ジョグとかやりましょうよ。料理なんてしてないで。
そもそも彼女は地上の食材を知りません。この赤や緑のむじゃむじゃした物体は何…?先入観を持たず口にできるのは、さすが女王候補。
そうこうして乗り気になっていく様がとても良い。

くるるんの適当な扱いも素晴らしいです。ただの海洋生物。お世話対象でも、殊更に守る対象でもない。
あすか先輩の「人魚」呼びといい、この適切な距離感を最後まで大切にしていって欲しいです。

【蛇足】

ところで夏海さんは、あの量で足りるんだろうか。
元々彼女はケース2個使う量を食ってます。他の娘さんらの倍。

あと白米+白米弁当を防ぐ手っ取り早い策は、「ライスとおかずの容器の形を別にし、取り違えを防ぐ」だと思う。
あすか先輩が「夕食の残りや冷凍食品でもいい」とおっしゃっていたように、人力や練度に頼らない対策は大事。

まぁそれはそれとして「今一番大事なこと」=「自分が戦力になれるように」は正しいです。現に夕食の準備にも転用なされてる。この調子だと、夏海さんは一年後には超優秀プリキュアに成長していそう。
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(第7話)トロピカル~ジュ!プリキュア「やってくる!海の妖精くるるん!」感想

2021年04月11日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■(第7話)トロピカル~ジュ!プリキュア「やってくる!海の妖精くるるん!」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第7話より)

みのりん先輩が想像力で頑張るお話。

めでたく部として立ち上がった「トロピカる部」、早速活動を始めます。とりあえず砂浜をジョグ。それにトロピカるさを感じるのは少数派かと思いますが、まぁ何をやるにも基礎体力は大事だ。伸び盛りの今、体を鍛えることは将来を左右する。うん、前回の「今一番大事なこと」の定義通りです。

部長も創設者も肉体派ですから、このままでは「来るべき未来に備えて、ひたすら体を鍛える」部になりかねない。
北条響さんという成功事例があるだけに、洒落になっていません。
非肉体派の嘆きは、息も絶え絶えで言葉にならない…。

そこに今作のマスコット枠・くるるんが到着。ようやくです。そしてお土産渡して帰っていった…かと思いましたが、アクアポットに居着くらしい。

くるるんは現女王様のペットだそうで。何気に「ペット」は初かもしれない。メルポは何だかよく分からんし。

ペットなので喋れません。というか言語で意志疎通が可能な相手を「ペット」にしてたら、人魚世界の倫理観がかなり怖い。

何しにやってきたのか等々、コミュニケーションは難航したのですが、みのりん先輩の想像力によって乗り越えられました。知性派の面目躍如。体力ばかりが「今一番大事なこと」ではない。知識を積むことも将来に役立つ=今一番大事なことなのだ。
「大人になること」を後回しにして遊んでいるエルダとは違うのです。

ところで涼村さんはどうなされるんだろう?
悲しいことに、自動相づち機の呪縛から逃れきれていません。個人的には、青い顔して背景でコクコク頷いている彼女のままでいて欲しい。

【これからのことは明日考えよう】

素直に考えれば、くるるんが帰らなかったのは現女王の指示です。
ローラの様子を視察に来て、ひとまず問題はなかったので、そのままお目付け役として残った。
もしくは次期女王候補に(ペットというより使い魔的な位置付けで)くるるんの扱いを継承するために派遣した。

これはこれで人魚の国の計画的代替わりが素晴らしいのですが、「くるるんが自発的に残った」の可能性もそれなりにありそう。

今回の敵幹部はまさしく「ガキの使い」的にやってきて、彼女らにとっては無価値と判明しても、当初の指示通りお土産を狙ってきています。真面目にいうなら、本来ならあの時点で撤退すべきです。浄化消滅して情報を持ち帰れない恐れもあるんだから、臨機応変に引き上げるべき。
前回の「「計画を立てる」は満点ではない」にも通じる。

その対比として見るなら、くるるんは指示されたわけでなく、自分から残ったんじゃないかしら。そして現女王も、そうなる可能性も踏まえて(期待して)お使いを頼んだんだ。
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