穴にハマったアリスたち

生きてれば楽しい事がいっぱいある!の証明の為のページ。ぴちぴちピッチを大応援。第三期をぜひ!
→新章開始!ありがとう!

トロピカル~ジュ!プリキュア第1話「トロピカれ!やる気全開!キュアサマー!」感想

2021年02月28日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
新しい年が始まりました。おめでたい。

■トロピカル~ジュ!プリキュア第1話「トロピカれ!やる気全開!キュアサマー!」


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第1話より)

新しいプリキュアは夏海さん。キュアサマー。
名前からして夏夏しい熱を感じます。昨年は外出自粛で「夏」を感じにくかっただけに、異様にまぶしくパワフルです。夏だ!夏が来た!

夏海さんは田舎の島からどこぞの都会へ。尋常ならざる身体能力とアグレッシブさで新生活を謳歌します。
ちょっぴりネガティブだったりもするけれど、そこはメイクで乗りきろう。
プラスとマイナスのバランス加減が何気に上手い子です。

そうこうする内、浜で黄昏ていた人魚を発見。捕縛。そして謎の戦闘に遭遇し、突撃。変身。
なんというかプリキュアになるべくしてなったかのような、適材適所感があります。
花寺さんとか「この子を本当に戦わせていいんだろうか」と不安にもなりましたが、夏海さんの異常な戦いっぷりは安心して送り出せる。この1年、頑張ろう。

【それは今か未来か】

かつては鬼門ともいわれたメイクを、今年は全力推し。
古来から「メイク」や「ドレスアップ」は、大人=未来の象徴です。不安や恐れがあっても、メイクして大人になり、立ち向かおう。
未来を先取りし、夏海さんたちは戦う。

対する敵は「あとまわし」。ちょうど真逆です。
ただ、敵さんはなんで「あとまわし」にしてるんだろう?
1話を見る限りでは「だるいから」という、まぁそのまんまな理由ですが、何かあるのかもしれない。
というか、「あとまわし」を信条とする組織がこんなアグレッシブに人魚の国を攻めてるのはなんでだ。そしてそんな相手に滅ぼされかけてる人魚の国って…。

夏海さんの座右の銘「今大事だと思うことをやる」は、先取りにも後回しにもどちらにも言える。
今大事だから予習する。今大事だから遊ぶ。どちらも否定されない。
そもそも「先取り」や「後回し」も視点次第です。
予習は未来の先取りだけど、遊ぶのを後回しにしている。逆もしかり。

狭い情報で予想するなら、夏海さんやローラが「未来はこうなりたい」とステップを踏んで口にしていることから、「明確な目標やプロセスがあるのか」が敵との違いなのかしら。
それはそれで、明確な目標のない敵に滅ぼされかけてる人魚の国が不安になりますが…。

【ぴちぴちした生き物】

今年の謎生物は人魚さんです。素晴らしい。
別途マスコット的なのは登場するようなので、ジョー岡田やブルー枠でしょうか。画期的ですね。人魚万歳。

安易にホモサピエンスに迎合しない姿勢も良いです。
「ニンゲン?ああ、陸に棲んでるサルの一種ね」ぐらいの距離感が心地よい。ローラさんには今後も、サカナとしての矜持を忘れないでいただきたい。

プリキュアを「捨て駒」と断言なさったのも良い。今まで微妙にタブーだったそこに切り込んできた。ブルーの時とか、口にするのも憚られる微妙な空気だったものな…。
「世界を救う」の感覚が希薄なのもよいです。襲われたヒトを見て最初に思うのが「プリキュア候補が減った」。素晴らしい。
そもそも「世界」とは「人魚の国」のことだ。何か知らんが不毛な陸とかに住んでる固有種を、何故にわざわざ守らねばならんのか。

綺麗な流れでいくなら、今後は人間文化に毒されていくのかしら。能うことなら最後まで、夏海さんのことを「人間」呼ばわりして欲しかった。

あと何気に身体能力高いの良いです。尾びれで締め上げるとか。野生動物の恐怖。

【ぴちぴちしていない生き物】

出会いこそ「船から落ちたものを拾う」人魚姫オマージュだったものの、ローラは安易に二足歩行になったりはしないようです。尾びれには誇りと拘りを持とう。
そのため移動手段が極めて厄介。予告を見るにアイテムに収納するようです。その内面倒くさくなって、ずっと入りっぱなしになるかもしれない。

逆にプリキュアさんは水中戦が苦手です。あの子ら宇宙空間でも戦えるのに、水の中だと行動が制限される。
今年は水中戦も増えそうなので、新しいバトルに期待。陸では足手まといのローラが、水の中ではやたらに頼もしくなるとか、色々できそう。

【身近にある異世界】

第1話の交戦場所は砂浜。
波打ち際は異世界との境界線。

「海」は、魔法世界等とは異なる、明確にそこに実在する異世界。
それでいて私たちの遥かなる祖先は海に住んでいた。
住み慣れた故郷であると同時に、もはや戻れない絶対の異界。その境界線が波打ち際。

そこでの戦闘はやっぱり胸に熱いものがわきます。
「田舎の島から都会へ」「海の中から陸へ」と、異世界探訪から始まっているので、このあたりのテーマも扱ってくれるのかも。

【うちの子】

我が家のお子様もやたらに楽しみにして見てた。「トロピカ!トロピカ!」と騒ぎながら起き出し、「このあとすぐ!」が流れただけで「やったー!」と両手を挙げるくらいに。
ヒープリさんはどうしても盛り上がり損ねた感がある(番組の良し悪しや好き嫌いではなく、イベント等に行けなかったの意味で)ので、今年の展開が楽しみです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ヒープリはミデンに勝てるのか」: HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察

2021年02月28日 | ハグプリ最終回考察
ヒープリさんがめでたく完結なされたので、以前に書いた記事を振り返ってみる。

【這いよる15年】

プリキュア15周年では、初代を見ていた現役幼児が大人になり社会に出ていくタイミングを意識してか、「世界はどうしようもなく理不尽で、未来は閉ざされている」を扱っていました。
キラキラした子供時代は終わった。未来には光はない。

これに対し「オールスターズメモリーズ」にて野乃さんは、「それでも15年歩んで来たんだ」「ここで折れるなんて、私のなりたかった私じゃない」と逆ギレにて乗り越えられた。
そしてそれに対するカウンターとして、「不運により願いを奪われ、思い出すらないまま捨て去られた」ミデンが立ちふさがった。


(「映画HUGっと!プリキュア ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ」より)

[引用:「2033年プリキュア30周年」]
テーマとして成立するかを見るために、プリキュアたちが勝てるかどうかを考えてみます。
15年の総決算たるミデンに対し、1~15年シリーズのプリキュアさんらは、それぞれの番組テーマを元に次々と解答を示しました。では、上記のようなテーマを背景に、30周年でもミデンのような敵が現れたとして(以下、新ミデンと呼称)、1~15年シリーズのプリキュアは勝てるのか?

おそらく無理に思えます。

(中略)

一方、16年~30年のプリキュアだとどうか。
分かっているのは「スタプリ」と「ヒープリ」だけですが、この2つは「新ミデンには通用するが、ミデンには勝てない」ように見えます。

[引用終]

では改めて考えて、グレースさんは勝てるのか(救済できるのか)。
以前に想定したのとは違ったけど、やっぱり無理な気がする。

ミデンは悪いやつだから生産中止になったのではなく、会社が経営危機に陥ったからです。当時の会社や社員が、後先考えずに借金したり、非合法な手段に手を染めれば生産を継続できたのかもしれませんが、我が身を犠牲にしてまでそんなことはできません。これはダルイゼンやリフレインに通じるものがある。悪ではなくても、自身の生存のためには切り捨てる。

だからミデンには勝てない(救えない)。

【待ち受ける30周年】

では勝手に設定した30周年シリーズの敵・新ミデンはどうだろう?
初代を見ていた子供たちが30代半ばになることから、「それは望んだことなのだけど、決まってしまったことへの漠然とした不安」がテーマになるかなと、勝手に予想しています。マリッジブルーやマイホームブルーのようなイメージ。

このテーマを掲げる新ミデンには、ヒープリは勝てます。
寂しさはある。だけど前に進もう。
ビョーゲンズを切り捨てたり、ヒーリングアニマルと戦う未来が来るのかもしれない。リフレインが焦がれた、子供と過ごすあの土曜日は戻ってこない。
だけど前に進む。前に進もうと望んだその結果、切り捨てたものも、戻れないこともあるけれど、それでも進むんです。

綺麗に合致します。結婚することによって別れを告げる独身生活や、住み慣れた賃貸を経てマイホームに引っ越しするとか、子供が産まれて以前の生活から変わるとかもこの構造だ。

そういったわけで、勝手な妄想の産物「1~15年シリーズはミデンに勝てるが、新ミデンに勝てない」「16~30年シリーズはミデンには勝てないが、新ミデンには勝てる」は、今のところは成り立つように思う。

【フルスロットル】

じゃあ夢原さんとは何が違うんだろう?表面的に似ているように思いますが、結果が違うのだから理由があるはず。

思うに、夢原さんは未来や目標に重点があるんじゃなかろうか。
夢原さんがミデンにした回答は「だから大丈夫」。どうしようもなく苦しいこともある。私たちもそうだった。だから大丈夫。
もしさみしくて悲しくて折れそうなときは、同じように戦っている私たちを思い出して。

良い悪いや優劣は別として、夢原さんは「各自がそれぞれ夢を信じて突き進む(そしてその姿に相互に励まされる)」形です。
対して花寺さんの場合、中心となる「夢」があるのではなく、各自の「生きたい」が絡み合い、結果として相互の助け合いになる。
どちらかといえば、最終的なゴールより過程に描写の力点があるのかもしれない。

戦う敵を入れ換えてみよう。

ナイトメアが突きつけた課題は「夢は叶わない」ではなく「叶えても意味がない」。
仮にヒープリと対戦したなら「戦って生きても、意味があるのか」とくるはず。キングビョーゲンの指摘と違い、「戦う(今)」よりも「生きる(未来)」に疑問を投げかけている。
花寺さんの回答は「それでも生きたい。私たちは戦う」でしょう。夢原さんのそれとはやっぱり意味合いが異なる。

夢原さんがキングビョーゲンと戦った場合、たぶんというか確実に「あなたは悪い人!絶対に許さない」です。ダルイゼンは助けを求めてきたあの場で爆殺されてる。駆け引きや揺さぶりが成立しない…。
「夢」を中心としているので、その価値観に賛同しない相手は敵だ。説得や交渉なんてしてる暇はない。だって「夢」が呼んでるんだから。

1~15年と、16~17年シリーズの違いとも言えるかもしれない。
1~15年は「昔は良かった。でも今は壊れてしまって、未来には避けられない絶望が待っている」の世界観があるように思う。だから「未来をどう迎えて乗り越えるか」に焦点が当たる。
16~17年はその未来が訪れています。だから「今(1~15年シリーズにとっての未来)をどう戦うか」がメインになり、「未来」より「今」が中心になる。
分かるような分からないような、トロプリさんであっさり覆されるかもしれませんが、とりあえずは整理できた気はする。

【蛇足】

先入観をもって見るなら、トゥモローさんの40話での発言「過去は返してあげられないけど、未来は作れる」などは16年~30年シリーズっぽい。
1~15年シリーズよりも、「スタプリ」「ヒープリ」に近しいのでは。

【蛇足2】

第1話を見るに、トロプリさんにも当てはまってる気がする。

●他、関連記事:
感想「映画HUGっと!プリキュア ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ」
HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察(一覧)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする