■(第36話)ひろがるスカイ!プリキュア「あげは、最強の保育士失格!?」感想
(「ひろがるスカイ!プリキュア」第36話より)
美翔さんがお若い…。
オトナプリキュアの余波で「過去の話」と認識されていくのだろうか。
●あげはさん
初の成人プリキュアの触れ込みで登場した、あげはさん。
今回は園児の引っ越しネタで、奇しくも同じく成人のオトナプリキュアの引っ越しネタと被ってしまった。
大前提として、引っ越しは悪いことではない。
オトナプリキュアのるみちゃんも前向きに捉えています。そちらで描写されたような金銭問題や離婚などの負の要素の言及すらありません。
保育園の事情もある。
一般に、学区選びや小学校入学後の転校は不利との判断から、保育園の内にマイホームを購入し引っ越す方は多いです。
転勤も未就学児なら単身赴任より帯同を選ぶ人が増えるだろうし、2人目の出産での働き方の変化など、保育園児は入園から卒園まで、必ずしもずっと通い続ける性質のものではない。
あげはさんが引っ越しを悲しむのは人間心理としては普通の感情ですが、上記を踏まえると保育士としてズレているように見えてしまう。
実際、彼女が悩んでいたのは「引っ越しを悲しむたけるくんの気持ちをケアできないこと」であって、「引っ越すから悲しい」といった単純なものではなかったとは思います。その点に本編描写も触れてはいる。
ただこの状況は説明が難しく、伝えることを放棄していたように思う。
あげはさんが高校生だったら「別れが悲しい」でも全く問題ないのですが、「初の成人」を謳ってしまっているとどうしてもプロとしての未熟さが強調されてしまう。
間が悪いことに、オトナプリキュアの夢原先生は、不発だったとはいえ事態を解決するための案を携えて具体的に動きはした。
その上で「どうにもままならない」ことを描写していました。
オトナプリキュアは想定年齢が高いので、そこまで踏み込むことができ、成人の意味がある。
本編プリキュアは、小さな子がメインなのでややこしいことは省略するので、成人設定が足を引っ張る。
だったら本編プリキュアには成人はそぐわないのでは?
課題を浮き彫りにしてしまったように思う。
●ツバサくん
「ナイトなのにプリンセスに守られるなんて」。
この台詞は正直厳しい。
(1) プリンセスプリキュアやキュアプリンセスがいるのに不用意。
特に彼の場合、映画「F」で特別にフローラと共演しています。
(2) これまでマジェスティが戦うことに反対していない。
プリズムは反対していましたから、その機会はあったのに、今まで気にせず戦わせています。しかもマジェスティの方が強い。
(3) 「男なのに女に守られるなんて」の意味に取れてしまう。
男子プリキュア故に余計な要素が含まれてしまい、上記二つも悪化させています。女子だったら(1)(2)もさほど気にならなかったかもしれない。
ツバサくんがナイトを自称しているのは、「子を助けるために飛んだ父鳥」に憧れたことの派生で「子(エルちゃん)を守る」からだと思います。
それが「ナイト」だけが独り歩きし、「F」の影響でただのナイトに憧れる少年かのようになってしまっている。
「F」は他にも「スカイたちを逃がすために玉砕特攻する」シーンも問題です。
あのシーンはとても格好よく、まさに「男を見せた」といえる名シーンなのですけど、名シーンであるがために「結局は男子に求めるのはこういうのだよね」が可視化されてしまっています。
ひらひらと飛んで、危なくなった女子を助けてまわるのではなく、身を捨てて拳で戦え。ただこれは「結局は荒事は男頼りなのか」「男は力強さが評価ポイントなのか」となってしまい、反転すると「女子はおしとやかに守られているのが一番なのか」に至ってしまう。
しかもこの問題は、間もなく公演の「ぼくプリ」からも降りかかってきそうで、ひろプリさん的には悪材料が続きそう。
「F」「オトナプリキュア」「ぼくプリ」と、立て続けに包囲されてる感がある。
ちゃんと着地してくれると信じたいですが、何せ「今のところ本編に直接は関係しなさそう」「あげはさん高校生、ツバサくん女子であっさり改善」な要素なのでかなり苦しく見えます。大丈夫だろうか…。
(「ひろがるスカイ!プリキュア」第36話より)
美翔さんがお若い…。
オトナプリキュアの余波で「過去の話」と認識されていくのだろうか。
●あげはさん
初の成人プリキュアの触れ込みで登場した、あげはさん。
今回は園児の引っ越しネタで、奇しくも同じく成人のオトナプリキュアの引っ越しネタと被ってしまった。
大前提として、引っ越しは悪いことではない。
オトナプリキュアのるみちゃんも前向きに捉えています。そちらで描写されたような金銭問題や離婚などの負の要素の言及すらありません。
保育園の事情もある。
一般に、学区選びや小学校入学後の転校は不利との判断から、保育園の内にマイホームを購入し引っ越す方は多いです。
転勤も未就学児なら単身赴任より帯同を選ぶ人が増えるだろうし、2人目の出産での働き方の変化など、保育園児は入園から卒園まで、必ずしもずっと通い続ける性質のものではない。
あげはさんが引っ越しを悲しむのは人間心理としては普通の感情ですが、上記を踏まえると保育士としてズレているように見えてしまう。
実際、彼女が悩んでいたのは「引っ越しを悲しむたけるくんの気持ちをケアできないこと」であって、「引っ越すから悲しい」といった単純なものではなかったとは思います。その点に本編描写も触れてはいる。
ただこの状況は説明が難しく、伝えることを放棄していたように思う。
あげはさんが高校生だったら「別れが悲しい」でも全く問題ないのですが、「初の成人」を謳ってしまっているとどうしてもプロとしての未熟さが強調されてしまう。
間が悪いことに、オトナプリキュアの夢原先生は、不発だったとはいえ事態を解決するための案を携えて具体的に動きはした。
その上で「どうにもままならない」ことを描写していました。
オトナプリキュアは想定年齢が高いので、そこまで踏み込むことができ、成人の意味がある。
本編プリキュアは、小さな子がメインなのでややこしいことは省略するので、成人設定が足を引っ張る。
だったら本編プリキュアには成人はそぐわないのでは?
課題を浮き彫りにしてしまったように思う。
●ツバサくん
「ナイトなのにプリンセスに守られるなんて」。
この台詞は正直厳しい。
(1) プリンセスプリキュアやキュアプリンセスがいるのに不用意。
特に彼の場合、映画「F」で特別にフローラと共演しています。
(2) これまでマジェスティが戦うことに反対していない。
プリズムは反対していましたから、その機会はあったのに、今まで気にせず戦わせています。しかもマジェスティの方が強い。
(3) 「男なのに女に守られるなんて」の意味に取れてしまう。
男子プリキュア故に余計な要素が含まれてしまい、上記二つも悪化させています。女子だったら(1)(2)もさほど気にならなかったかもしれない。
ツバサくんがナイトを自称しているのは、「子を助けるために飛んだ父鳥」に憧れたことの派生で「子(エルちゃん)を守る」からだと思います。
それが「ナイト」だけが独り歩きし、「F」の影響でただのナイトに憧れる少年かのようになってしまっている。
「F」は他にも「スカイたちを逃がすために玉砕特攻する」シーンも問題です。
あのシーンはとても格好よく、まさに「男を見せた」といえる名シーンなのですけど、名シーンであるがために「結局は男子に求めるのはこういうのだよね」が可視化されてしまっています。
ひらひらと飛んで、危なくなった女子を助けてまわるのではなく、身を捨てて拳で戦え。ただこれは「結局は荒事は男頼りなのか」「男は力強さが評価ポイントなのか」となってしまい、反転すると「女子はおしとやかに守られているのが一番なのか」に至ってしまう。
しかもこの問題は、間もなく公演の「ぼくプリ」からも降りかかってきそうで、ひろプリさん的には悪材料が続きそう。
「F」「オトナプリキュア」「ぼくプリ」と、立て続けに包囲されてる感がある。
ちゃんと着地してくれると信じたいですが、何せ「今のところ本編に直接は関係しなさそう」「あげはさん高校生、ツバサくん女子であっさり改善」な要素なのでかなり苦しく見えます。大丈夫だろうか…。
あげはが成人していなければ「最強の保育士を目指し現在実習生だが引越しで悲しむ子供を笑顔にするのにはどうすれば良いのか」という悩みもできなかったのでは?
保育園で活躍する話は従来のプリキュアでも何度もありましたから、成人設定がなくても問題なく関われたと思っています。
自由意志を尊重するのであれば「守る」もまた自由意志ですし、「自分の代わりに敵を倒す」のもまた「守られている」ですから、かなり限定された面子に拘っているように見えてしまいました。
何より回避するのは簡単なので、あえてこの表現を選ぶのは疑問に感じました。