ヴァイオリン日記

オーストラリア・メルボルンでヴァイオリン弾きをしてます。日常生活で感じたこと、経験した事、きままに更新しています。

生徒が旅立つ時

2005年08月06日 | 教えること
私の最初のヴァイオリン教師はイタリア人だった。
彼は日本語を話さなかった。
始めは、日本人の助手の先生が一緒にレッスンをしてくれたが、
しばらくすると、助手の先生は席をはずすようになった。

彼はとても、熱心に教えてくれた。
それに答えるように、私も頑張った。
一回のレッスンが2時間以上になる事はざらにあった。
言葉は通じなかったのに、
レッスンの内容はかなり充実したものだった。

ある時、私はある音楽大学の付属の入試を受けたいと申し出た。
先生はそれには、反対した。
反対された理由は今、考えるといろいろある。
学校に入ったら、ほかの先生につくであろうし、
先生も、私の将来について、色々考えていたのであろう。

ただ、私はどうしたらよいのかわからなくなった。

結局、私はその先生のもとを離れる事になった。
私は今でも、その時の事を考えると、切なくなる。

生徒は成長し、旅立っていかなければならない。
 
いつまでも、自分のもとにおきたがる教師もいるが
私は、もし、そういう状況になったら、
生徒とご両親の意思を尊重して、
できるだけ、力になりたいと思う。