ヴァイオリン日記

オーストラリア・メルボルンでヴァイオリン弾きをしてます。日常生活で感じたこと、経験した事、きままに更新しています。

教師の責任

2005年08月10日 | 教えること
新しい生徒で、前の先生が貼ったであろう
指板のシールを以前、私が全て取ってしまった生徒のレッスンが
今日あった。
 
実はその時、その子はかなり、パニクっていた。
かなり、長い間シールに頼っていたので、
自分ではこれから、どこをおさえればいいのか
わからなくて不安だったのだろう。
目に涙も浮かべていた。

私も、そんな彼をみて、少し不安になった。
これで、彼が、ヴァイオリン嫌いになったら私の責任だし、
最初からフィンガリングを学びなおす事になっても、
かわいそうな気がした。

今日のレッスンで、彼は、見事シールなしの
指板でヴァイオリンを弾く事ができた。
少し、音程が高くなる傾向にあるが、
私が思ったよりも速かった。

教師は、ものを教える時、今の事だけを考えてはならない。

趣味で弾いているはずの子が、
いつか音大に行きたいというかもしれない。
責任をもって、教えてもらいたい。
だからといって、あまりのスパルタ教育で
音楽嫌いにさせてもならない。

いい教師とは、そのへんの加減を知っている。