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(第1話)キボウノチカラ〜オトナプリキュア’23〜「ミライノカタチ」感想

2023年10月07日 | オトナプリキュア
■(第1話)キボウノチカラ〜オトナプリキュア’23〜「ミライノカタチ」感想

謎の配信者・ダークナイトライト。
もしやこれが暗躍する今回の敵か…?と思いきや。


(「オトナプリキュア」第1話より)

即座のオチがついた。霧生さん達、お元気そうで何よりです。

舞台はあの激闘の本編から何年後か。
我らの夢原さんは小学校教師になっていらっしゃった。まずいきなり驚愕。何となく中学校(何ならサンクルミエール)で教師をやってるイメージがあったので。

いつの間にかキュアモは失われ、今や変身もできない。そのことを意識もしていない。
大人になったからなのか。それとも別の理由があるのか。だけど今はそれは重大事ではない。
彼女たちは目の前の今を生きている。

夢原さんの目下の悩みは、教え子のるみちゃん。ダンスを頑張ってたけど、ご家庭の経済状況が芳しくなく転校することに。転校先にはダンス部はない。

どうにか応援しようと、夢原先生は考えた。学校に掛け合ったり、親御さんに相談したり。
無策ではなく、一定の筋を通した現実的な案や、様々な補助政策も携えて。
だけど現実はままならない。新たな制度を作るには時間がかかるし、目先をしのぐだけでは生活は成り立たない。

まだ明確に描写はされていませんが、るみちゃんのお家は金以外の問題も抱えていそう。
今回未登場の母親は、一家の危機にさっさと離婚して一抜けで知らぬ存ぜぬです。
何か描かれていない事情があったにせよ、お父さんが自棄になるのも分かる。

プリキュアだったときは何でもできると思っていた。
しかしながら現実は、敵を殴り倒して解決することばかりではない。

ハピネスチャージの「人形の国」。
スマイルプリキュアの続編小説。
ハートキャッチのデザトリアン療法。

思い返せばプリキュアさんは、どうにもならない現実の問題に苦しめられてきた。
10周年の「人形の国」で吹っ切ったかに思えた壁が、成長した夢原さんの前に立ちふさがる。

謎の存在・ベルは語る。「時間は止まらない、戻らない」。これが何を意味するかは分からねど、街には蠢く謎の影たち。不思議な偶然か必然で再集結したプリ5の面々。
世界に溢れかえる「殴っても解決しない」問題の片隅で、夢原さんはどうなさるのだろう…?

【お帰りなさい、プリキュアさん】
プリキュア5にスプラッシュスター。
美翔舞役の榎本温子さんもおっしゃっていたように、驚くほど違和感なく当時のままで見ることができた。
それでいて感じる、あの頃には戻れない空気。

随所に溢れるオマージュや引用が謎の感情を掻き立てます。
OPにED、アイキャッチや登場人物。もうそれ一つで幾らでも語ってしまいそうな演出が次々と。

SS組からの初登場はいきなりの満さん・薫さんで、その後は健太・優子。
そして彼女らを「日向咲・美翔舞の関係者」と夢原さんは認識していない(おそらく)。
こういう距離感はとても好き。

卒業した一同がいつの間にか疎遠になってるのも良いです。
「プリ5」「GoGo」の物語は、視聴者的にはそれが全てでも、夢原さん達にとっては数十年の人生の1,2年のこと。
私達の知らない何倍もの時間を歩んで、今ここにいる。
それに何より「離れていても同じ空の下にいる」はプリ5で描かれたこと。ずっと仲良しべったりより説得力がある。

他にも大事なことやしょうもないこと、細々いろいろ気なることが溢れてくる。
夢原先生は、教え子にプリキュアが混ざってる可能性は考えてるんだろうかとか。慌てて物陰に走って行ったり、何やら蠢く鞄を押さえてアタフタしてたら、「ああ、うん、そうだよね…」と見て見ぬふりするんだろうか…。

SDGs絡みとのことでかなり不安にはなっていたのですけど、「大量消費はダメ」とか「個人の価値観優先」とかの安易な方向には行かなさそうでまずは安心。

ベルの語る「時間は戻らない」はスプラッシュスターのテーマ。
宇宙開闢前の静寂に戻りたかったゴーヤーンの夢は、全ての物に宿る命の前進により潰えた。時間は止まらないし戻らない。

これまでのプリキュアの文脈で行くなら「温暖化を食い止めよう!」とか「私達ひとりひとりが意識しよう!」のような方向ではないはず。るみちゃんを救うために皆で寄付しよう!とならないのと同じで。(いやもしかしたらその展開なのかもしれないけれど)

温暖化(不幸なアクシデント)は起きる。それは事実として受け入れるしかない。ただ無駄に悪化させる必要はないんだから避けられることは避けよう、備えよう。そしていざ起きても挫けず夢を見つめなおそう。そんな方向かしら。
夢原先生も、児童の問題を何でも解決するスーパー教師の幻想から卒業し、「できないことがある」を受け入れた上で「立派な先生」の夢を改めて目指すとか。

るみちゃんも転校先でダンス部を作ると宣言し、空元気かもしれませんが前を向いています。
夢原先生の想いはちゃんと伝わっている。彼女本人は納得できていないけれど。

OPの「夢原先生を助けに舞い戻ったかのようなキュアドリーム」の絵は無性に泣けてきます。
かつての自分。「夢」を冠するプリキュアに、現実に惑う自分自身が救われる。
実際にそういう展開なのかはともかく、子供時代のあの時の自分に救われる感覚は実感として分かる。

次回は「ケツイノスガタ」。決意の姿として変身なさる…のだろうか?
とんでもないものが始まってしまった。

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